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シオンの選ぶ道2

 地上の隠密部隊がメインだったのか、飛行魔導部隊を撃退するのに5分もかからず、私は地上の様子を見る。


「遠くで見ていると、何もないところへ攻撃しているように見えるわね……」


 ソフィアが最前線に立ち、横から抜けてくる敵をジークとサラスが仕留める。それでも抜けてくる敵をシャフリがカバーする。


 最高の布陣だが、人数が少ないから抜けられるのも時間の問題……私も地上に降りて加勢するしかないわね。


 地上に降りようとしたその時、新たな飛行魔導部隊が現れ、魔法が私の行手を遮る。


「まだ来るの? 本当に厄介ね」


 フレア・ソードを握りしめ、突撃しようとしたその時、地上に動きがあり、私は再び地上に目を向ける。


「抜けられた!? ジークさん! サラス!」


「自分では遠すぎます!」

「ダメ! こっちも手が空かない!」


 背後で待機していたシャフリが目を細め、魔法を唱えようとする。


「シューター・スタンバイ」


 魔力を持った球体8つがシャフリの周りに現れ、シャフリの合図で属性魔法を放つ。


 一発の魔法で透明化が剥がれ、追撃の魔法で武器、防具を破壊する。


 丸腰の状態になったにも関わらず、兵士は前へ進み、シャフリを突破しようとする。


「……ごめんなさい」


 飛び込んでくる兵士の足に魔法を放つシャフリ。


 足が言うことを聞かなくなったことにより、兵士は前のめりに倒れ、その場で蹲る。


 相手を傷つけたことによって、罪悪感を抱くシャフリだったが、私はシャフリの判断は間違ってないと思った。


 そうでもしないと、相手は止まってくれなかった。私がシャフリの立場だったら同じことをしていたかもしれない。


「悪いわね……シャフリ」


 罪悪感を抱いているシャフリだったが、次々と抜けてくる相手に目を向けて、魔法を放つ。


 しかし、3名の兵士が連携を取ってシャフリの魔法を躱し、シャフリの横を通り過ぎていく。


「しまった!!」


 抜けられたことを知った私は地上に降りようとしたが、飛行魔導部隊の牽制魔法に行手を遮られ、降りられなかった。


「マズイ!! このままだと屋敷が!!」


 屋敷を占領されると、私たちの……お母さんたちの帰る場所が!


「邪魔しないでッ!!」


 シャフリの血が入った試験管を噛み砕いた私は、魔力を持った球体と共に魔法を放ち、飛行魔導部隊の隊列を崩させる。


 攻撃が止んだ一瞬の隙をついて地上に急降下する。


 左目が消えている兵士たちの姿を見せてくれたが、既に屋敷の門付近まで接近しており、射程範囲に入るまで私は心の中で何度も「間に合え!」と叫ぶ。


 兵士たちの足を止めるために魔法を放とうとした瞬間、兵士たち目掛けて何かが落ち、私は魔法を放つのを中断する。


「何?」


 舞い上がっている土煙が徐々に晴れ、私は目を丸くする。


「兵士が……倒れている?」


 土煙が完全に晴れ、倒れている兵士たちの中心にシオンの姿があった。


「し、シオン!?」


 思わず声を上げ、シオンは上空にいる私に目を向けて、軽く微笑む。


「ミーナ……ごめん。僕、お礼……しにきた」


「何を……言って?」


 シオンは林道から湧いて出てくる兵士たちに目を向け、スッと瞼を閉じる。


「……ドラグアーマ」


 シオンが呟いた瞬間、シオンの体内から蒼白い雷が溢れ、シオンは雷を右手に雷を集約して、握りしめる。握りしめた右手を開くと、雷が槍の姿に変わり、シオンはそれを両手でしっかり持つ。


 雷の槍を手にしたことにより、シオンの体が帯電し、離れている私の肌にもピリっとした感覚が伝わる。


「あれが……シオンの力?」


 瞼を開けたシオンは姿を消し、一瞬にしてジークたちのいる最前線に立つ。


「シオン様!?」


 いきなり現れたシオンを見て、ジークは驚きの表情を浮かべる。


「人間の……匂い。この程度の……数なら」


 シオンは勢いよく上空に飛び立ち、林道に目を向けて、体を大きく捻る。


 シオンのやろうとしていることを理解したジークは、ソフィアとサラスに撤退指示を出し、林道から離れる。


「そこ……ライトニング・スピア!」


 林道に向かって雷の槍を投げるシオン。


 槍が林道に突き刺さった瞬間、蒼白い雷が広範囲に渡って走り、林道に潜んでいたアルカディア兵士たちが叫び声を上げる。


「林道ごと攻撃するなんて……」


 離れて見ていたソフィアたちは、驚きのあまり口を開けてしまい、ジークは上空にいるシオンを見て、笑みを浮かべる。


「鬼や吸血鬼の次に力があると恐れられる竜人族……その子供で、ここまでの力を出すとは。恐れ入ります」


 しばらくして、林道から雷が消え、投げた雷の槍がシオンの手に戻ってくる。


 軽く息を吐いたシオンは地上に目を向け、雷の槍を消滅させた後に、ゆっくりとジークの前に降り立つ。


「シオン様……」


「ジーク……ごめん。ミーナの……言いつけ、守らなかった。でも……僕は!」


「全くね! 私の言いつけを守らないなんて……」


「お嬢様。飛行魔導部隊は大丈夫なのですか?」


「退いていったわ。林道に雷が走った瞬間にね……それよりも、シオン。どうして戻ってきたの?」


 シオンは視線を落として、私から目を逸らす。


 私はシオンに手を伸ばし、シオンはギュッと目を瞑る。


「……ありがとう」


 私はシオンの頭を優しく撫で、撫でられていると知ったシオンは顔を上げる。


「ミーナ……」


 安心したのか、シオンの体がフラつき、私は優しく受け止める。


 シオンの服が血で滲んでいるのを知った私は、眉をハの字にする。


「バカね……傷口が開いているじゃない。ジーク。シャフリ」


 私は2人にシオンを預け、手当を頼んだ。


「……よく戻ってきたね。シオン」

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伊澄ユウイチです!


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