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いつものモール

それは、いつも通りの放課後のはずだった。


何も変わらないはずの場所で、何かが静かに壊れ始める。


ショッピングモールで始まる、少しおかしな「ですげぇむ」


よければ、最後まで付き合ってください。

夕方のショッピングモールは、いつも通りの賑わいだった。


人の話し声、足音、流れている軽い音楽。

どこにでもある、ただの日常。


「ねえ、これどうかな?」


隣で、幼馴染が服を持ち上げる。


柔らかい声。

少しだけ首を傾げて、こちらを見てくる仕草。


「……似合ってると思う」


「ほんと?適当じゃない?」


「適当じゃないって」


そう言うと、幼馴染は少しだけ笑った。


安心したような、嬉しそうな顔。


(……かわいいな)


なんて、思ってしまう。


言えるはずもないけど。


店を出て、二人で通路を歩く。


フードコートの方から、いい匂いが流れてくる。


「お腹すいたね」


「さっき食べたばっかじゃん」


「それとこれとは別なの」


「意味わかんないって」


くだらない会話。

でも、それが心地いい。


(こういう時間、ずっと続けばいいのに)


ふと、そんなことを思った。


その時だった。


ブツッ


一瞬、音が途切れる。


店内に流れていたBGMが、急に止まった。


「……あれ?」


周りの人たちもざわつき始める。


「停電?」


「いや、電気はついてるけど……」


確かに、照明は消えていない。

でも、何かがおかしい。


空気が、少しだけ重くなった気がした。


ザザッ――


スピーカーから、ノイズが流れる。


館内放送。


でも、いつもと違う。


少しだけ、音が歪んでいる。


「……なんだろ」


幼馴染が、不安そうに呟く。


少しだけ距離が近くなる。


無意識に、袖をつかまれる。


ザッ――


ノイズが止まる。


そして。


「これより、ゲームを開始します」


一瞬、誰も理解できなかった。


「……は?」


誰かの声が漏れる。


「本日の参加者は、館内にいる全員です」


ざわめきが一気に広がる。


「何言ってんだ?」


「ドッキリか?」


「ふざけてるだろ」


笑い声すら混じる。


でも。


ガコンッ


どこかで、大きな音がした。


振り返る。


非常口の扉。


閉まっている。


いや――


ロックされている。


「え、ちょっと待って……」


誰かが扉に駆け寄る。


ガチャガチャとノブを回す。


開かない。


「現在、館内は閉鎖されています」


淡々とした声。


感情のない、機械的な音。


「出口は使用できません」


空気が変わる。


さっきまでのざわめきが、明らかに違うものになる。


不安。


焦り。


理解できない恐怖。


隣を見る。


幼馴染の顔が、少し青くなっていた。


「……ねえ、これ……」


その声は、小さく震えていた。


「ポイント管理システムを起動します」


その瞬間。


館内のモニターが、一斉に点灯する。


数字が表示される。


100


全員に。


(……なんだよ、これ)


胸の奥がざわつく。


嫌な予感しかしない。


「説明を開始します」


逃げ場は、もうない。


(……始まった)


普通だった時間が、終わった。


ここまで読んでいただきありがとうございます。


“いつもの場所”が少しずつ壊れていく感じ、伝わっていたら嬉しいです。

 この先、ルールやモールの異変も、明らかになるのかもしれません。

 よければ、続きも読んでいただけると嬉しいです。



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