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シオンの選ぶ道1

「シャフリ!」


 上空で待機していたシャフリを見かけ、ゆっくり減速して近づき、一緒に地上の様子を見る。


「ミーナちゃん!」


「状況は?」


「まだ戦闘にはなってないけど、確実に近づいているって」


 私は舌打ちをして、臨戦態勢に入っているジーク、ソフィア、サラスに目を向ける。


「……お嬢様も到着したようですね。ジークさん」


 上空にいる私の姿を見たジークは、通信バットを手に取る。私の頭上に通信バットが止まり、ジークの声が聞こえてくる。


 しっかし、何でお前は毎回頭の上に止まる?


「お嬢様……シオン様は?」


「……逃げてもらったわ。ここにいても、危ないから」


「そうですか……仕方ありませんね」


 心なしかジークは残念そうな表情を浮かべ、私との通信を切断する。


 頭上の通信バットが飛び立ち、フレア・ソードを作り出して、相手が来るのを待つ。


「……来ます」


 ソフィアの声と同時に私たちは視線を林道に向ける。


 ソフィアは聴覚に神経を集中させ、シャフリは眼鏡を外し、目を細めて、林道の出口を見つめる。


「……聞こえた!」

「……見えた!」


 ソフィアは迷うことなく駆け出し、何もないところで剣を振る。金属と金属がぶつかる音が響き、ソフィアは力任せに見えない相手を押し返す。


「やはりステルス魔法装備……厄介ですね」


「ジークさん! サラスさん! 左右から3人ずつ抜けてきます!」


 シャフリからの情報を受け取った2人は、抜けてくる敵の行き先に立つ。


「ジークさんはそのまま前に12歩! サラスさんは右に10度の角度で魔法発射!」


 指示通りに動いた2人は、あっさりと敵を倒し、次の指示を待つ。


「凄い……聞いた情報だけで倒すなんて」


 感心していたのも束の間。上空に飛行魔導部隊が現れ、私とシャフリに向かって魔法を放ってくる。


「ミーナちゃん!」


「任せなさい!」


 スカートのポケットから、サラスの血が入った試験管を取り出し、噛み砕く。


 左目が青く輝き、左手に魔力で生成された盾、イージスが現れ、イージスを使ってシャフリを守る。


「空は任せなさい! シャフリはジークたちをッ!」


「分かった! 無茶しないでね!」


 飛行魔導部隊の射程から離れるシャフリ。


 離れていくシャフリを狙わせないために、私はフレア・ソードを握りしめて、飛行魔導部隊に突っ込む。


「ミーナ・アリスト・ミストレーヴが突っ込んでくるぞ!!」


「撃ち落とせ!! 弾幕を張れ!!」


 私に向かって無数の魔法を放ってくるが、イージスとフレア・ソードを駆使して、私は飛行魔導部隊との距離を詰める。


「誰を堕とすって?」


 1人の背後を取った私は容赦なく蹴りつけ、地上に墜落させる。


 あまりにも距離が近く、魔法が放てなくなった兵士たちは剣を抜き、私に斬りかかる。私はその場で宙返りをして躱し、斬りかかってきた兵士の剣をフレア・ソードで破壊する。


「な! 剣が……燃えた!?」


 剣を破壊されて呆然とする兵士をイージスで殴り、墜落させる。


「化け物め……ミーナ・アリスト・ミストレーヴ」


「悪いわね。殺しはしないけど……」


 フレア・ソードの切先を飛行魔導部隊に向け、私は怒りを込めた言葉を投げつける。


「私は今、最高に苛立っているの。覚悟は出来てる?」


 再び血の入った試験管を噛み砕き、今度はソフィアの血を取り込み、左手にもフレア・ソードを作り出す。そして、首元に現れた笛を咥え、息を吹きかける。


「フォルティッシモ!!」


 甲高い音が鳴り響いた後、私の飛行速度が一段階速くなり、傷つかない程度に手加減し、次々と兵士たちを無力化していく。




 ◇◇◇




 ミーナから逃げろと言われたシオンは、見晴台の中で膝を抱えて座っていた。


「……ミーナ。どうして……」


 食料が入った布袋を握りしめ、一点を見つめ続ける。


 頭の中でミーナの「生きて」が何度も響き渡り、シオンは無意識に涙を流す。


「それ……言ってた……母さんたちも。僕だけ生きて……死んだ……みんな」


 涙が溢れ、シオンは動くことが出来ないくらい嗚咽する。


「チィ?」


 泣きじゃくっているシオンの肩に小鳥が止まり、小鳥の鳴き声を聞いたシオンはゆっくりと顔を上げる。


「……何?」


「チュンッ!!」


 シオンの頬を伝っている涙をつつく小鳥。小鳥のくちばしの感触がくすぐったかったのか、シオンは表情を和らげる。


「コラ……やめて……くれ」


 小鳥は首を傾げ、シオンを見つめ続ける。


 小鳥の頭を指で撫でた瞬間、シオンは小鳥からあるものを感じて、目を見開く。


「お前……ミーナ、ジークを待ってる?」


「チュンッ!!」


「ミーナ……ご飯、くれた。頭……撫でてくれた。ジーク……体、拭いてくれた。僕……2人に、何もしてない」


「チュンッ!!」


「ミーナ……ジーク。優しい。僕……2人を助けたい。2人にもう一度、会いたい。お礼……言いたい」


 目に浮かんでいる涙を拭い、シオンは前を見つめる。


「ミーナ。ジーク。今行く!」


 見晴台を飛び出したシオンは翼を広げ、治りかけの傷が開くのも構うことなく、空を舞う。

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伊澄ユウイチです!


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