表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
十色の追想  作者: 詩庵
人間と神族編
115/138

勝手。

ー響視点ー

怜燈兄さんの考え方が、最近少しわかるようになってきた。

怜燈兄さんは、今より未来をみている。

だからなのだろうか、少し独善的なところがあった。


「響、俺今から行かなくちゃいけない場所ができた。

その間、お客のこと頼んでもいいか?」

私が断るなんて思ってないくせに、怜燈兄さんは頼むように言うのだ。

「わかったわ。」

私は承諾した。

私達家族は、大なり小なり怜燈兄さんに依存している。

怜燈兄さんは絶対的な存在なのだ。

少しの違和感で異議を言える者は、いないのだ。

不満はどこかで爆発する。

そうならないことを、祈るばかりだった。


ー琰陽視点ー

ここでの暮らしも、五日が経った。

避けられているのは間違いないが、生活には慣れてきていた。

輝鞠は疲れが取れないのか、家に閉じこもってばかりだった。

怜燈と呼ばれていた少年は、あの日から姿を見ていなかった。

「響ちゃん、金色の男の子はどこにいるか知ってる?」

響ちゃんに聞くと、

「黒じゃなくて金ですか?」

「うん。」

「……怜燈兄さんなら、しばらく出かけるそうです。

その間に困りごとがありましたら、私に仰ってください。」

笑顔で言い切られてしまった。

「御用がないようでしたら、これで失礼します。」

響ちゃんは、早足で去っていった。

「琰陽遊ぼ?」

「琰陽遊ぶ?」

逆に、双子は前の拒絶が嘘のように寄ってくるのだ。

「なにしたいんだ?」

「「見せたいものがあるの!こっち来て!」」

そう言って連れて来られたのは、崖の上だった。

「なにがあるんだ?」

振り返ろうとした瞬間、背中を押された。

「え……」

「「琰陽ばいばい!」」

双子は笑っていた。

その様子は、何事もないかのようだった。

彼らは、最初からこれを狙っていたのだ。

道徳心の欠如。

幼さゆえの残酷さが際立っていた。


ー響視点ー

金色?

人間がそう言っていたのが、引っかかっていた。

怜燈兄さんは普段、髪色と瞳の色を本来の金色ではなく黒色にしていた。

最近は、幻術で色を変えていた。

「響達には、元の色が見えるようにしてるから!」

怜燈兄さんがそう言っていたから、

普段金色に見えることに違和感がなかった。

実際街でも、ちゃんと黒に見えているようで注目されたことはなかった。

だけど、人間ははっきり金色と言った。

だとしたら、怜燈兄さんは術をかけ忘れているのだろう。

帰ったら言わないと。

そんなことを考えていると、

「響姉、優朝と優夜がお客を突き落とした。」

鈴音が報告してきた。

「嘘でしょ?!」

「本当。

優朝達が、お客を連れてどこか行くみたいだったから、

着いてったらどんって押してた。」

「なんてことを……

兄さんに、なんて言えば……

……鈴音、今どうなってるかは視える?」

「……制約しちゃったから視えない。」

「大丈夫よ、案内だけお願いできる?」

「うん。」

崖に着くと、武器を持った女の方の人間と、

倒れて動かない優朝、傷だらけの優夜がいた。

血を流した人間はは、女の方の人間から優朝達を守るように戦っていた。

状況の理解が追いつかなかった。

けれど、体は動いていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ