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Meta Hack Flow  作者: hiroumi


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新薬の量産計画

ここはNEXA MILITECHの施設の前、車を運転しているのはニコデモ・ラモス、そして、助手席に乗っているのはマトローナ・メチェレヴァだ。SSBR洗脳部隊に所属するふたりが前の席に座り、後部座席に座っているのはカジョ・レオンとエロディ・シャリエールである。そして、さらにイシドール・ラチエ博士も同席している。


ニコデモ・ラモス「おう!兄弟、着いたぜ!バッチリ、キメてきてくれよ」

街の中でこの男を見かければ、誰でも陽気な良い奴に見えてしまうだろう。しかし、腹の底はドス黒く、誰よりも()を理解している男だった。

マトローナ・メチェレヴァはシートベルトを外して助手席から降りると後ろのドアを開けてエロディ・シャリエールを抱擁した。

「エロディ、がんばってね。私はいつでもあなたの味方よ」

優しいお姉さんに抱擁され、香水のイイ匂いとマトローナの色気に魅せられてエロディの瞳は輝いた。

「マトローナ、ありがとう。私たちの忠誠心を証明してみせるわ」

エロディ・シャリエールは車を降りると覚悟を決めたような顔つきに変わった。


NEXA MILITECHの施設へカジョ・レオンとエロディ・シャリエール、そして、イシドール・ラチエ博士が入って行く。ニコデモ・ラモスとマトローナ・メチェレヴァは車をゆっくりと発進させ、その場を去った。


「おはようございます。レオン様、シャリエール様。そちらの方は?」

施設のエントランスに立っている強面(こわもて)の男が質問する。

「ああ、この方はラチエ博士だ。これから一緒に会議に参加してもらう」

カジョ・レオンがNEXA MILITECHの幹部らしく振る舞う。

エロディ・シャリエールは冷たい表情で無言だった。

この3人はSSBRのスパイとして活動を開始している。裏切れば()が待っているがSSBRのために活動している限りは安全と裕福な暮らしが保障される。


3人はエレベータに乗り、ホッとして息を吐いた。エレベータ室内での会話はなく、彼らは10階で降りると会議室がいくつもあるフロアで予約していた3番の会議室に入って淡々と準備を進める。

コンセントに差したスマートフォンを充電するACアダプターは大胆にも盗聴器だ。

今頃、ラモスとメチェレヴァが車内で盗聴を開始している頃だろう。


会議の予定時間10分前からぞろぞろと役員たちが集まってきた。カジョ・レオンは自分を落ち着かせる(大丈夫だ。なんてことはない、いつも通りの会議だ)と。

エロディ・シャリエールが資料を配り、ラチエ博士が自己紹介を終えると開発した新薬の量産計画について説明を始めた。

「『New Blue Neon Dust』は従来のものとは異なり、興奮作用が大幅に上回ります。ドラッグをキメた直後はSEXする可能性が高くなるのです。幻聴と幻覚作用が強く、誰も身体に触っていないのに身体に触れられている感覚を体感するのです」

これは仮想(バーチャル)SEX向きの新薬だとラチエ博士は謳っている。


「この薬を使えば仮想(バーチャル)SEXが気軽に楽しめます。

SEX依存と人口の抑制を同時に実現できる代物ですよ。男性器の精子の数が減少し避妊効果も増す。

現実世界でSEXしても女性が妊娠する確率は低くなる。

使用者はやがて仮想(バーチャル)SEXなのか現実世界でのSEXなのか見分けがつかなくなっていく。

快楽に溺れて、そのうち誰とでもSEXするようになります」


ラチエ博士の説明を受け、幹部のひとりが唸る。

「なるほど、その新薬を10代の娘に使わせておけば20代、30代の体が成熟したときに存分にその体を楽しめるというわけですな。ヘッヘッヘッ♪」

小太りの目つきが悪い男が想像を膨らませてやらしい笑い方をした。


「ここに『New Blue Neon Dust』のサンプル品があります。欲しい方はおられますか?自分で使ってみたいという方は手を挙げてください」

エロディ・シャリエールが手を挙げた役員に新薬を配った。

ほぼ全員に新薬を配り終えると量産計画の実行手続きの書類に役員たちのサインをもらい、それを回収した。


カジョ・レオン「本日の実りのある会議にお越しいただきありがとうございました。それではリソースの確保と準備に入らせていただきます。

次いで実行・進捗監視・記録を行い、軌道修正と改善を経て、量産開始とさせていただきます」

深々と頭を下げ、役員たちからは拍手が沸き起こった。


会議室から出るときに役員のひとりがカジョ・レオンに声をかけた。

「前よりもずっとイイ男になったな。見違えたぞ」

その言葉を聞いてカジョ・レオンは少しだけ微笑んだ。

役員たちが退出すると3人は会議室を片付け、総務課へ赴いて書類を提出した。


SSBRのスパイになった3人は息をするのを忘れるほど緊張していた。NEXA MILITECHの施設を出た後に大きく息を吸って我に返り、カジョ・レオンは「ニコ、終わったよ」と相棒に無事にミッションが遂行されたことを報告した。


『New Blue Neon Dust』のサンプル品には、すべてナノテクノロジーのAIが入っているがあの役員たちの食いつき具合からすれば若い娘に金を払って新薬を使ったSEXを試したくてしょうがないように見えた。

混ざりモノが入っているかどうかなんて、それどころではなかった様子だ。誰も()()()()()が入っているとは夢にも思っていないだろう。


その夜、会議に参加したNEXA MILITECHの役員全員のデータがラチエ博士の専用ソフトに収束した。

https://note.com/hiroumimetavarse/n/nb5ebd088ad13?app_launch=false


画像はnoteに置いています。ちょっとエロいです。

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