3話 ということで、捕まりました
その肖像画を見た瞬間、時間が止まった。
私は三度瞬きをし、もう一度見た。
……誰?
そしてミラちゃんのほうはというと今にも笑いそうである。
「……っ、く、くふっ……だめ、無理……っ」
そしてついにミラちゃんが笑いをこらえきれずお腹を抱えて大笑いしだした。
「けふ先輩って一応女性型ですよねw。なんなら見た目子供に近いし、ケモミミとか尻尾とかはえてて、どちらかというと超かわいいの分類に入りますよねw。ハーハー、なのになんですかこの厳つい、仙人みたいなおじいさんは。ゼーゼー、先輩、先輩こそが神ですよねwww」
笑いすぎて地面をころげまわっているミラちゃんに言われたように、額縁の中にはまるで仙人のような険しい顔をした痩せ型のおじいさんが描かれていた。
さてここでこのおじいさんの見た目はどこから来たのかを考えてみることにした。まずこの世界を治める他の神を考えてみるが、このような見た目の神はいない。次に私の上司、要するに天界の様々な世界の神をまとめる神を考えるが、痩せ型のおじいさんという容姿の神はこの私より高い階級になるといない。
ではこのおじいさんは誰なのか? そうこの世界の者が考えた存在しない神なのだ。
「ごんらァ‼︎ 誰だ‼︎ 我々を作ってくださった神を笑うやつは‼︎」
声のした方を振り向くとあの牧師が真っ赤な顔をして立っていた。
「だって本当の神はこの人なのに、こんな仙人みたいな姿で描かれてるんだよw。ゲホゲホ、ほんとの神はこの先輩なのにwww」
あーあミラちゃん、言っちゃったねぇ。そんなこと言ったら余計火に油を注ぐことになるのに……
牧師は、さっきのミラちゃんの話を聞いて顔をより真っ赤にさせた。
「お前らは、神を笑うだけでなく、自分こそが神だというのか‼︎ 神への冒涜もいい加減にしろよ。聖剣士ども、こいつらを捕まえろ‼︎」
◇
その後、私たちは捕まり牢屋の中へ入れられた。ていうか、私たちを捕まえる方が神への冒涜じゃない? まぁ私はそこまで器が小さくないから、こんなのでは怒らないけど…… なんならこれは私たちが悪かったし……
ところで、抵抗はしなかったのかって? しようとはしたよ。でもさすがは聖剣士というだけあって、魔法の扱いには長けていた。
どういうことかというと、初めから魔法が使えないようにしてあったのだ。
とはいっても使えない魔法は魔力の消費が比較的少ないタイプの魔法だけであって、神級魔法など魔力の消費が大きいものは使えそうだった。
しかし、ここで神級魔法を使ってしまうと、威力が強すぎて、周りの関係のない住宅地をも巻き込んでしまう可能性があった。だから無闇には使えなかった。
「けふ先輩、私は本当のことを言っただけですよね。なのにどうして捕まる必要があるんですか?」
ミラちゃんは少しご立腹の様子だ。
「そうだねぇ。例えば、例えばだよ。神の神っているじゃん。最神様。ミラちゃんも色々お世話になったことあるでしょ。で、その最神様を急にバカにする者が現れたらどうする?」
「最神様はそんな神じゃないって反論します」
「怒りたくなるよね。じゃあ、その最神様をバカにしてた者が見た目とかも全く違うのに、自分が本当の最神様だ とか言い出したら?」
「そんなわけないでしょって言うと思います」
「そういうこと。だから今の私たちは文句を言えないというわけなんだよね。」
そう言って私はあたりを見渡した。ちなみにここの牢屋もさっきの聖剣士同様、魔法が使えないようになっている。
しばらくどうやって抜け出すかを考えていると、
「けふ先輩、私の体がだんだん透明になってきてるんですけど、これ大丈夫なやつですか?」
「それね。うちの世界では見学でこの世界に侵入した神は、大体3時間で強制的に天界へ戻される仕組みになってるの。本来は長話してなかなか帰ってくれない神用に用意してた機能だけど、こんな形で役に立つとは思わなかったよ」
「じゃあけふ先輩も帰れるんですか?」
「いや、私はその対象の中に入ってないんだよね…… まぁどうにかして脱出するから、先に帰っといて。私はこの後、後始末とか色々しないといけないことがあるから、ちょっと帰るのが遅くなりそうだし。あっ、そろそろ時間だね。今日ここで学んだことしっかり生かすんだよ。」
「はい。今日は色々教えてくださりありがとうございました。けふ先輩もできるだけ早く帰ってきていただけると嬉しいです」
そういってミラちゃんは天界へ帰って行った。
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ということがあって今私は1人で牢屋の中にいます。
ちなみにミラちゃんがいなくなったけど、看守たちの記憶を改ざんしたから、疑問に思われることはないはず……
そんなことを考えていると、ご飯を手に持った看守が階段を降りてきた。
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