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Meta Hack Flow  作者: hiroumi


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英雄の帰還

仮想現実(バーチャルリアリティ)のエルディオスの街、Lumen Ark(ルーメンアーク)の拠点に仲間が集まった。今日は特別な日だ。ノアとレナータも参加している。


アンジェリカが司会進行を務める。

「SSBRに半年以上、潜伏していた仲間を紹介するわ。ゲレーテ・ヘンラインよ」


彼女のアバターが物陰から登場するとみんなが拍手で温かく迎え入れた。


「半年も敵の施設にいたなんて考えられないぜ!よくやったよ!」

カジェタノが彼女の功績を称え、周りからの拍手は一層大きくなり称賛の声が上がった。


コニック博士「本当にご苦労だったね、ゲレーテ。現実世界でのキミの活動はこれで終わりだ。これからは裏方として動いてもらえばいい」


ゲレーテ「ありがとう、みんな。SSBRは本当に危険な組織よ。気をつけてね。新薬の『New Blue Neon Dust』は興奮作用が強く、従来の薬に比べて脳とAIの融合が強力になっているわ。それを使って、あの組織はもっと効率的にハッキングをすることを企んでいるの」


ノア「IDとパスワードをハッキングして、個人情報を盗み出しているんだね」


ゲレーテ「それだけじゃないわ。『The Code Divers』が国やエルディオスの街へアタック攻撃を仕掛けているの。あの組織の本当の狙いは国家転覆だから個人への攻撃は余興に過ぎないわ。政府(AI)の情報の処理を遅延させ、バグを発生させるつもりなのよ」


コニック博士「それが本当なら既に手遅れだろう。残念ながら政府(AI)にはもうバグが入ってしまっている。もちろんプログラマーや専門家を集めて修復作業にとりかかっているが資金の流動や物資の供給がだんだん遅くなってきているようだ。世界中でそれが起きているとしたら?」


アンジェリカ「いずれは物資が届かなくなる国が出てくる?」


「そうだ、その通りだ。物資の供給が断たれた状態が長く続けば社会は混乱する」


コニック博士は国が情報を処理するリアルタイムのスケーラビリティをモニターに表示した。過去のスケーラビリティを現在のものと比較すると明らかに情報の処理に遅延が発生している。エルディオスを運営するAIの協力を得て世界中のどこの国のスケーラビリティも確認できるが、すべての国に遅延が発生し始めていた。


ラファエラ「SSBRによる不穏な動きが続くわね。NEXA MILITECHの幹部ふたりとラチエ博士も仲間に取り込み、さらに厄介なドミンゴ博士と『ANGEL DESCENT計画』に新たに参加したフロランという男ね」


ゲレーテ「フロランは元々ラチエ博士の研究対象だった被験者よ。SSBRに偵察に来てドミンゴ博士と接触し寝返ったの。大型のロボット『SERAPH-07』に搭乗しテスト稼働に成功したことから『ANGEL DESCENT計画』に加わったわ。ラチエ博士をSSBRに連れて来たのも彼よ。もっとも瓶に入っている脳だけの存在だけどね」


コニック博士「ああ、なるほど・・・脳だけの存在とは恐れいった。ラチエ博士にもドミンゴ博士にも私は敵わない。彼らは倫理の外にいるからね」


コニック博士は狂人と呼ばれるふたりの博士に脱帽した。常識に(とら)われる自分とふたりの博士には大きな隔たりがあるとそう感じているのだ。


アンジェリカがコニック博士の肩にそっと手を置いて気遣いをみせた。


「あなたは常識のあるステキな人よ。そのふたりと自分を比べないで」


アンジェリカに耳打ちされてコニック博士の気持ちが少し和らぎ肩に入った力は抜けた。


ラファエラ「もしSSBRの準備が整って『ANGEL DESCENT計画』を始動させるとしたら、いつかしら?」


ホワイトハッカーの鋭い視点が新たな問題を提議する。


ゲレーテ「それは恐らく従来のNeon Dust(ドラッグ)から新薬の『New Blue Neon Dust』に切り替わり仮想現実(バーチャルリアリティ)の世界で資金や物資の流動が停止したときかもしれないわね。完全に止まるというより社会が混乱しているときを狙うと思うの」


ノア「つまりSSBR傘下の『The Code Divers』が国や街に仕掛けるアタック攻撃と新薬が浸透したときに起きる大規模な個人情報のハックに次いで『ANGEL DESCENT計画』の開戦の狼煙(のろし)が上がるというわけか、たしかに後戻りできない計画だけに慎重に事を進めそうだね」


レナータ「私たちはどうすればいいの?」


コニック博士「キミたちにはできるだけネオグライドで戦って資金と物資を獲得してもらいたい。そうすればキミたちが住んでいる国は”最初の狙い”から外れるだろう」


ノア「なるほど、資金と物資が尽きそうな国から狙われ、そちらから先に倒していけば最後に大きな国に行き着くわけだ。まるで前の世界大戦が起きたときのようだね」


カジェタノ「おお、よく知ってるなノア。たとえテロが起きたとしても他国で起きたテロは人々にとっては対岸の火事だ。実際に自分たちが体験するまで、それはリアルじゃない。対策など何もしないはずだ。テロに巻き込まれ、大きな争いに発展したときに初めて人々はハッと目覚めるんだ。『これがリアルなんだ!』ってね」


世界大戦は中東の国同士の争いから始まり、それは宗教戦争だったと言われている。


その争いがやがてアジアやヨーロッパ全土に火種が広がっていき、やがて最後には大きな国を巻き込んで世界大戦へと発展した。


その当時の映像は今も残っている。まるで()()()()を模倣するように『ANGEL DESCENT計画』が練られているように感じた。

中東で戦争が起きたとき、アジア圏やヨーロッパでは他人事(ひとごと)だった。


「ああ、また争ってるんだ」


その程度の認識である。しかし、自分たちが戦争に駆り出されたとき、そこで初めて人々は気づいたのだ。


「この争いは勝たなければすべてを失う」と・・・・。


平和を望む人々を恐怖に陥れ、自分たちの私利私欲のために()()()()に戻そうなど本当に狂ってる。なんとしてもSSBRの計画は阻止しなければならない。


ノア「よし!僕たちも全力で戦おう」


https://note.com/hiroumimetavarse/n/n18b74f7bcfcd?app_launch=false


画像はnoteに置いています。

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