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隣国の王子のご挨拶

 ユリアーノは、自国から持参した珍しい光る海藻のエキスを持ってリシェラに会いに行った。

 「リシェラ様、本日もお美しい。私の海で取れる貴重な海藻のエキスを持ってきました。あなたの真珠のような肌がさらに光り輝くでしょう」

 「ユリアーノ王子。これは、あの有名で入手困難だというエキスでしょうか?きらきら光っていて綺麗・・・」

 不思議に輝く液体を瞳に映し、リシェラの瞳までまるで万華鏡のように輝いている。


 この方といると、気持ちが浄化されるようだ。人妻なのにまるで少女のように初々しい。

 ふとリシェラ側に控えている侍女が目に入った。ピンク色の髪の毛の女の子。丁寧に目を伏せているが、頬が桃色になっている。


「ぜひ侍女たちとも使用してみてください。この宮殿で1番明るい部屋になってしまいそうですが」

「まぁ、お気遣いをありがとうございます。そういえば王家の庭を案内するお約束をしていました。」

 このまま案内をする流れになったので、リシェラは侍女のなかでも最近抜群に気が利くミーナを連れてゆくことにした。


 「こちらが王家の庭です」

 「なるほど。海が異なると、同じ珊瑚でも色が変わりますね。こちらの生き物は蛍光色よりですね」

 「そうなんです。数世代前までは、もっと極彩色だったと聞いています。奥にあるのが神代の遺跡です」

 

 生き生きとした珊瑚を見るのは好きだった。海が豊かである証拠だからだ。

 そう、女性も生き生きとしている方が良い。

 リシェラは理想的な姿をしている。さすがに新妻に本気にはならないが、ちょっかいもださないのはユリアーノではない。

 「こちらにある遺跡で、王子がプロポーズされたと伺いました」

 「いったい誰から聞いたのかしら。皆んなおしゃべりなんだから」

 リシェラは頬に手を当てた。

 ユリアーノはその場所に案内してくれないかと、やんわりとしてお願いし、遺跡のバルコニーに案内させた。2人でバルコニーに手を乗せて庭を見る。

 突然海流が動いた。ユリアーノの長い尾びれでリシェラを包む。

 「あっありがとうございます、ユリアーノ王子」

 「いいえ、あなたが傷つかなくてよかった」

 蕩けてしまいそうな瞳でリシェラを見つめる。海はまだ昼まで光によって明るく照らされていたが、ユリアーノの瞳にはあの炎が宿っている気がした。




 ミーナはその光景を後ろで控えながら見ていた。

 胸がジ・・ンと痛んだ。

 華やかな絵になる2人だった。こんなに素敵な王子様に守られてみたい、と思った。

 だが自分は侍女だしピンクの髪だし貧相だし、と思って頭からその考えを追い出した。

 でも機会があれば、またあの優しげな瞳で見つめられたい。フリルの小さな尾びれをふわんと動かした。

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