表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/6

説明

少しずつ、ルールが見え始めます。


でも、それが分かったところでーーどうにもならないのかもしれません。

第2話「説明」


「説明を開始します」


館内に響く、無機質な声。


ざわめきは止まらない。


「ふざけるなよ!」

「早く開けろって!」


出口に人が群がる。


ドアを叩く音。叫び声。


だが――


「静粛に」


その一言で。


不思議と、空気が一瞬だけ静まった。


「本ゲームにおいて、参加者にはポイントが割り当てられています」


「各参加者のポイントは、行動によって変動します」


「は?行動ってなんだよ」

「意味わかんねえよ」


当然の反応。


だが、説明は続く。


「一定時間ごとに、ポイントは減少します」


その瞬間。


空気が変わった。


「……減る?」

「勝手に?」


誰かが呟く。


「ポイントが0になった参加者は、ゲームから除外されます」


――除外。


その言葉が、妙に引っかかった。


「除外って、どういう意味だよ……」


誰も答えられない。


「……ねえ」


隣で、幼馴染が小さく言う。


「これ、本当に……」


その先が続かない。


「大丈夫だろ」


反射的にそう言っていた。


根拠なんてないのに。


「こういうのってさ、ただのイベントだろ」


自分に言い聞かせるように。


でも。


胸の奥のざわつきは、消えない。


「第一フェーズを開始します」


その瞬間。


ポケットのスマホが、震えた。


「……え?」


取り出して、画面を見る。


見覚えのないアプリが開かれていた。


黒い画面。


中央に、大きく表示された数字。


100


「……なんだよ、これ」


それは――自分のポイントだった。


周りでも、同じようにスマホを見てざわつく声が上がっていた。


スマホが、小さく震えた。


画面を見る。


100 → 95


「……は?」


思わず声が漏れる。


「減ってる……?」


ざわめきが一気に広がる。


「今の何だよ!?」

「勝手に減ったぞ!?」


パニックが再燃する。


「ふざけんなよ!!」


一人の男が、近くの店のガラスを蹴りつけた。


バキッ


ガラスが割れる。


「壊せば出られんだろ!!」


その瞬間。


男のスマホが震えた。


画面。


95 → 70


「え……?」


空気が凍る。


「な、なんで……」


男の顔が引きつる。


「攻撃的行動を確認。ポイントを減算します」


淡々とした声。


理解が、追いつかない。


「……は?」


次の瞬間。


男が叫ぶ。


「ふざけんなよ!!」


再び、壁を殴る。


スマホが震える。


70 → 40


「やめろ!!」


誰かが叫ぶ。


でも、もう遅い。


「やめろって!!」


40 → 10


「……あ」


男の動きが止まる。


全員が、そのスマホを見る。


10。


「……うそだろ」


誰かの声。


震えている。


男が、一歩後ろに下がる。


「ま、待て……」


手が震えている。


「待ってくれ……」


そして。


スマホが、震えた。


10 → 0


その瞬間。


男の体が、崩れた。


ドサッ


音を立てて倒れる。


「……え?」


誰も、動けない。


「……おい」


誰かが近づく。


「起きろよ……」


反応はない。


「……うそだろ」


ざわめきが戻る。


でも、それはさっきとは違う。


恐怖。


完全な理解。


(……死んだ?)


その考えが、頭をよぎる。


否定したいのに。


できない。


「……ねえ」


幼馴染の声。


震えている。


「今の……」


言葉にならない。


「……ああ」


それしか言えなかった。


「ゲームの継続を確認」


無機質な声が、追い打ちをかける。


「参加者は、ルールを理解してください」


理解なんて、したくなかった。


でも。


もう、分かってしまった。


(これ、本物だ)


冗談でも、イベントでもない。


本気の――


デスゲームだ。



ここまで読んでいただきありがとうございます。


少しずつ、このモールの異常が見えてきたと思います。


それでも、まだ分からないことの方が多い。

 よければ、この先も見届けていただけると嬉しいです。




――あなたのポイントは、今いくつですか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ