ミーナ覚醒3
シャフリ、シオンと合流した私はシャフリと背中を合わせ、魔力を持った青い球体を私とシャフリで16個出現させる。
「しっかり狙ってね。ミーナちゃん」
「アンタこそ、外さないでよね」
瞳を左右上下に移動させ、滞空しているリギルの兵士たちに狙いを定める。そして、青い球体に私の力を付与させ、狙ったところに私たちは魔法を放つ。
『ブレイズ・フルバースト!!』
球体と私たち自身が放った魔法がリギルの兵士たちを貫き、私はシャフリの元から離れる。
「終わらせるわよ、シオン!」
「準備……出来てる」
青い炎の槍を携えたシオンが私と同じ高度まで跳躍し、私も青い炎の槍を作り出し、地上に矛先を向ける。
「味方を巻き込まないでよね」
「加減……する」
私とシオンは体を捻り、戻ろうとする力を利用して槍を投げる。
『ブレイズ・スピア!!』
私とシオンの槍が地面に触れた瞬間、青い炎が地に広がり、リギルの兵士たちを包み込む。
躊躇いを取り戻し、戦う意志がなくなったリギルの兵士を見たヨハネスの兵士たちは右手を挙げて歓喜の声を上げる。
「やったね!! ミーナちゃん!!」
「ミーナ様……凄い」
シャフリとシオンが私の横に並び、国民たちを守っていたソフィアとサラスも合流する。
「ミーナ様。向こうも終わりました」
「誰一人傷つくことなく無力化しましたよ」
「ご苦労様。よくやってくれたわ」
そして……私の背後にジークが姿を現し、即座に気付いた私は背後にいるジークに目を向ける。
「ミーナ様。指示された業務は終わりました」
「ジーク……ありがとう。気が病みそうなことを押し付けて申し訳ないわね」
ジークは首を横に振り、私に笑みを見せてくる。
「気にしないでください。ミーナ様の手を煩わせるくらいなら自分にお任せください」
「ありがとう……そう言ってもらえると気が楽だわ」
地上に目を向けた私は怪我をしている兵士たちを見て、全員に新たな指示を出す。
「シャフリ、シオン、ソフィア、サラス。全員地上に降りて怪我人の手当てをお願い。もし残党がいたら正気に戻してあげなさい」
4人は同時に顔を見合わせ、シャフリが疑問をぶつけてくる。
「ミーナちゃんとジークさんは?」
私は笑みを浮かべ、王宮市街地の果てに目を向ける。そしてイージスを作り出し、私たちに向かって飛んできた炎の弾幕を受け止める。
「メインディッシュは最後に取っておくタイプなの」
炎が飛んできた方向にリギルの姿があり、私たちに向かって突撃してくる。私とジーク以外の全員が驚きの声を上げ、私はみんなに背を向けたまま、地上に降りるよう指示を出す。
「アイツは私とジークが引き受けるわ。アンタたちは地上に降りなさい」
「そんな……ミーナちゃん! 私も戦うよ!」
『ミーナ様!!』
「私の心配は無用よ。それよりもこの国……私たちが愛したアルカディアを守って……お願い」
イージスを消し、ブレイズ・ソードを作り出した私はみんなに命令ではなく、1人の人間として、1人の人外種としてお願いする。
ジークの次に私のことを理解しているシャフリが眉をハの字にして、地上に目を向ける。
「分かった……分かったよ。ミーナちゃん」
「シャフリ様!!」
納得できないソフィアが声を上げるが、シャフリが真剣な眼差しでソフィアに目を向ける。
「大切な人のお願いを無視するつもりですか? ソフィアさん」
「うぐッ……」
「大丈夫です。ミーナちゃんはきっと私たちのところに帰ってきます。それにジークさんもいますし、私たちは私たちが出来ることをしましょう」
優しい笑みを浮かべるシャフリを見て、ソフィアとサラスは地上に降下し始める。
「ミーナ様……ご武運を」
「私たち……待ってますから」
シオンとシャフリも降下し始め、2人も私に声をかけてくる。
「僕も……待ってる。だから……必ず」
「勝ってね!! ミーナちゃん!!」
降下していくシャフリたちの方に目を向けたかったが、私はあえてそれをしなかった。
「良かったの? みんなの顔を見なくて」
「……ホント、私の従者と友人は気持ちが真っ直ぐすぎるんだから。顔見ちゃったら……せっかく感情を押し殺したのに、意味なくなるじゃない」
ジークが私の肩にポンポンと手を置き、私は浮かんできた涙を指で拭う。
「……ジーク。アンタはお母さんたちのところで流れ弾の処理を……頼むわ」
「シャフリ様たちと同じで納得はしてないけど……お願いなら仕方ないね。必ず……迎えにくるよ」
ジークが軽く私に頭を下げ、一瞬にして私の前から姿を消す。
「……待ってるよ。ジーク」
1人になった私は深く息を吸い込み、突っ込んでくるリギルの攻撃をブレイズ・ソードで受け止める。
「ミーナ・アリスト・ミストレーヴ……やっぱりお前だったか!! 俺の駒たちを、俺の計画を台無しにしやがって!!」
「へぇ……ちゃんと腕治ってるじゃん。再生能力をリセットしたつもりだったけど、腕じゃ効き目が薄かったみたいね」
私の挑発に乗ってしまったリギルは額に血管を浮き上がらせ、腕に力を込める。
「人外種風情が……調子に乗るなよッ!!」
リギルの攻撃を受け流し、私は深くため息をつく。
「人間であることを捨てたアンタに言われたくないわ。そして……実の父親を殺したアンタは人間でも人外種でもない。ただの虫ケラ……生きるべき存在ではないわ」
私の青い炎とリギルの橙色の炎がぶつかり、空に何度も衝撃波が広がる。
「母親の前に、お前をあの世に送ってやる!!」
「あの世……か。それなら私は、アンタの存在そのものを消してあげる。そして、みんなの記憶からもね」
再び私たちはぶつかり、この戦いの最終局面を迎える。
更新が遅れてしまって申し訳ございません。
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