結果。
ー凪視点ー
「怜燈兄さん、落ち着いて聞いてね。
知ってるわ。」
「だよな、困惑するよな。でも、事実なんだ。」
「……怜燈兄さん?」
「俺達の商品、質が良過ぎたみたいだ。
俺も最近知って驚いたんだよ。」
「怜燈兄さん?私の声聞こえてる?」
「もちろん聞こえてるぞ。」
「私今なんて言ってた?」
「え、落ち着いて聞くわ。だろ?」
「……怜燈兄さん、私は知ってるって言ったの。
聞こえた?知ってるのよ。」
「……うん?知ってる?知ってるってあの知ってる?
響の故郷の変わった言い回しとか?」
「怜燈兄さん、今一番落ち着くべきは怜燈兄さんよ。」
「そうか?……でも、なんで知ってるんだ?」
「怜燈兄さん、だって質が良すぎるわ。
それに前も同じようなこと言ってなかった?」
紫音が呆れたように言っていた。
「質がいい?普通じゃないのか?
それに言ってた?」
「姉様、怜燈兄さんって、昔から野生で生きてたわよね?」
「そのはずよ。」
「怜燈兄、疲れてる?」
紫音と響姉さんがこそこそ話していた。
鈴音も心配するように、怜燈兄さんに聞いていた。
「逆に普通を知らないとか……?」
「あり得るわね。」
「え、どう言うことだ?」
「怜燈兄、多分だけど、子供は子供だけでもの売ったりしない。」
外を知らなかったはずの鈴音でさえわかってるみたいだった。
「なるほど。」
「怜燈お兄ちゃん、道端の商人はあんな綺麗なもの大量に持ってないんだよ。」
「怜燈お兄ちゃん、道端の商人にしては移動しすぎだと思うよ。」
「そうなのか?」
「怜燈お兄ちゃん、色々目立ちすぎ。」
蓮華がとどめを入れた。
「なんか、ごめん。もっと速く気づけばよかった……」
怜燈兄さんは、見るからに落ち込んでいた。
「ま、まぁ怜燈兄さん、失敗は誰にでもあるわ!
切り替えましょ!」
響姉さんに励まされていた。
「そうよ!怜燈兄さん!それでさっきの続き聞かせて!」
「で、でも、俺、何も知らないから、間違ってるかも……」
「知らなくても、死なない、大丈夫。」
怜燈兄さんは更に落ち込んだみたいだった。
俺も怜燈兄さんを励まそうと思って言ったのに……
「凪、凪の気持ちはよくわかった。
でもな、一旦静かにしてような。」
時雨にそう言われてしまった。
「怜燈兄さんは、前言ってた人間のとこで暮らそうって言いたかったんでしょ?」
桜花が言い放った。
「う、うん。」
「私達は一度納得してるわ。だから、大丈夫、だと思うわ。」
「ありがとう。」
「……私達の方針は始めから決まってたわ!」
「うん。私も人の里で暮らしてみたかったから。」
「皆嫌じゃないのか?」
「嫌じゃないわ。」
「俺の我儘なのに?」
「怜燈兄さんが守ってくれるんだもの!
嫌じゃないわ!」
俺にはこの光景に見覚えがあった。
前もこんな感じで怜燈兄さんに踊らされたような……
「わかった、俺頑張るよ!」
「えぇ!」
俺達の意見はまとまった。
多分、怜燈兄さんの思惑通りに……
それでも、俺は嫌だとは思わなかった。
だって俺は皆と居れればどこでもいいから。
「そう言えば、さっき凪兄家に水かけてたけど、窓閉めてた?」
「……あ。」
突然鈴音が言った。
「嘘でしょ……」
紫音がすごい速さで家に入って行った。
「凪!!」
そして出てきたその顔は、とっても笑顔だった。
「時雨、助けて。」
「凪、何したんだ?」
「家、血ついてた。落とそうとして……」
「なるほど、うん。頑張れ!」
時雨にも見捨てられた。
明日の自分が心配で仕方なかった。
怯えてる俺を他所に、琰陽達がいつの間にか側に来ていた。
紫音を警戒しつつその顔を見ると、覚悟を決めたような顔をしていた。




