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Meta Hack Flow  作者: hiroumi


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復讐

ラチエ博士が出血している箇所にタオルを当て、さっき箱から飛び出した義手(プロステティック)型ロボットを探す。

投げ捨てた場所に自身の血の痕が残っていたが義手(プロステティック)型ロボットは見当たらない。


「どこだ?どこにいった?」


義手(プロステティック)型ロボットはゆっくりとラチエ博士の背後に忍び寄る。


キョロキョロと辺りを見渡す博士の頭上から何かが降りて来た。


「ハッ!なんだ!」


慌てて身をかがめて確認する。


その目線の先にはドローンが空中でホバリングしていた。


「ドローン?」


ラチエ博士がドローンに気を取られている後ろから義手(プロステティック)型ロボットが助走で勢いをつけてから博士に飛びかかった。


「うぁっ!」


今度は背中を突き刺すと博士は痛みのあまりその場に倒れた。


「あの・・・ドローンはシルヴェーヌが操作していたやつだ・・・」


研究所のモニターの1つにノイズが走り、画面が切り替わった。そこに映っているのはシルヴェーヌだ。


「博士、どう?私のハンドクローラーの威力は。お気に召して?」


「私を・・・殺す気なのか?」


ラチエ博士は酷く怯えていた。黒いNeon Dustの被験者に襲われるのはこれで2度目になる。

フロランに次、シルヴェーヌまでも・・・。


博士は床を這って逃げようとしている。


パウル「ホォー!博士、どこに行くの?」


鎖につながれたパウルが逃げ惑う博士を煽る。


ラチエ博士にパウルを相手にしている余裕はなかった。


背中に2本の指を突き刺したハンドクローラーは他の指で自身の機体を支えながらゆっくりと刺した指を抜いた。

そして次の瞬間、別の箇所へ鋭い爪を突き立てた。


「ぐぉっ・・・」


博士が堪らず声をあげる。ほふく前進していた腕が崩れ横向きに倒れたが、それでも諦めずにまた這うように逃げる。


「本当は殺そうと思ったら殺せるんだけどね。もっと楽しませてあげる♡」


シルヴェーヌは疑似現実(シュードリアリティ)の中でほくそ笑んでいる。


博士は大切なことを忘れていた。


NEXA MILITECHから買い取った3つの脳はすべて死刑囚だった。

強盗殺人や拉致監禁、窃盗に刺殺など、極悪非道な罪を犯した人間の脳・・・。


死刑執行された後に、その死刑囚の臓器は闇で取引されている。


脈が止まり『死亡』と判断された遺体など、その後どうなったかは誰も知る由もない。


フロランの脳を入手したルートよりも一層タチが悪かった。すべてブローカーのせいだ。


もちろんLumen Ark(ルーメンアーク)のホワイトハッカー、ラファエラはそんな事実は知らなかったのだ。彼女は本気で助けたいという気持ちで動いていた。


そして、それに協力してシルヴェーヌに与えてはいけない武器を与えたのはカジェタノだった。


『鋭い爪』『クモのようなロボット』『戦闘用』『多目的』


それらの実行命令(プロンプト)を入力してAIによる設計と3Dプリンターで出力したものを組み立て制作した。


ハンドクローラーの指の間にはカメラが付いている。その視界は360度を見渡せて死角はない。

尖った指先は特殊な合金が使われ鉄よりも硬くできている。


与えてはいけない相手に与えてはいけない武器を与えてしまったのだ。


博士は震える手で、ポケットから赤いNeon Dustを取り出した。バレないようにほふく前進を続ける。


ハンドクローラーが博士の背中に尖った爪を何度も突き立てる。博士の左腕はもう動かなくなっていた。


椅子や机にしがみつき、なんとか立ち上がると瓶のフタを開け、赤いNeon Dustを投入した。


博士はそのまま通路のほうへ必死に走って逃げる。


怒ったシルヴェーヌは博士の背中を(つた)い足の腱を攻撃し始めた。


「うぉぉっ!」


通路で博士が倒れ込む。もう右腕と膝しか動かせない。研究室から通路へ、博士の血の痕が床に伸びている。

血だらけで這ったまま研究所の玄関を抜けた。そこでやっとハンドクローラーの動きは止まった。


「はぁはぁはぁっ・・・助かったのか・・・」


博士は急いでスマートフォンで救急車を呼んだ。

5分後、空からドローン担架が飛んできて、ゆっくりと地面に着地する。


『身分証をカメラに見せてください』


AIの音声ガイダンスと個人認証だ。

博士は身分証を提示して、そのまま病院へ運ばれて行った。


研究所の玄関にあるハンドクローラーはピクリとも動かない。Bluetooth接続可能な範囲から出てしまったのだ。


シルヴェーヌ「クソ!接続が切れた」


シルヴェーヌの脳が入った瓶の中に赤いNeon Dustが溶けだし気泡がブクブクと沸いている。


疑似現実(シュードリアリティ)のモニターに映ったシルヴェーヌが悲鳴をあげる。


「ああー!壊れるー!」


頭を押さえ、悶え苦しむ。


黒いNeon Dustに加え、赤いNeon Dustの併用。


瓶に接続された機器のモニターに映る彼女の脳波は異常なほど大きく波を打っていた。


彼女の脳波は乱れ続け、やがて人格を維持できなくなった。

シルヴェーヌという存在は、そこで消滅した。


https://note.com/hiroumimetavarse/n/n423d2edc4817?app_launch=false


画像はnoteに置いています。

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