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ブラック企業のホワイト支店  作者: マツグチラムネ
21/35

第19話 初出勤

登場人物


宮本→主人公

中山→ウルトラ美人さん

宮本「あ〜ついにこの日が来てしまったか〜てか何で俺だけ今日からなんだよ〜クソが。」


現在3月18日AM6時15分。


俺は会社の近くのコンビニの駐車場に車をとめ、車内でそうぼやきながら喚いている。


そう、あの入社式から二日後の今日、俺はついにこのブラック企業である松黒商事の支店の一つである岐阜支店で勤務するのだ。


定時が7時とはいえ、時間が時間なだけにさすがにまだ社員らしき方はまだ来ていないようだ。


流石にもう遅刻はしたくない。もうあんな思いはしたくない。そう思い、俺は今日は6時には家を出た。


社員さんいつ来るのかな…、いつ入っていいのかな…そう思いながら待機し、今に至っている。


配属された支店への出勤日が分かったのたのはあの飲み会から帰宅したほんの数分後の事だった。

会社から一本のメールが届き、各社員の出勤日の日付が記載されていたのだ。

内容はこの通りだ。

  藤原→4月2日

  山本→4月2日

  笠原→4月2日

  石川→4月2日

  森本→4月2日

  山本→4月2日

  宮本→3月18日


下記の日付にて配属された支店へ出勤に願います。皆様のご健闘強くお祈り申し上げます。 』


宮本「ちくしょう‼︎俺だけもう出勤かよ‼︎」


なんだこの差別は。遅刻したからか?遅刻したからなのか⁉︎もしかして俺ってこの会社から嫌われてるのかな?絶対そうだよな‼︎くそったれめ。


みんな4月までまだ休みがあるのに、俺だけもう出勤。差別だ!もうここまでくると怒りを通り越して、もう半分呆れてくる。


抗議の電話を入れてやろうかと考えたが、ふと我に帰り、その後の身の危険を感じたので、大人しく会社の指示に従うことにした。


そんなこんなで、この土日はもう外にもでず、ただダラダラと過ごした。気持ちは完全に『働きたくない働きたくない働きたくない』だ。


まぁ、支店が自宅の近くだったのは結構幸運かもしれない。家からたったの10分で着く事が出来た。これなら仮に寝坊するような事がおきても大丈夫だな。そんな事を思いながら、俺は社員さんが来るまで、このコンビニの駐車場で待機している。


30分後


宮本「なかなか来ないな…もうそろそろ来てもいい頃だと思うけど…」


あれ、俺もしかして場所間違えた?


かなりの不安が俺の頭の中をよぎり、俺は慌てて支店の住所を調べた。調べてみたところ、やはり場所はここであっていた。

でも誰もまだ来ていないと少し不安だ。俺はそう思い、車から出て、トコトコと会社の外をうろついてみた。


辺りをうろついてみて、結構わかる事がある。この岐阜支店、意外にも本社と同様、もしくはそれ以上に建物が大きく、敷地もかなり広かった。そして新築並みに綺麗だ。


宮本「ブラックのくせに割とこういうのは金をかけているのね…」


会社の建物を見ながらたまげていると、ぽんぽんと後ろから肩を叩かれた。


あっ、ようやく社員の方が来られたか…そう思い振り向いてびっくり、物凄い美人のお姉さんがニコニコと俺に笑顔を向けていたのだ。


??「おはよう、もしかして君が今日からきた新入社員くん?」


今まで見たことのないぐらいの美人さんだった。ナチュラルメイクで整った顔立ちに、黒髪ロング。スラットしたスタイル、それなりにありそうな胸、膝上ぐらいの丈のスカートにタイツ。


俺は本当にびっくりした。緊張してしまい挨拶を返すのだが、その声が裏返ってしまった。


宮本「あっ、ハイ‼︎本日から岐阜支店に配属されました宮本です‼︎どうぞお見知り置きを‼︎」ウラゴエ


「あはは、君面白いね。車そこの駐車場に止めるといいよ。どうせあそこのコンビニに止めてるでしょ。」


宮本「よ、よくご存じで…」


「んじゃ車止めたら事務所入ってきて。教えたい事があるから。」


宮本「ハイ‼︎わかりましたー‼︎」


俺はこの美人のお姉さまにそういうと、光の速さでコンビニへダッシュし、車を指定された駐車場に置いた。


車を止め、降りた時にはもうすでに事務所の中が明るくなっていた。どうやらお姉さまはもう事務所の中に入っているようだ。


それにしてもやはりここの支店の敷地内はかなり広い。材木やパイプ、コンクリートもいっぱい置いてあった。


宮本(すげぇな、ココ。)


そう思いながら俺もキョロキョロと敷地を見渡しながら事務所の中に入った。


宮本「しっ、失礼しまーす…」


恐る恐る事務所に入ってまた驚いた。


事務所の中は凄くきれいだったのだ。なんかコンビニありそうなコーヒーメーカーとウォーターサーバーが有り、最新のコピー機にFAX機、配置されている机には一つの机に二台のパソコンが並んでおり、椅子も高そうなモノだった。


入社式で行った本社とは大違いだ。まるで別世界のように感じた。


??「きれいでしょ、ここの事務所。あっそうだ、宮本君もコーヒー飲む?」


お姉さまは俺にそう言いながら、コーヒーメーカーに紙コップを設置して、コーヒーをいれていた。


宮本「えっ、いいんですか?」


??「いいよ〜、好きなだけ飲んでよ。」


宮本「ならお言葉に甘えまして…」


こうして入れてもらったコーヒー、結構コンビニに置いてあるやつと同様になかなか美味しい。えっ、本当ここブラック企業なの?そう思うぐらいだ。


??「とりあえず宮本君の席はここね。」


なんか良い意味で思ってたところと違いすぎて逆に少し興奮気味になってしまい、キョロキョロと事務所の中を見渡しながら言われた席に座った。


??「まだ私しかいないから大丈夫だよ。あとこれが君のタイムカード。壁についている読み取り機にかざすと、出勤の記録してくるから、もうやってもいいよ。後手伝って欲しい事があるから、ちょっとまってて。」


宮本「あっハイ、了解であります‼︎」


しまった。また変な喋り方をしてしまったかも…


ピッ


俺は美人のお姉さまに言われた通り、タイムカードを押して待ってると、お姉さまはたくさんのタイムカードを持ってきた。


??「宮本君、このタイムカードも一枚一枚全部押しておいてくれる?」


宮本「へっ?…あぁ〜わっかりました。」


ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、


言われた通りたくさんのタイムカードを押すのだが、何となくあれっ?と感じた事がある。


時計を見るともう時間は6時55分に差し掛かり、未だ事務所の中にいるのは俺とお姉さまの2人だけ。まだ誰もきていないのだ。


流石に気になり、俺はお姉さまに聞いてみた。


宮本「すみません、まだ他の方達って来られないのですか?」


??「あぁ〜そういえば宮本君まだ知らなかったよね。一応この会社ってさ、定時7時じゃん。でもそんなのダルいからここの支店の定時はね8時半にしてるの。そんで勝手に作った独自のルールで毎日当番制を設けてね、1人だけ7時前に来てみんなのタイムカード押してあげるの。だから残りのみんなは8時半前に来るんじゃないかな?」


「えっ⁉︎まじっすか。」


何そのルール⁉︎凄え。えっ、ここもしかして….


??「うん、だから今日の当番は私だったってだけで、明日はまた別の人が私の分のタイムカードを押してこの会社の定時に出勤していた事にしてくれるんだよ。だから宮本君も明日からは8時半前にきても大丈夫だと思うよ。いいでしょ、ここの支店。」


宮本「わぉ、そんなの有りなんですか‼︎凄いですね。あっ、タイムカード全部押し終わりました。」


??「あら、ありがと。私の名前は中山薫。よろしくね。んじゃここの支店の定時まで1時間以上も時間があるし、いろいろここの説明するね、んじゃまずはこのよ建物の中を案内するからついてきてくれる?」


宮本「ハイ‼︎お願いします‼︎」


こうして俺は中山さんにこの支店の中をいろいろ教えてもらった。


この建物、事務所と倉庫がくっついている三階建ての構造となっており、1階には建設現場で使う材料がいっぱい棚に配置されていた。


何が何に使うか正直まだわからないが、多分いろいろなメーカーさんの商品を取り扱っているのだろう。そして二階には商売の主となる衛生器具や電化製品が段ボール箱に梱包されている状態で数多く配置されていた。よく見ると、結構見たことのあるメーカーばかりだ。本当、まるでどっかの電気屋さんみたいな感じだった。


そして3階。ココは会議室と金庫と書類の保存室と情報室?のようなところがあった。


事務所の隣には給湯室、受付の隣にはお客さんとの商談室があり、もう色々とあの本社と違いすぎて、本当にビビった。


支店から50メートル離れたところにももう一つ、倉庫が置いてある敷地があり、そこにある倉庫には、また使い道がまだ分からないが、鉄管がたくさん並んでいた。


「色々と凄いっすね、ここの支店…」


そう呟いた俺の言葉に反応して、中山さんは得意になってこう話す。


中山「ふふん、そうでしょうそうでしょう。なんだってココは岐阜で1番凄い建築系の商社なんだから。宮本君もこれから頑張らないとね!」


笑顔で話す中山さんを見て俺は少し嬉しさと喜びを感じてきた。


中山「じゃあもうすぐ他の方も出勤してくると思うし、そろそろ事務所に戻ろっか。」


宮本「ハイ!わかりました‼︎」


正直今日はどうなるのかと不安で仕方がなかった朝の気分が一転、俺は今とてもワクワクな気分になっている。


こんな会社あったらなぁ……

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