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ブラック企業のホワイト支店  作者: マツグチラムネ
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第6話 ブラック企業のマナー講座

登場人物


宮本→主人公

馬渕→同期(良い奴)

古田→人事担当

毒島→マナー講座の教授(バケモノ)

古田「….はぁ、まぁ説教はここまでにしといてやる。お前、次はねぇからな?」


宮本「……ハイ、スミマセンデシタ。」


古田「ごほん、えーでは取り敢えず全員揃ったという事改めまして皆さん、今日の入社式のスケジュールを前のボードに貼っておきますので、よーく確認しておいてください。おい、そこの遅刻馬鹿はしっかり見とけよ。では一度休憩に入ります。十時三十分からまた始めますのでそれでは。」


人事が部屋から出ていくのを確認した俺は崩れるように顔を机に伏した。


宮本(や…やっと休憩だ。まさかあそこまで公開処刑にされるとは…)


俺の心はもうすでに壊れかけ寸前だった。

なんせ自分の人間を完全否定しまくりの上、聞くに耐えない言葉の暴力をふるってくるのだ。

側から見たら完全なイジメだ。よく耐えたもんだよ、俺。


あそこまで公開処刑になっていた俺を哀れんだのか、放心状態になっている俺のところへ後ろに座る同期の一人の馬渕という男の子が心配そうに話しかけきた。


馬渕「…おい、おつかれ。さっきは散々だったな。あればっかりはしょうがねぇよ。」


宮本「…いや、大丈夫よ。流石にここまで言われた事はなかったけどさ。」


馬渕「メンタル強いよお前。俺だったらもう遅刻確定した瞬間、もう会社バックレてるわ。」


宮本「⁉︎しまった、その手があったかああああああ‼︎‼︎」


確かにそうだ。本当に俺は馬鹿だ。

あんなに入社するの嫌がってたんだから、バックレれば良かったんだ。なんで思いつかなかった。

改めて俺の馬鹿さ加減には自分でも呆れるぐらいだ。


宮本(くそー、俺のバカバカバカバカ)


ひとり後悔の念を抱いて自分を責める俺に苦笑いをし、馬淵は俺を諭した。


馬渕「まぁまぁ、ここまできたらお互い頑張ろうぜ。俺は馬渕。よろしく。」


宮本「……確かにそうだな。俺は宮本。まぁすぐ辞めないように頑張るよ。」


馬渕「あぁ、程々にいこうぜ。」


この馬渕という男、話してみると中々気さくないい奴だった。

彼は名古屋の名学大というところからきたみたいで、彼もまた高校まで野球をやっていたようだった。そのため野球の話でかなり話が盛り上がり、彼のおかげでなんとかさっきの事などもう忘れてかけるまで俺のメンタルは回復した。


宮本「ありがとう馬渕。なんとか立ち直れたよ。」


馬渕「ははっ、そりゃよかったよ。あっそうだ、後でライン交換しようぜ!」


宮本「あぁ、いいよ。」


ホッと気が紛れたのも束の間で、休憩時間は終わり、人事が部屋に戻ってきた。


……なんか凄い化粧の濃いおばさんを引き連れて。


古田「おーい、お前らいつまで喋っている。今すぐ机を後ろへ片付けろ。そんで椅子だけもって円になるような形に並べろ。」


宮本(えっ。なにするの?てかこのひと誰?)


多分皆俺と同じような事を思ったのだろう。

一瞬戸惑いながらも皆言われた通りに机を後ろ側へ片付け、椅子を円の形になるように並べた。


それにしても人事の連れてきたこのおばさん、かなり化粧が濃く、まるで海外のホラー映画に出てきそうなクリーチャーみたいだった。


椅子が円のように並んだのを確認すると、人事は再び話し出した。


古田「よし、では今から社会人のマナー講座を始める。今からお前らにこのマナー講座を教授していただく毒島さんだ。しっかり教えてもらえ。では毒島さん、後は頼みます。」


人事はそう言うとまた再び部屋から出て行ってしまった。

そして人事が出て行ったのを確認して、この毒島というおばさんは俺らを一度見渡し、めちゃめちゃ大きな声で喋り出した。


毒島「初めまして‼︎このマナー講座を教授させていただきます毒島と申します。どうぞよろしく。では皆さん、取り敢えず椅子に座ってください‼︎」


宮本(うわ、うるさ!声デカすぎだろ、このババア。)


一瞬驚いたが、俺たちは言われるがままに座った。すると俺の隣に座った馬渕がヒソヒソと俺に声をかける。


馬渕「……なぁ、この毒島って言うおばさん、めっちゃ化粧濃くね?」


馬鹿野郎、このタイミングでそんな事言うなよ…と思い、俺もヒソヒソ声で彼に返答をする。


宮本「馬鹿、今そんなこと言うんじゃねぇ、アイツに殺されるぞ。…まぁでもあの顔とあの名字は確かにぴったりだな笑。」


馬渕「ぷぷっ、お前の方が失礼じゃねーか。笑」


そんな俺たちの会話が気になったのか、すかさず毒島さんは俺たちに指をさし、大きな声で問い詰めてきた。


毒島「そこの二人‼︎何か私に言いたいことでもあるのですか⁉︎」


宮本・馬渕『いえ、何もありません‼︎‼︎』


あまりにも凄い剣幕で睨んできたので、俺と馬渕は直立不動になって答えた。


いやいや、怖すぎだろあのババア。


まだ興奮気味だが毒島さんは全員の方へ振り替えり、再び話し出した。


毒島「…こほん、まぁいいでしょう。では今からこれから社会人となる貴方達に社会人のマナーというものを教えます。このマナー講座にて貴方達はこの会社で必ず必要となるマナーを学ぶ事になりますが、決して無駄では無いモノばかりなのでしっかり学んでください。では、まずは挨拶の練習からです!!!」


このマナー講座、やる事は案外基本的な事ばかりだった。挨拶の練習、お辞儀の練習、電話対応の練習、笑顔の練習とかだ。


宮本(なーんだ、こんなもんか。)


ごく普通の一般的な事だなと俺は思った。

講師の毒島も声はデカいが、終始笑顔を絶やさない中々気のいい人間であり、凄く優しかった。


しかしこの講座、進むにつれだんだん化けの皮が剥がれていく内容へと変わっていった。


毒島「えーこれらが一般的なお客様への対応です。では次にかなり過激なお客様様への対応の練習に入ります。まずは皆さん、椅子も後ろへ片付けて、一列に並んでください。」


宮本(ん?過激なお客様?クレーム対応とかか?)


少し嫌な予感がしたが、それは俺の予想を斜め上へといくモノだった。


毒島「えーではこれから土下座の練習を行います。皆さん、まずはその場で正座をしてください。」

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