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結末1

 空中で私とリギルは何度も衝突し、お互いに弾かれ、再度衝突するを繰り返していた。


「人外種のクセにしぶとい奴だな!!」


 リギルは炎の剣を私の首めがけて振り抜こうとする。冷静に太刀筋を見極めた私はブレイズ・ソードで受け止め、空中でクルリと横に回転してリギルを蹴り飛ばす。


「ぐッ……クソ!!」


「さっきから人外種、人外種って……まあ、話は聞いていたわ。人外種に対して憎しみを抱くのも分からなくもないけど……だからと言って命の価値を軽く見ているアンタの考えは間違っている」


 リギルは火球を作り出し、私に向けて放ち始める。私も青色の火球を作り出し、相殺を狙う。


「……見える」


 リギルの火球を全て撃ち落とし、私は再度リギルに接近する。


「全部相殺した!? そんなバカな!!」


 驚きながらもリギルは私に対して炎の剣を振ろうとする。その時、リギルの右腕付近から血の流れる音が聞こえ、私は事前に体の向きを変える。リギルの剣を紙一重で躱し、伸ばし切っているリギルの右腕を斬り落とそうとする。


「させるかよ!!」


 私のブレイズ・ソードとリギルの腕の間に炎の壁が生じて、私の剣が止まる。


「これは……」


「紅神竜の守護だ! リセットする力があるらしいが、神の力をリセットすることは出来ねぇようだな!!」


 得意げに口を動かしているリギルだが、私の笑みを見て、表情を固まらせる。


「いや? リセットするよ」


 ブレイズ・ソードにリセットする力を込め、紅神竜の守護を破壊する。


 突破されることを予期していたリギルは急いで右腕を引っ込めるが、人差し指の先端が切断される。


「なんだと!?」


「私の青い炎はありとあらゆるものをリセットする。それは紅神竜の力でもリセットするわ。ましては、アンタ自身の力じゃないから、リセットは可能よ」


「く……クソがぁッ!!」


 怒りに身を任せたリギルの体から熱風が放たれ、身の危険を感じた私はリギルから距離を置く。


「リセットは出来るけど……紅神竜の力はやっぱり強力ね。普通の人間なら焼かれているところだったわ」


「ミーナ・アリスト・ミストレーヴ!! その身を焦がし、苦しみを抱いたまま死ねッ!!」


 一直線に突っ込んでくるリギル。しかし、これこそが私の狙い通り。


「その選択は……」


 リギルを指差した瞬間、リギルの上から千本のブレイズ・ソードが降り注ぐ。


「悪手よ」


 紅神竜の守護を用いて降り注ぐブレイズ・ソードを防ごうとするが、リセットする力が込められている私の剣は守護を貫く。


「がはッ!!」


 数本のブレイズ・ソードがリギルの四肢と腹部に突き刺さり、リギルは地面に向かって落ちていく。


 動きが制限されたリギルを見て、私は大技を繰り出す。


「これで終わりよ!!」


 青い翼から炎を吹き出させ、大気圏内ギリギリまで高度を上げる。


 大技が来ることを察したリギルは紅神竜の守護を発動させ、炎の壁を何枚も重ねる。


「リセットされるのは承知の上だが、威力と速度は下げられる。減速した瞬間、返り討ちにしてやるよ!! 力が目覚めても、お前じゃ俺には勝てないんだよ!!」


「……私1人ならね」


 リギルの言葉に対して呟いた瞬間、私はさらに加速し、青い炎に包まれる。


「この青い炎が……この私の力が、希望の光となる。そして……この輝きは私1人のものじゃないッ!!」


「何を言って……」

「ジィィィィクゥゥゥゥッ!!」


 私の声に反応するかのようにジークが炎の壁の前に姿を現し、大きく振りかぶる。


「何ッ!?」


「主の道を切り開くのも執事の仕事です!! 道を開けてもらいます!!」


 ジークは右拳に青い炎を纏い、炎の壁を思いっきり殴る。


「ブレイズ・ストライク!!」


 次々と炎の壁が消えていき、ジークがリギルの横を通り抜けていく。リギルの前に炎の壁はなく、空に輝く青い光を見て、自分の終わりを悟ってしまう。


「バカなッ!! そんな……」


「これで終わりよ!!」


 青い輝きを放ったまま、ブレイズ・ソードを握りしめて、光速でリギルに向かって急降下する。まるで地に落ちる彗星のように。


「スバル!!」


 ブレイズ・ソードがリギルの体を貫き、リギルをそのまま王宮の敷地に押し付ける。着地した瞬間、青い炎が地面を走る。


 ブレイズ・ソードが突き刺さっているリギルは身動きが取れず、ずっと私を睨みつけてくる。


「み……ミーナ・アリスト……」


「これ以上、足掻いても無駄よ。心臓に突き刺さったブレイズ・ソードがアンタの存在をリセットするわ。もう……本当に終わりよ」


 リギルの胸部から青い炎が広がり始め、私はスッと瞼を閉じる。


「義兄様ッ!!」


 戦いの結末を見守っていたクロノがリギルに駆け寄り、リギルの体に触れようとする。しかし、リギルほクロノが体に触れることを拒んだ。


「来るなッ!! クロノ!!」


「義兄様……」


「何のためにここに来る? 敗北者の俺に……反逆者の俺に情けなど無用だ。このリギル……父上に剣を向けた時、このような結末になることも覚悟していた」


「義兄様……それでも、自分は」


「以前……お前に義兄と呼ばれる筋合いはないと言ったな?フフ……今思うと、義兄どころか……父親を手にかけるようなクズ人間だな」


「そんなことは……」

「クロノ」


 クロノの言葉を遮ったリギルは、微かに笑みを浮かべ、クロノの手を握る。


「お前がこの国の王だ。お前はお前の意思を持って……国を導け」


「義兄……様」


 クロノは涙を流し、リギルの手を強く握り返す。


「ミーナ・アリスト・ミストレーヴ」


 リギルは私に声をかけ、私はリギルの目を見つめる。その目に殺意はこもってなく、私は言葉の続きを待った。


「無念だが言わせてくれ……俺を止めてくれて感謝する。クロノを……頼む」


 私はコクリと頷いて、リギルの最期を見届けた。青い炎がリギルを包み込み、リギルの姿が消え、リギルのいた場所にはフレイアの雫だけが残っていた。

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