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第27話 最強ボスと人魔模擬大戦-2-

風邪ひきました。

皆さん体調には気を付けましょう。


「まずは小手調べと行きましょうか。」


 初めて見るプレイヤーも、なんか見たことあるプレイヤーもちらほら居るが、その誰もが今まで感じたことのない独特の気配を醸し出しており、ただ者でないとメアリーの本能が警告を鳴らしている。


 メアリーの感覚は当たっているようで、メアリーは強力な魔法をいくつも放っていったが、7人のプレイヤーは余裕といった感じで避けていった。


 まあこのくらいは避けて当然かと思うメアリーだが、その中でも3人、約半数がその場から一切動かずにメアリーの魔法を受け切っていた。


 1人は剣を振っているのが見えたのでおおよそ何をしたかは分かる。もう1人も『魔法障壁』で耐えているのは確認した。だがもう1人、気怠そうにしている少年だけは目を瞑り、両手を広げて魔法が当たる実質的な面積を増やしたにもかかわらず、一切当たることがなかった。

 

 「スキル『超加速』『疾風乱舞』!よう、久しいな!積年の恨み晴らしに来たぜ!」

 

 今の攻撃でとりあえずの脅威になりそうな存在を確認したメアリーはそれなりの速度で向かってくるケイトラをどうにかすることにした。

 

「あなたのスピードなんて見飽きたのよ。もっと早くなってから出直してくるといいわ。」


 今までは真正面からでも対応ができなかったケイトラの攻撃も、今では片手でやすやすと受け流すことができる。まさか受け止められると思っていなかったケイトラは、メアリーの手によって他のプレイヤーがいるであろうところまで吹き飛ばされていった。


「治療しますケイトラさん。……これからはむやみに突っ込まないようにお願いしますよ。ただでさえ協力しないと彼女にダメージを与えることが困難なのに、ほとんどの人たちには協調性がありませんので」


「わ~たって。ここまで差が開いてるとは思わなかったんだよ。サンキューな聖女様。」


 ケイトラは聖女様と呼ばれたプレイヤーによってすぐさま治療が行われた。当然回復など許すわけのないメアリーは刀を手に持ち攻撃を仕掛けていったが、その手前で2人のプレイヤーによって阻まれることとなった。

 

「どうも初めまして。私の名前はレオという者です。よろしくお願いしますね。」


「あらご丁寧にどうも。そこの駄犬も挨拶くらいしたらどう?」

 

「おいおい、余裕ぶっこいてオレ様に殺されたこと忘れちまったのか?くるくる回って脳でもパーになっちまったのか執行者様よぉ?」


「ああ、思い出した。たしかあの時の弱いほうだったわね。また群れて咆えて。弱い犬程なんとやら、ね。」

 

 言葉の刃と一緒に本物の刃を交えて戦う3人。言葉も、剣さばきもメアリーが優勢なようで、アルバートとレオの2人がかりで挑んでもむしろ追い込まれるという形になっていた。


「スキル『水射光線(ウォーター・レイ)』」

 

 当然そんな状況が長く続くわけなく、メアリーに向けて1本の光線が放たれた。


 恐ろしく地味な光線ではあるがその脅威性を十分に理解しているメアリーはすぐさまその場を避けていった。


「……また厄介なものを。」


 『水射光線(ウォーター・レイ)』は水属性の上級で習得することができる魔法の1つ。まだ2ヶ月も経っていない中でこのレベルの魔法が扱えることに驚きつつ、メアリーはこの7人をどう相手にしようか作戦を考える。


 一番理想的なのは明らかなアタッカーである、アルバート、ケイトラ、レオの撃破。さっきから座っている少年の役割が何なのかはわからないが少なくともこの3人のようなタイプではない。相手の構成が、魔法を使った女の子を含めた4人がアタッカー、ヒーラー1人のアンバランスな構成だとすると1番可能性としてあり得るのはバッファー、味方をサポートする役割と考えるのが自然だ。


「なら最優先は……君だね!」


 メアリーは向かってくる3人を無視して、『聖女様』がシールドを貼るよりも早く、ゆっくり立ち上がる少年の元へ向かっていった。


 「スキル『影縫』。……ダイス君は、僕が……守る。」


 どこからともなく現れた少年に驚きつつも、メアリーはぎりぎりで相手の武器を弾いた。最初から分かっていたはずなのにいつの間にかメアリーの頭数にすら消えていた7人目のプレイヤー。メアリーは何とか攻撃される一瞬の間で対応することができたが、もし乱戦の中でやられると同じように防げる自信はない。


「ありがとライト君。じゃあ、そろそろやる気出しますか。スキル『才能変化の賽の目(ランダム・ダイス)』。」


 メアリーの聞いたことないスキル。大雑把な内容は予想通り味方のサポートをするのだろうがそれでも効果の予測が全くできない。


「効果は『全ステータス10倍』。ふ~!やっぱり俺ってついてる!」

 

「ナイスだ運だけ男。今度はこっちが好き勝手する番だ!覚悟しやがれカス執行者!武技『大鎚撃』!」


「シャアオラ!ぶちのめしてやるぜ!スキル『風太刀』!」


 バフを受けてからすぐさま突撃するアルバートとケイトラ。しかもそのすぐ後ろにはレオが、さらに後ろには少女が魔法を放つ準備をしている。


 まさに個人の才能を極限まで伸ばした結果の一斉攻撃。いくらラスボスといわれているメアリーでさえも無傷でいられるはずがない。




 

 ――それが少し前のメアリーであれば、という話だが。


「……剣舞『千嶽霧足』。」


 無音の刀が手前2人を無慈悲に包み込んだ。とっさに避けたレオだがそれでも1撃、いやそれ以上攻撃を食らうこととなった。


「……さすが執行者。この世界のラスボスだね。思わず見惚れてしまうほどの剣さばきだ。これは負けてられないね。」


 「剣技『点滅』。……見えてるよ。」


 メアリーは後ろに回り込んでいたライトの背後をとると、そのままの勢いで切り裂いた。メアリーにとって今一番厄介なのは意識外からの一撃。それを得意とするプレイヤーをおびき出すため、あえて2人を瀕死にすることとしたのだ。


「……あと6人。」


 完全にスイッチの入ったメアリーは無慈悲に、冷静に、確実にプレイヤーを葬る殺戮兵器へと姿を変えていった。

お読み下さりありがとうございます!


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