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ブラック企業のホワイト支店  作者: マツグチラムネ
16/35

第15話 悪魔の契約

登場人物


宮本→主人公

古田→人事担当

社長→松黒商事の偉い人

藤原→同期

山口→同期

笠原→同期

石川→同期

森本→同期

山本→同期

古田「え〜、以上で我が社の就業規則についての説明を終わります。ではこれから同意書を配りますので、ご記入をお願いします。」


人事の説明が終わると、後ろに控えていた社員達が俺たちの席に同意書を配布した。

どうやらこの同意書に名前の記入と判子を押してしまうと、めでたく俺はこの松黒商事の社員となってしまうみたいだ。


宮本 (ヤバイヤバイヤバイ。本当にどうしよう。)


人事が説明したとおりの恐ろしい就業規則が書かれた同意書を俺はもう一度読んだ。

でも何回も読んだところで何かが変わるわけでもない。


これはまさに悪魔の契約書だ。


そして俺は今まさにそのちの契約を交わす寸前の淵に立たされているのだ。正直俺は今から逃げ出そうか考えている。この会社の社員になってしまったら、おそらくこの先地獄が待っているのだろう。絶対逃げた方がいいに決まっている。


そう思っているはずなのに…何故か身体が動かない。自分の意思とは別に手が、脚が、動いてくれない。


すると、人事はそんな俺の顔を覗き込むように追い討ちをかけて問いかけてきた。


人事「宮本君?どうしたの。早く書きなさいよ。ここに名前、ここにハンコだよ。」コイヨ、オマエモコノジゴクヘ


しまった、もたもたしていたせいで人事につかまってしまった。


言わないと。勇気を出せ、今からでも遅くない。


宮本「あの…えっと…実は…」


人事「君以外はもう皆書いてくれたよ?」ニタァ


宮本「え''っ⁉︎」


人事のその言葉を聞いた瞬間、俺は瞬時に周りを振り向いた。そして人事の言った通り、すでに俺以外の同期達の机にはもう同意書がなかった。


宮本 (皆書いちゃったんだ…)ゾォ〜


皆書いてしまった。多分書かざるを得なかっただろう。


その証拠に森本と石川は机にうずくまって号泣。石川に至ってはまだ鼻水も垂れ流している。


山口は一心不乱に独り言を言いながら紙にまだ何かかきつづけ、笠原はまだ口をパカっと開けて馬鹿みたいな顔で天を仰いでいた。


藤原さんは意識をまた取り戻したみたいだけど、机に頭をガンガンと何度も打ち付けており、なんかいっそうキモかった。山本さんは…ランランと非常に嬉しそうな笑顔で座っていた。


宮本 (そっか…皆さんマジか…)


人事「どうしたの?早く書いてよ。」ニタァ


人事はそう催促すると、俺の横にぴったりと立ち、まるで逃げ場を潰すように無言の圧をかけてきた。


ここで俺は悟った。

もうダメだと。逃げ場はすでにどこにもなかった。

俺は震える手でこの悪魔の同意書に名前の記入と判子を…してしまった。


そしてその書いた紙をひったくるがのごとく社員が奪い、人事に渡した。


社員A「人事、全員分の同意書、全て回収しました。」


宮本 (くそったれくそったれくそったれ)


人事 「ご苦労。よし、これにより、今日からお前達は無事我が松黒商事の社員となったわけだ。会社のために、死ぬ気で働いてもらおう。ではこれから配属先の辞令を行う。呼ばれたら1人ずつ前に出ろ。社長、辞令書の授与をお願いします。」


社長「おう。」


人事「お前ら名前を呼ばれたら返事しろよ‼︎」


森本「……………」グスングスングスングスン

石川「……………」ズピーズピーズピー

山口「……………」ガリガリガリガリガリガ

笠原「……………」ボケー、ポケー、クチパカー

藤原「……………」アタマガンガンガンガン

山本「……………」ニコニコニコニコニコニコニコニコ

宮本「……………」ナムサン…


人事 (ふん、こいつら自我を失いかけてやがる…ったく、これだからゆとりは…)


こうして運命の配属先の発表が始まった。

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