塚原アオハルの過去陸
「さあ、ここに寝て下さい」
花岡生州が指示し、道場の門下生が布団を敷き、陽光院を寝かせる。
「陽光院様、一刀斎様から病状は伺ってます、早速、治療をします、その治療する前にこれを飲んで下さい」
「これを飲むんですね…分かりました」
花岡が予め、煎じた薬草を白湯と一緒に飲むと、そのまま、二刻程、寝てもらい、それから手術をするという。
陽光院に飲ませたのは、通仙散という麻酔薬だと、二刻程、寝てもらい意識が戻る三刻前に、手術を終わらせると。
寝ている陽光院に霞姫が手を握り、手術の無事を祈る。
「母上は治ります、私、信じてます」
「ええ、霞姫様でしたね、私の腕を信じてくれてありがとう、手術は必ず成功させます」
花岡は腕をグッとさせ、霞姫に成功すると約束する。
それから、花岡は一刀斎に道場の皆を下がらせてくれるように頼み、手術は花岡と助手達による執刀となった。
それから、二刻過ぎ、手術は始まった。
手術の様子は外からでは、分からないが、霞姫がアオハルの手を握り、二人で祈ろうと言う。
「姉上は不安なのですね、分かります」
「そんな事ありません、ですが…一人で祈るより、二人で祈れば、きっと成功するに決まってます」
「? そうなのですか…姉上が言うならそうに違いない、このアオハルも祈ります」
道場の前に跪き、二人で祈る。
その様子を一刀斎や門下生の村正、正宗達も見ている。
皆は誰も言わずに、祈る。
時は経ち、三刻になると、花岡が道場から出て来た。
「上手くいきました、手術は成功です」
その瞬間、道場の皆で万歳の三唱が起こる。
万歳
万歳
万歳
「上手くいったか…」
その様子を見ている者がいた、それが正義の手の者か、それとも、別の誰かは誰にも分からなかった。




