閃光の一撃
ボビーがレーザー銃で車を切り裂いていく。ノアとレナータは後退し距離を取った。
ノア「あんな武器あったの?」
レナータ「私も初めて見たわ」
ボビーの後ろからぞろぞろとケイシーとアルフ、アンブローズが出てきた。4人が一斉にレーザー銃を放つ。
山積みとなった車は瞬く間に床に散乱した。
アントン「これはマズイですよ。隠れる場所がなくなる」
アントンがスコープから『Saber Strike』のメンバーの動きを観察しているが、狙撃するには的が小さすぎる。
ファン「よし、オレたちが前に行って加勢するぞ!アントン」
アントン「了解です」
ファンとアントンは急いで前線のほうへ移動する。それと同時にノアとレナータが後退していた。
『Saber Strike』のボビーたちの近くを狙撃する者がいた。『UNIT-8』ノエルだ。
ケイシーはすぐに閃光弾を打ち上げた。
ノエル「うわぁっ!眩しい」
思わず目を瞑ってスコープから顔を背けた。5秒・・・体感はそれぐらいだった。
ようやく視界が回復したのでスコープを覗くノエル。また閃光が迸る。
「なんだ・・・また閃光弾を打ち上げている」また5秒・・・目を閉じる。
気づけば『Saber Strike』のボビーたちはノエルの近くまで迫っていた。
「な・・なに、こんな近くまで来ている!」
咄嗟にスクラップの山になった車の陰に隠れた。ボビーは3人に耳打ちする。
何も気にせずにこっちに向かってくる『Saber Strike』が不気味だった。まるで敵がいないかのように振る舞っている。
ノエルはライフルからサブマシンガンに武器を持ち替えた。『Saber Strike』のメンバーが集まっている方向に煙幕弾を投げつける。
煙を避けるために飛び出してきたアルフに狙いを定めた。ノエルはサブマシンガンを撃ちながらアルフに向かって走り出す。
アルフ「そこから斜め右45℃」
サブマシンガンを撃ちながらアルフに近づくノエルを3方向から交差するレーザーが切り裂いた。体が3分割され、消えた。
ファン「おいおい、マジかよ・・・」
スコープで照準を合わせたファンが覚悟を決めて引き金を強く握った。『パーンッ!』ライフルの高い音が鳴り響く。
わずかにアルフから弾が逸れた。アンブローズは閃光弾を打ち上げた。
「まただ・・・」
ファンとアントンは場所を移動して逃げる。気づけばライフルからサブマシンガンに武器を持ち替えていた。
彼らは『Saber Strike』の戦術を前にして心理的に追い詰められているのだ。
5秒・・・。また閃光弾が打ち上がる。5秒・・・。
『Saber Strike』は閃光弾が光っているうちに『Lv.BEYONDER』の拠点に入り込んだ。
ノアがボビーとケイシーに両手に持ったハンドガンで応戦する。2方向からレーザーが交差しながらノアの体を追いかける。
それを空中で体をひねりながらかわした。
「あぶねー!」
ノアに気を取られているところにレナータが飛び出してハンドガンを撃つ。ケイシーの肩をかすめた。
「いける!」
そう思ったのも束の間、目に光線を当てられて何も見えない。フラッシュライトを照らして仲間を守っているのはボビーだ。
「眩しい・・・」
「レナータ、逃げろ!走れ」
ノアの叫び声が聴こえた。一瞬、何が起きたかわからなかったがレナータは腕で目を覆い隠して走り抜けた。
ボビーとケイシーはフラッシュライトを手に持っている。ファンがふたりの立っている場所に煙幕弾を投げつける。
アルフとアンブローズは煙幕弾が投げられた方向にフラッシュライトを照らした。
「クソッ!眩しい」
ファンが一瞬、目を瞑って走りだした。その後ろをレーザーの光が交差しながら車のボディを貫通させた。
車のエンジンに引火して山積みにされたスクラップが燃え上がる。
アントン「まるでエイリアンに追い詰められた人類の気分ですよ」
ファン「まったくその通りだ」
ノア「手も足も出ないね・・・」
『Saber Strike』の後ろ、フィールドの中央が騒がしい。彼らは振り返った。
『龍重機』と『UNIT-8』が戦っている。
フロランとセシルがサブマシンガンを撃ち続け、『龍重機』4人が前進するのを拒んだ。
盾で上半身を隠しながらうまくかわしてゆく。
ボビー「よし、龍重機を狙うぞ」
『Saber Strike』の4人が一斉にレーザ銃を放つ。ユーリューとイーチェンを切り裂いた。盾が真っ二つに焼き切れる。
ふたりの姿が消えた。
フロラン「おいおい、冗談だろ・・・」
セシル「これがトップ同士の戦いなのか・・・ヤバイな」
レーザ銃の射程距離は15m、しかし、予想以上に遠くまで届いているように感じる。
ダメージを受ける範囲にいなくても光線が体に当たるのは心地良いものではなかった。
距離感がつかめず戦いにいくい相手だった。
『龍重機』のフェイロンとウンランが車の陰に身を潜めた。フロランとセシルは一旦、退避する。
ファン「オレたちを相手にしながらトップの『龍重機』ふたりを倒すってか・・・ナメられたもんだな」(苦笑)
アントン「どうやら我々は開けてはいけないパンドラの箱を開けてしまったようですね」
ノア「よし、いこう!」
ノアの前向きな姿勢に感化されて3人も一緒にフィールド中央に向かった。




