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Meta Hack Flow  作者: hiroumi


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ハニートラップ

ドミンゴ博士とフロランがエレベータで5階のブルック専用オフィスに向かう。念のため、Small SERAPHを護衛につけた。

気づけばフロランは瓶型ロボット、ドローン、ハンドクローラー、Small SERAPHとBluetoothが接続できる範囲であれば何でも操作できるようになっていた。


体がないことが利点となり、それらの機械を動かしても脳への負担は意外に軽く、肉体がないからこそ多重操作が可能になったともいえる。


ドミンゴ博士「キミの周りは随分、にぎやかになったね」


フロラン「おかげさまで何でも思い通りにできるようになったぜ。それより博士、ブルック専務から独特な匂いがしていたとあの女どもが言っていたが何か思い当たる節はあるかい?」


ドミンゴ博士「そうだね、恐らく新しい秘書が何かやっているだろうね」


フロラン「ほう、どうしてそれがわかる?」


ドミンゴ博士「それはネオグライドでキミの戦いを見ているときにブルック専務が秘書とベッタリだったからね。観戦中に秘書の股間をまさぐるなんて蛮行は、さすがにケネス・ブルックといえども今までやっているのは見たことがない」


フロラン「なるほど、前の秘書に引き続き、またハニートラップに引っかかっているというわけか・・・」


ドミンゴ博士「前の秘書は、会議中に盗聴器を見つけてくれた人物らしい。なんでも企業のキャリアウーマンを装っていたと聞く。それをヘッドハンティングして自分の秘書にして毎日のようにオフィスで抱いていたからね。人間は一度、そういった成功体験をすると記憶に焼きつくんだよ。例えそれがハニートラップだったとしてもケネス・ブルックの中では小さな成功体験だ。そういうのは味を占めてしまうものだよ」


フロラン「ほんと、懲りない奴だな・・・」


ふたりはエレベーターを降りてブルック専務専用オフィスの前に来た。総務課のリンダがドアの前に立っている。


フロラン「よぉ!リンダ。相変わらず地味な恰好してるな」


リンダ「おはようございます。フロランさん、あなたはおもちゃに囲まれて幸せそうですね」


ドミンゴ博士「これこれ、ふたりともなじり合いはやめなさい」


リンダがドアの前に立っているのを見るところによるとドアがロックされているようだ。どうせ中でSEXでもしているのだろう・・・。


フロラン「ちゃんとノックしたか?」


リンダ「はい、中から返事がありませんでした」


リンダのその言葉を聞いて、ドミンゴ博士はその事態の深刻さにイチ早く気づいた。


ドミンゴ博士「それは手遅れじゃないか?」


フロラン「どけ!オレが開ける」


『バシュンッ!』


火花を散らしてドアノブが飛んでいった。Small SERAPHがブレードで切断したのだ。


そのままSmall SERAPHがドアを開けるとブルック専務が床に倒れていた。革張りの高級チェアに足を組んで座っているのは秘書のティーナ・フスだった。

彼女は冷たい表情でケネス・ブルックが床に倒れているのを、ただ眺めていた。


フロラン「おいおい、マジで手遅れかよ」


リンダが驚き、急いで救急車の手配をする。ドミンゴ博士はティーナ・フスの眼差しを見て恐怖を感じてオフィスの中に入れなかった。

独特な雰囲気と肝が据わった様子が恐ろしく感じた。


ドローンに乗ったフロランがティーナに話しかける。


「何が目的だ?」


ティーナが不敵に笑う。


ティーナ「目的?それは終わったよ。もうここに用はない」


フロラン「そうか・・・じゃあ死ね!」


Small SERAPHがブレードで切りかかる。素早くティーナはそれをかわした。高級チェアは真っ二つに両断されて床に転がった。


ティーナは窓のほうへ走って、そのまま外へ身を投げ出した。窓の外でホバリングしていた巨大なドローンの上に乗るとそのまま空高く上昇して姿を消した。


ドミンゴ博士「フロラン、追わないのか?」


フロラン「残念ながらそれはムリだね。追ったところでオレではどうにもできないだろう。地上以外で戦うのは不利だ」


ドミンゴ博士「・・・なるほど」



『Small SERAPH』や『SERAPH-07』は地上の戦いに特化している。それも舗装された場所では異常なほど強い。だが、空域や海域は専門外となっていた。


瓶型のロボットに脳が入っているフロランは急激な気圧の変化に弱い。それもまたフロランは知っていたのだ。




――― 後日 ―――

ケネス・ブルックの秘書だったティーナ・フスは何者だったのかわからず仕舞いだった。


ブルック専務は病院に運ばれ一命は取り留めたが薬物依存の強い反応が見られ、しばらく入院しなければいけない状態となった。


看護婦の問いかけに対して呂律(ろれつ)が回っていない。何をしゃべっているかさえもわからないときがあるほどだ。


看護婦「ブルックさん、あなたの同僚が面会に来られました」


ブルック「へぇ・・・ほふな」


ドミンゴ博士「おはようございます、ブルック専務。青いNeon Dustをひとつどうぞ」


ケネス・ブルックは震えた手で青いNeon Dustを受け取り、コップの水と一緒に体内に流し込んだ。


ドミンゴ博士はタブレットを開き、ケネス・ブルックの頭の中の情報が専用ソフトの中へ入っていくのを確かめた。


ドミンゴ博士「よし、いいぞ。頭の中にある情報は無事だ」


SSBRのボスからの指示でドミンゴ博士はケネス・ブルックの頭の中にある情報をすべてパソコンに取り込んだ。


青いNeon DustにはナノテクノロジーのAIが含まれている。彼が持っている情報はすべてデジタル化されデータはドミンゴ博士のタブレットの中に入った。


『Angel Descent計画』はケネス・ブルックがいなくても止まることはなかった。


https://note.com/hiroumimetavarse/n/n07f42572f9a3?app_launch=false


画像はnoteに置いています。

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