鋳物の村①
俺はバラクだ。
この前変な形の鉄板の注文を受けた。
面白そうだと思った。その感想は間違いない。
だが、こんなに苦労するとは思わなかった。少し深めに丸くすること、ほぼ均等の厚さにすること、それをいくつも並べる。
何度も失敗し、何度も鋳つぶしてやり直し、周りのものも面白そうだと、何人かが作っていた。
だが、頼まれたのは俺だ。選ばれるのは俺であって欲しい。
いつ取りに来るのかわからない。材料が揃ったらだと、言っていた。コツを掴みあと少し、というところで、あの人たちはやってきた。
「どんな感じですか?」
「もう少しかな。ちょっと待っててくれ。」
「………よし、これでどうだろう?」
「すごい!思った通りにできてる!」
実際に使ってみてくれというと、準備してくる、と言って粉を混ぜたり何かを切ったりしていた。
鉄板をコンロにかけて温め、油を引いて準備をして待っていると、出来たとボウルに入れた物を持ってきた。
いそいそと焼き始め突然叫んだ。
「あ!回す棒みたいなの、頼むの忘れてた!てことで、作ってください。すぐ!こんなの!」
というので、似た物を出したらそれでいいと、喜んでいた。
それで器用にクルクル回しながら焼いていた。
その側で俺は一緒にいる男の人に呼ばれた。
権利関係はその人が手配するが、改良は任せるといわれた。後から来る人が今までこの人たちが関わった物全てに関わっているから、問題ないはずだと。
そして「できたー!」と嬉しそうな声がした。
「テイリックさん、見てください、これですよ。これ。あ、バラクさん、ばっちりです!綺麗に焼けます!すごいです!食べてください。これ。」
と、気付けば鉄板の周りに女性陣がお皿を持って配っていた。中はふわふわで外はしっかりで、美味しかった。
俺が作った物を買った上であと3個は欲しい、と、注文してくれた。他の職人が作ったものも横で焼いていたようだが俺より上手く焼けたものはなかったようだ。安心したのは内緒だ。
屋台で使える大きさのものが出来るか聞かれ、時間はかかるができる、と答えると、作って欲しいと頼まれた。そして、出来上がったら後日手紙を送るので手紙の中の記載しておく送り先にお願いしたい、と言われ了承した。




