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第8話 最強ボスと初めてのイベント

 めちゃくちゃな動きをするプレイヤーやめちゃくちゃな数のプレイヤーを手土産に持ってきた同陣営のプレイヤーなど大きな出来事を同時に経験したメアリーは、2度あることは3度あるといわんばかりに3度目の衝撃を受けることになる。

 

 【期間限定イベント『宝玉争奪戦』開催決定!】


 PFOで初めてのイベントが来週金曜日から開始するという報告が各SNSで公表された。それと同時にイベントの概要をまとめたHPの公開とイベント限定ステージを実際に歩き回る動画の公開がされ、一夜にしてすべての話題を掻っ攫っていった。


 PFOからログアウトして、携帯ながら見していた所、たまたま公式情報が目に入ってきたメアリーは一瞬で眠りにつこうとした脳をたたき起こしてイベントの概要の確認をする。


「宝玉争奪戦?何それ面白そう!……えっと概要っと。」


 内容はイベントステージ内で100の塔に別れたプレイヤー同士が、各塔の頂上に配置されている宝玉を奪い合うというもの。期間は3日間で、この期間内で最も多くの『ポイント』を集めた陣営が勝利するというイベントだ。

 

 このイベントを攻略するうえで欠かせない『ポイント』というものは主に3つの方法で獲得できると明記されている。1つ、4時間ごとに宝玉が置いてある玉座に宝玉が置いてあること。2つ、不定期にランダムな地点で発生する『クエスト』をクリアすること。3つ、イベントステージ内に蔓延るモンスターを討伐すること。


 ポイントは全て、各塔に所属するプレイヤーたちで共有される書かれているため、個人ではなくチームで動くことが重要視されるイベントとなっている。

 

 一通りルールについて目を通したメアリーは、ここで重大な事実を知ることとなる。


「私、もしかして参加できないんじゃない!?」


 そもそもユニークボスモンスターであるメアリーはイベントに参加することができないんじゃないかと、絶望的な事実が頭によぎる。


 あまりの悲しみにメアリーはベットの上に倒れこむ。倒れこむ際、吹き飛んでいった携帯から1つの通知音が流れてきた。


 通知音をつけないメアリーが唯一つけているのがメールアプリとなっている。恐る恐るメールを確認すると差出人にPFO運営という文字が見えた。


 慌てて飛び起きたメアリーは一縷の望みをかけてメールを確認するとあまりの喜びに叫びまわるほどの内容が書かれていた。


 メールの内容は簡潔にまとめると『イベントに参加しないか』という内容で、それに加えてほかのプレイヤーとは若干の変更点があるのでそれを確認したのちに参加の是非を返信してもらいたいという旨の記述がされていた。


 すぐに参加しますと返信をしたい気持ちを何とか抑え、添付された資料を確認する。


 開かれた資料には主にプレイヤーとの違いとイベントステージ内におけるメアリーの弱体化という内容であった。まずプレイヤーとの違いは『クエスト』に参加できないということ。モンスターではなくプレイヤーを討伐することでポイントを獲得することができるとのこと。私だけ特殊な塔として1人だけで守らなければいけないという3点が分かりやすくイラスト付きで説明されていた。


 結局また1人なのかとは思うがそんなの一切関係ない。参加表明の返事を送信するところまでで気持ちを抑えてもう1つの私の弱体化についての資料を読む。


 まず武器については自身の固有武器である血刀『紅下黒』のみ、装備については運営側で用意した特殊仕様の装備しか着ることができないということ。次のページからは運営側で用意した装備の三面図やつけたときのメアリーの外見やこだわったところがびっしりと書かれていた。ここでは割愛するがとんでもなくこだわっていることだけはすさまじく伝わった。


 次にレベルが100に固定されて、ステータスもそれ仕様に変更されるということ。資料には私の100になったときのステータスが表示されていた。スキルなども軒並み弱体化されているがパッシブスキル、HP自動回復やMP自動回復などについての変更はされていなかった。


 メアリーが見た感じでは、長期間戦えるけど今まで見たいな無双状態にはならないというような調整。何とも素晴らしい調整にメアリーは部屋で1人PFO本社に向かって拝んでいた。


 さらにスクロールすると注意点が書かれており、そこに倒された時点でイベントは即終了し、残りの期間内をもとの世界を楽しむということが書かれていた。もし倒されることとなってもユニークボスモンスターとしてのメアリーは存在し続ける、そんな内容だった。


 時間をかけて、しっかりと確認をしたメアリーは最下層まで言った瞬間に参加表明の返事を変身した。


「よっしゃあ私も参戦決定だぜ!」


 まさかの形で参加できると思わなかったメアリーは喜びの感情をあらわにする。ひとしきり騒いだ後はイベントを攻略するための作戦を考える。


「1日目と2日目は宝玉を守って3日目からはプレイヤーの大討伐会が無難かな。いや、1日目からプレイヤーを倒し続けるのも……。う~ん、どうしようかなあ。」

 

 今回のイベントは私というイレギュラーはいるものの主に宝玉の取り合いとPVPの2つを想定されている。確認したルールでは、プレイヤーは1日3回まで死んでも復活し、余った復活回数は翌日に追加されると明記されているためいかに仲間と協力して宝玉を奪うかが勝負のカギとなるだろう。また、宝玉を奪われた場合は特に敗北扱いにあるなどは書かれていないが定期的なポイントがもらえなくなるためかなり痛手を負うことになる。

 

 1位を取ろうとまでは思っていないけれど少なくとも上位には食い込みたいメアリーは、様々な紆余曲折を経て最初の1日目と2日目を塔に攻めてくるプレイヤーを倒していき、3日目からは塔を放棄してプレイヤーを攻撃する遊撃作戦に決めた。


「あっ、あの子たちはイベントどうするんだろう。聞いてみよっと。」


 気になったメアリーがトーマに連絡をすると、数分経った後に今回は2人ともプレイヤーとして参加すると返事があった。一応私もイベントに参加できると伝えると、2人とも驚いたようだった。


 少し経った頃に、2人から絶対に勝ってやると意気込みが返ってきた。


 メアリーはかかってきなさいと返信すると、ちょうど同時期にクロイから返信が来た。


「あ、参加しないんだ。残念。」


 どうやらクロイは現実がすこぶる忙しく参加できそうにないらしい。一応応援しといてやると変身があったきり、クロイから連絡が返ってくることはなかった。


 こうして、晴れてイベントに参加することなったメアリーはイベントまでの期間をうきうき気分で過ごすこととなった。

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