純粋。
ー優朝視点ー
怜燈お兄ちゃん達が行って、数分後。
「優朝、もう良い?良いよね!やっちゃえ!!」
止める間もなく痺れを切らした優夜が、その能力を解放した。
無理やりついてきた身で、
「いいのか?」と思いながらも、俺は優夜に続いた。
砦は、負の感情で溢れていた。
妬み、怨み、苦しみ。
混ざり合って、濁っていた。
俺はそれを混ぜ合わせ、周囲に撒き散らした。
俺がしたのは、それだけだった。
なのに人間は感情の渦に耐えられず、あっという間に壊れてしまった。
つまらない。
優夜も俺と似たような事をしたようだった。
そして、結果も似たような形になったらしく、冷めた目で砦を見下ろしていた。
一時間も経たないうちに砦は落ちてしまった。
人間って、こんなに弱いんだ。
そう思った。
だからこそ、響お姉ちゃんと凪お兄ちゃんがあんな目にあったことが納得できなかった。
あの時俺が動いていれば、そう思わずにはいられなかった。
家に帰ると、皆まだ寝ていた。
「時雨、優朝、優夜みんなありがとう。疲れだろう?おやすみ。」
怜燈お兄ちゃんに布団をかけられて、俺達はあっという間に寝てしまった。
起きると、陽が西の空に沈むところだった。
寝過ぎた……。
焦っていると、響お姉ちゃんがやってきた。
「優朝、おはよう。」
いつものように、包み込むような優しい声で話しかけられた。
俺は目を見開いた……
「響お姉ちゃん、もう大丈夫なの?」
「うん。お姉ちゃんは元気よ。優朝ありがとう。」
響お姉ちゃんは、俺を抱きしめた。
トクンッ、トクンッ。
心臓の音が、よく聞こえた。




