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十色の追想  作者: 詩庵
人間と神族編
120/151

反省。

ー琰陽視点ー

優朝達の言ってることが理解できない。

どうして、そんなに淡々としているんだ?

人が死んだ。

それも自分の手で奪ったんだ。

なのに、彼らは動じていない。

響ちゃんは

「私達にも心はある」

そう言ったけれど、そうには見えなかった。

優朝は俺のせいだと言った。

俺のせいで輝鞠は死んだと言った。

そうだ、俺のせいだ。

俺が、長になろうと、力を得ようとこの任務に皆を巻き込んだ。

今まで死んだやつはいないから、大丈夫。

俺が甘かっただけだ。

俺は、今どうすれば……

腕の中にいる輝鞠は、もう冷たくなり始めていた。

僅かな温もりさえ消えていくのが、怖かった。


「人間。お前は俺達になにを望んでいた?」

怜燈がそう聞いてきた。

怜燈達に望もうとしていたこと、

それは、彼らの支配だった。

神族は、人間離れした能力を持つ。

その力が欲しかった。

そんな力を意のままに使えれば、長は俺を認める。

力が欲しい。

結局俺は、自分のことばかりだ。


「……俺は、怜燈達のその力を望んでいた……」

言ってしまった。

彼らはきっと俺を軽蔑するだろう。

綺麗事を言ってたくせに、誰より汚かったんだから。

欲をかいたから失った。

それだけなのに……

幼い優夜に押し付けようとしていた。

「わかった。ここで待て。

響、優朝、優夜、戻るぞ。」

怜燈は響ちゃん達を連れて去っていった。


ー響視点ー

優夜が危ない時、ちゃんと動けた。

ちゃんと喋ることができた。

昔より、少し成長できたことを実感できた。

だけど、人間じゃない。

そんな言葉で私はすぐに、言葉を失ってしまった。

人間じゃないのは私が一番わかってる。

だけど、他人に言われると胸に穴が空いた気分になる。

家に戻ると、時雨達が集まっていた。

「怜燈兄さん、申し訳ありませんでした。」

時雨達は頭を下げた。

「時雨達は、俺の言ったとおりにしてただけだ。

謝ることはない。

それより、押し切ったくせに制御できなかった俺の方こそ

皆に謝らなくてはいけない。

申し訳なかった。」

怜燈兄さんは私達に謝った。

「優朝、優夜。

辛い決断をさせて悪かった。

本当にごめん。」

「勝手に動いたのは、俺達だ。

兄さんのせいじゃないよ。」

「そう判断したのは、僕だよ。

兄さんは悪くない。」

「いいや、わかってて見ぬふりをした俺が悪かった。

俺も、見ていなければいけなかったのに……」

「私だって、あんなに感情的になるべきじゃなかったわ。

ごめんなさい。」

優朝、優夜に続き時雨と紫音も謝った。


「それを言ったら私もよ。

人間を嫌うあまり、兄さんのこと理解しようとしなかったから。」

「俺だって、人間の家の前水浸しにしたり、服濡らしたりしてたから。

優朝達のこと、なにも言えない……」

「凪?それは初耳よ?」

「あ、響姉さん、今のは違くて……」

「後で、ちゃんとお話ししましょうね?」

「……はい。」

私の言葉に続いて、凪が墓穴を掘った。

そのことについては、ちゃんと叱らなければ。


「俺が、皆が嫌がってるのに人間を優先したから、

今回のようなことになった。

兄だというのに、聞こうとしなかった。ごめん。」

怜燈兄さんは、家にいない間になにを学んだのか、

とても反省しているようだった。

「怜燈兄さん。そんなに自分を責めないで。

私達は兄さんが好きだから、一緒にいるのよ。

で、今度はなにをするつもりなの?」

いい感じの雰囲気だけど、騙されてはいけない。

怜燈兄さんがしおらしい時は、大抵何かを言い出す時だから……


「実は……」

兄さんはまた唐突に、提案をしてきた。

「兄さん、今の反省の言葉なんだったの……」

「いや、俺達が悪かったとは言ったけど、

怜燈兄さん、それは唐突すぎです。」

「怜燈兄、めちゃくちゃだね……」

皆呆れていた、だけどここまでいくと清々しいが勝つみたいだ……

こうして私達十人の家族会議が幕を開けたのだ。

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