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あおいだいち  作者: 佐々木 栞
第3章 高校生

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第8話 海を見に行こう3

スマホと睨めっこしたけど駅近で良い店は見当たらなかった。

ちょっと遠くに行けばあるけれど、行き帰りで時間がかかるからなるべく時間使いたくない。

結局よく行くチェーン店のファミレスが駅近にあったからそこにしようとあおいに提案したら了承してくれた。

駅を降りてお店に向かう。

お店は思ったより混んでなかった。

窓際の手近な席に座る。

タッチパネルで人数を入力してメニューを選ぶ。

「あおいから選んでいいよ」

あおいにタブレットを渡す。

あおいは受け取ってどれを頼もうか選び始める。

ぼんやりとあおいを見ていた。

なんとなく感じたとしか言いようがない。

...あおいの様子がおかしい?

なんだか口数がいつもより少ない気がする。

久しぶりだからそう感じるだけか?

「あたし選び終わったわよ」

あおいが注文を選び終えて俺にタブレットを渡してきた。

タブレットを受け取って俺も注文を選んだ。

ハンバーグライス付きドリンクバーセットでいいや。

あとは全部注文するだけっと。

注文カゴを確認したときだった。

ハンバーグライス付きドリンクバーセットが2つ。

オムライス。

季節限定特盛パフェ。

...なんかいつもより多くない?

いやいつも俺と2人の時はあおいはめいっぱい食べるけどそれ以上頼んでる。

いつもならハンバーグとパフェぐらいで満足するのに。

あおいをちらりと見る。

あおいがその視線に気づいた。

「...なに?」

「こんなに食べきれるの?」

「...いつもこんなもんでしょ」

「いやいつもより多いよ」

「...今日は食べたい気分なの」

...まあ本人が食べるっていうならいいか。

注文を確定してタブレットを所定の位置に戻す。

パフェは食後オーダー。

「あおいの分のドリンクも持ってきちゃうけど炭酸ジュースでいい?」

「うん。ありがとう」

俺は席を立ちドリンクを取ってくる。

戻ってくるとあおいは外を眺めていた。

...再び訪れるほんの僅かな違和感。

炭酸ジュースをあおいに渡す。

「ありがとう」

俺は席に座る。

再び外を見るあおい。

「...あおいは夏休みどう過ごしてるの?」

「大地と一緒。毎日勉強漬け。それに推薦もあるから小論文に面接対策、志望理由書まで書かなきゃいけないし大変よ。オープンキャンパスにも行ったわ」

俺はあおいの顔をまじまじと見てしまう。

「...なによ?」

「いやあおいが俺の前で大変だとかそういうこと言うの聞いたことなかったから。...ビックリして」

「そうだっけ?...それもこれも大地が...」

と言いかけてあおいは黙ってしまった。

「俺?」

「...なんでもない」

「...気になるんだけど」

「なんでもないって!!」

不機嫌になるあおい。

なんだろう。

何かしたかな?

考えていると猫型ロボットで料理が運ばれてきた。

「あおいの分も取るよ」

俺が立ち上がって届けられた料理を取る。

「...大地のバカ」

あおいの口から小さく呟かれたその言葉は俺の耳には届いていなかった。


あおいは本当に全部食べてしまった。

朝ごはん食べたって言ってなかったっけ。

いつにもましてすごいな。

あおいは少し満足そうな顔をしていた。

お会計を終えて再び駅へ向かう。

駅に人が多くなってきた。

なるべく先導しながら歩く。

改札を通ってホームで電車を待つのにベンチに2人で座った。

ゆったりとした時間が流れる。

しばらくこんな時間過ごしてなかったな。

受験勉強しすぎて忘れていた。

駅のホームから見える青空。

穏やかな時間が流れる。


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