第17話 最強ボスと宝玉争奪戦-9-
アルバートが加わり、1対1の戦いから1対2の戦いに変化した……訳ではなくさらに混沌を極めた1対1対1という構図に成り立っている。
1人を狙えば空いた1人が隙を見つけて攻撃し、2人をまとめて狙って攻撃しても予備動作が大きくなるせいでいとも簡単に避けてしまう。
「おらおらどうした執行者?その程度かよ!」
今一番この場を支配しているのは紛れもなくアルバートである。メアリーの攻撃にも恐れることなく突っ込んでいき、Karinが隙を見て攻めに来ようものならば攻撃が来る前に攻撃を放つ。アルバートは誰も止められない暴君のように暴れまわっている。
「あなたもイキってる割には大した攻撃じゃないですね。剣技『赫車』。」
唯一この暴君に抗っているのがメアリー。最初に大ダメージを受けたにもかかわらず一切手を緩めることなく、防がれても気にすることなく攻撃を続けている。剣技や魔法スキル、簡単な物理攻撃などを混ぜ込んで独自の攻撃スタイルでアルバートを抑え込み、ついでにKarinからの攻撃も防いだり反撃を行っていたりしている。
残すKarinはメアリーに抑え込まれ、後れを取っているような印象が受けられるが、アルバートの攻略法を理解しているKarinはアルバートに対して的確に隙を狙って攻撃を仕掛け、メアリー以上のダメージを与えている。
アルバートはメアリー、メアリーはKarin、Karinはアルバートという三竦みの状況が続いており誰か1人がやられることで戦況が動くと思われたが、いち早く動き出したKarinによって戦況は再び大きく変わりだす。
「メアリーちゃんの攻撃は大体わかったよ!名刀『透華』。スキル模倣『赫断』。」
雰囲気を変えたKarinはメアリーが扱う剣技を模倣し、オリジナルであるメアリーに向けて振り下ろした。
メアリーはアルバートからの攻撃を受けている中でもアルバートを無視し、Karinのほうへ向かっていった。
「逃がすか!」
自分を無視するなど許すはずもないアルバートはメアリーを全力で追いかけるが、すでにKarinの元へ駆け抜けているメアリーは一瞥もくれずにアルバートに対して魔法を放った。
「完ぺきだ。完ぺきだよKarinさん!むしろ私の動きより断然いい!」
アルバートを蹴散らしたメアリーはすでにKarinの刀を受け止めるために構えを取っている。両者が間合いに入ったタイミングで同時に赤い火花が散っていった。
「模倣『赫断』!」
「剣技『赫断』!」
完ぺきに模倣したKarinの縦の刀に対して、オリジナルのメアリーはそれを打ち破ろうと同じ剣技で受け止めた。両者一歩も譲らずに純粋な力の押し合いになったところでメアリーは何とか押し勝つことができた。
Karinはメアリーの力で刀を落としてしまった。無防備の状態になったKarinをメアリーは見逃すことなく勝利への1撃を与えようとする。
「俺を忘れんじゃねえよ!スキル『暴発』!今までのツケ全部まとめて隙だらけの背中に帰してやるよ!」
ボロボロで土まみれになりながらも執念と気合だけでメアリーの元へたどり着いたアルバートは左手に力を籠め、メアリーに向かって放った。
Karinを倒そうと刀を振り上げた瞬間を狙われたメアリーは避けることもできずにもろに食らってしまう。丸腰のKarinには一瞥もくれずにメアリーが飛ばされた位置へ更なる攻撃を仕掛ける。
「スキル『回転攻撃』『魔法操作』。」
いびつな回転をかけられた銃弾が蛇のように蛇行しながら向かっていく。
「スキル『塊土星』『並列魔法使用(5)』!」
ぎりぎりで生き残ったメアリーはあり余っているMPを全力で守りに徹する。いびつな動きをする銃弾には圧倒的な質量をぶつけ相殺し、まだ立っている2人に向けて最大級の魔法をぶつける。
「スキル『全属性小惑星群』」
全属性を扱うことができるメアリーだけが扱える全属性魔法(大)の中で最上級のスキル。消費MPも今のメアリーにとってはかなり痛いものとなるがそれでも1発1発が大体のプレイヤーにとって即死級のとんでもないスキルだ。
着弾した地面は炎や氷や真っ暗な深淵が広がっていたりと元が雪原だとは思えないほどの荒れ具合を見せていた。
「これで最後の戦い!2人とも覚悟してね!」
メアリーの刀は既に元の黒と赤を混ぜた色に戻っており、メアリー自身も満身創痍であるが最後の力を振り絞って小惑星が降り注ぐ中、2人を仕留めに向かっていった。
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