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カスクの町③

厨房を借りて買ってきた豆を水につけた。

料理人さんが何をしているのか気になったようでじっと見てくる。

そのため、豆の有用性について、熱弁を振るった。

若干引かれたが、調理の邪魔にならないようにと少し場所を貸してくれた。


こちらの豆は数時間浸すだけでたっぷりの水分を含んだので、潰す作業に入った。テイリックさんも料理人さんも一人手伝ってくれるらしい。

ただひたすら潰していたら、ミキサーがあるらしく、これでやったらダメか、と聞かれて喜んだ。多めの水をいれて、ひたすらミキサーを回した。


それをゆっくり温めて豆乳を作った。「とうふーとーおーふーっ」と気付けば歌っていたようで、テイリックさんに「楽しみなんですねー」と言われた。

恥ずかしい。


ニガリがないのでとりあえず、濾した後の豆乳を温めてみた。

うまくいけばそのままで、ダメなら塩を入れようかと思っている。同じ成分だ。きっとなんとかなる、そう思うことにした。

塩を入れ、しばらくすると固まってきたので、きれいな晒しに移して、水につけた。

なんとかできたようだ。


テイリックさんと、手伝ってくれた料理人さんと少し食べてみた。美味しかった。なぜか安心した。


料理人さんは急いで料理長さんに渡していた。


テイリックさんは私の顔をじっとみて、抱きしめてくれた。泣きそうな顔をしていたらしい。

そっと教えてくれた。そして、静かにただ抱きしめてくれていた。







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