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十色の追想  作者: 詩庵
人間と神族編
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動き。

ー優夜視点ー

僕はずっと観ていた。

里から離れてからもずっと探し続けた。

ここには、きっといるはずだった。

僕は琰陽を追い続けた。

僕の力なら、多少の遅れはあるものの動きを終えた。

琰陽は、輝鞠の両親の元へ向かってくれた。

琰陽と別れた直後、そいつらは慌てたように動き出した。


「急げ!ここを出るぞ!」

「荷物は?!」

「いらん!」

「証拠が残るんじゃないの?!」

「そんなのどうでもいい!今は本家に戻る!」


あいつらは、何処かに行こうとしていた。


「……逃がさない。」

「観えた?」

「うん。」

「どこ?」

「まだ里。でも、急がなきゃ……」

「わかった。行こう。」


僕は優朝と動き出した。

勝手にどっか行くと、怜燈お兄ちゃんに怒られるから言った。

だけど、時雨お兄ちゃんと紫音お姉ちゃんが付いてきたのは予想外だった。

特に紫音お姉ちゃんは、僕達の目的に気づいているみたいだった。

優朝が二人を返そうとしたけど、失敗していた。

僕達は、諦めてそのまま行くことにした。

ようやく追いついたあいつらは、ただの人間に見えた。


「優夜、あれは本当に神族なのか……」

時雨お兄ちゃんも同じように感じたみたいだ。

「多分、違う気がする……?」

「でも、やるんだろ?」

「……うん。」

僕はゆっくりと前に進んだ。


「誰だ!」

「「誰だと思う?」」

反対側からは優朝が現れた。

「お前らは?!」

「「うーん。なんだろう?」」

「あんた!あいつらはあの双子だ!」

「裏切り者か?!」

「そーとも言うね!」

「うんうん!」

「チッ!」

「おい、こいつらはここで殺るぞ。」

「わかってる!」

「風斬り!」

「大鎌!」

「ざんねーん!」「外れー!」

「どこだ?!!」

「こことか?」

バッ!

「惜しいね ♪」

「くそ!」

「ねぇねぇ!力使わないの?」

「力?」

「ふーん。使えないんだ。」

「なんのことだ?!」

「……もういいや!いいよね?優朝。」

「いいよ!ばいばいしよ!」

「「混迷。」」

「グ、グァーー!」

「ギャアーーー!」

あっという間に、そいつらは倒れた。

「うーん、やっぱり人間だったかな……?」

「そうじゃないの?優朝、後悔してる?」

「いいや。弱い方が悪い。」

「だよね!」

「優夜……さっさと記憶調べてくれ。家に帰ろう。」

「わかってるよ。」

優朝はやっぱり優しすぎる。

そう思うほど、優朝の顔は歪んでいた。


「記憶の狭間。」

俺は記憶を観た。


「……わかったよ。」

「良かった。で、何がわかったの?」

「家の場所と、長。

そして、紅蓮にいた理由。」

「それは大きいね。

それと、こいつらどうする?」

「持って帰ろう。ここじゃ処理できない。」

「そうだね。時雨お兄ちゃん!紫音お姉ちゃん!もういいよ!」

「優朝、終わったのね。」

「二人ともお疲れ様。」

「「ありがとう。」」

「紫音お姉ちゃん、これ大丈夫?」

優朝は紫音お姉ちゃんに、人間を見せていた。

「そうね、目立つ外傷はないけど……

精神が無事なら大丈夫よ!」

「そっか、良かった。」

優朝はほっとしたみたいだった。

「じゃあ、帰ろう。」

時雨お兄ちゃんは、軽々と二人の人間を担いで歩き出した。


家に近づくにつれ、変な匂いがした。

「今日、怜燈お兄ちゃんがご飯作ってたりする……?」

恐る恐る聞くと、

「違うと思うけど、いや違うはずよ……」

「違わないと困る……」

「皆!違う!襲われてる!」

優朝が声を上げた。

「「「え?!」」」

「沢山の人間がいる!」

「優朝、人数は?」

「正確にはわからないけど、多分五十は超えてる……」

「凪達は無事か?!」

「まだ皆生きてる。けど……」

「けど、なに?!」

今度は紫音お姉ちゃんが、優朝に詰め寄った。

「もう限界かも、皆すごく感情が不安定で、焦ってるから。」

「姉様!!」

紫音お姉ちゃんが走り出そうとした。

それを止めたのは、時雨お兄ちゃんだった。

「待て!紫音!」

「時雨!邪魔しないで!」

「邪魔してない!ただ待てって言ってるんだ。」

「なんでよ!ここにいる間に姉様が、怪我したらどうするのよ!」

「落ち着けって、今紫音が言っても意味ないだろ。

それより……」

時雨お兄ちゃんは、刀を抜いた。

「気刀流術 一文字!」

時雨お兄ちゃんは、刀を大きく振った。

その瞬間、強風が吹いた。

ゴゴゴッ……

「ちょっと時雨!何してるのよ!」

「ちょっ紫音!大丈夫だから、揺すらないでくれ!」

「何が大丈夫なのよ!なんの前ぶりもなしにやるなんて!」

「落ち着けって、鈴音が視てたから大丈夫だ!」

「そ、そうよね……」

「そうだ。急ぐぞ!」

時雨お兄ちゃんは、走り出した。

急いで戻るとそこは血の海だった。

「うわー……」

「気持ち悪い……」

優朝は顔色が悪くなっていた。

「大丈夫……混沌。」

ドサッ

「あ、ありがとう。」

俺の後ろには、人間が倒れていた。

「いいけど、ちょっと空気悪すぎるかも……」

周囲にはすでに、血の匂いが漂っていた。

「ごめん、気づかなかった。」

「風送り。」

急いで僕は風を起こした。

その間は、優朝が敵を倒し続けてくれていた。

紫音お姉ちゃんは、すぐさま響お姉ちゃんのところに向かっていた。

とりあえず、危険は去ったみたいだった……

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