カスクの町②
夕飯は見たことのない料理ばかりだったが、美味しかった。
テイリックさんは町長さんの息子さんで、案内人は、おじいさんから受け継いだらしい。ただ、おじいさんの時は迷い人がいなかったようで、記録のありがたみを感じたらしい。
「どうしたいか、決まりましたか?まだなら、ゆっくり休んでからで構いませんよ。決まったら教えてくださいね。お手伝いできることがあるかもしれませんので。」
「ありがとうございます。もともと旅をするつもりだったんです。ですので、気の向くまま旅をしようかなぁと思っています。ですが、どこに行くかはまだ決めておりませんが。」
翌朝、テイリックさんとミウさんのお店に行った。昨日のお礼を言うためだ。ミウさんのお店は食料品を扱っている。
そこで、見つけたのよ、大豆を。
「あ、豆だ!豆がある、ってことは、豆腐は?食べたい!買う!買う?あ、お金。あ、でもいっぱい欲しい!あ、どうしよう?どうしたらいい?」
「えっ。豆って?これがいいの?これ、いつも余るんだけど。固くて味もイマイチやん。」
「えぇっっ。加工しないの?」
「加工って、どうするん?」
「まじか。あーでもその前にお金、なんとかしなきゃ!」
テイリックさんはお腹を抱えて笑いだし、私とミウさんは顔を見合わせた。
迷い人は気になったことにまっすぐで、お金が使えないことに焦る、と記録に書かれていたらしい。
そして、その通りだったことに笑ったとのことだった。
お金を持って迷い人になった人は同じ価値のお金が財布に入っているという。また、貯金についても同様で、この世界で使えるカードも追加されていて、自由に使えるらしい。
ならばと、豆を大量に購入し、テイリックさんと戻った。




