塚原アオハルの過去肆
村正は、アオハルに稽古をつけていた。
「握りはこうだ、そして…構えはこう」
村正は竹刀で青眼の構えを取り、アオハルに見せる。
「構えはこうかな?」
「そうそれでいい、それから、こう振る」
青眼の構えから一直線に振ってみせた。
「おお、凄い! 綺麗な振り方だね」
「凄くないさ、高弟でも私は二番目位だし、世間的には剣鬼ぐらいの位だし」
「凄いよ、でも剣の鬼か…鬼はやだね」
「はは、君は歳の割に、聡明だね…確かに鬼は嫌かも…」
村正はトホホといった感じで、少し落ち込んでいる。
そこへ…
「村正、また落ち込んでるんか、もっと気分上げていこうぜ、一刀斎先生の高弟の名が泣くぜ」
「正宗か、君はいつも楽しそうだな」
「楽しそうじゃない、楽しいのだ、この人生、気分上げ上げじゃないとつまらねぇぜ」
「君は…いつもそうだな…」
「そうだぜ、さぁて、アオハル君だっけ? アオアオって呼んでいいかな?」
「いいですけど、貴方は…」
「俺は…一刀斎先生の高弟が一人、剣鬼の正宗様ぁたぁ、俺の事よ!」
「正宗さん、村正さんと一緒に俺に剣を教えて下さい」
「いいぜ、アオアオ、気分上げ上げでいこうYOYO」
塚原一刀斎が花岡生州のもとへ行ってる間、アオハルは、このように道場で高弟達と楽しく剣の稽古をしている。
一方、その頃、塚原一刀斎は…
「それは誠でしょうか!! 花岡先生!!!!」
「ええ、一刀斎様、陽光院様の治療ならば、直ちに向かいましょう、治療器具も一緒に運ばなければいけませんが…」
「正直、こんなに快諾されるとは思わなかったばい、正義の手の者が、今後、貴方の医者稼業を邪魔するやも知れんのに…」
「良いんですよ、邪魔出来るもんなら、やってみろと言いたいですね、医者を舐めるなよって」
「それは…心強い、では早速…」
「ええ…向かいましょう」
花岡生州の診療所に着いた、塚原一刀斎はあっさりと、治療の快諾を得たので、ある意味拍子抜けしていた。
これで、陽光院の治療が出来ると。
そして…道場へ花岡を連れていった。




