↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
20/24

塚原アオハルの過去弐

塚原アオハルは頬を引っ叩いた時、昔を思い返していた。

二十一年前、霞姫の母であり、血が繋がってないアオハルを引き取ってくれた人がいた。

その人は、霞姫とアオハルを連れて、知り合いである塚原一刀斎の道場に流れ着いた。

道場に、着くとその人は、塚原一刀斎の前に正座をし、お辞儀をする。


「どうか…この子達を引き取って頂けないでしょうか…塚原殿…」


「頭を挙げてくだされ…事の顛末は聞き及んでいます、御年寄からね、ワシの道場までわざわざ使いまで出してな、陽光院様」


陽光院、霞姫の母であり、アオハルにとっても実母に等しい人の名前であった。


「陽光院様、貴方様がワシの所に来たのは、上臈(じょうろう)の入れ知恵でしょうが…率直に申します、その判断は正しくもあり、間違えています」


「左様でございますか…天下の剣神、塚原一刀斎ならば、正義も手が出せないと聞き及んでいました」


「正義に勝てるか否かと聞かれれば、勝てるでしょう…っが、問題は…その後です」


「と申されますと? 」


「人は争う生き物です、確かに正義の下、無辜の民が犠牲になっています…然し…正義を討ち、権力を今のバクフが取り戻すとして…各地のダイミョウが、おとなしくしてるでしょうか…この千年も正義に服従してきたバクフを腑抜けと断じ、革命が起こるでしょう…その際にまた多くの血が流れるのは、自明の理でしょう…」


「そのような…」


「然し、希望もあります…次代の若者です、そちらの幼子が成長し、成人し、正義の驚異になれば…或いは…」


「どうだと言いたいのです…」


「この年寄りが、力任せに倒した世より、若者が悪知恵でも、倒した世ならば、如何に混沌とした世でも活路を見出せる…もし革命でも起きれば、若者が主導であれば、良き世になるやも知れません」


「矛盾してませんか…」


「左様、その矛盾も人の世にありふれたもの、二枚舌もある国もあるぐらいです、この年寄りには、次代の若者を育てるのが、一番の責務だと心得てます」


塚原一刀斎は、そう言い終えると、陽光院達を道場に匿う事になったのだ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。