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海辺の村③
きちんと乾いた海苔ができ、他の海藻の値段と手間を鑑みて少し多めに渡して購入した。いっぱい作って損をしそうになる前に連絡をくれたら喜んで全部買う、と言うと、無理をしていると思われたみたい。だが、テイリックさんが無理矢理ではなく本心ですから、と言うと納得してもらえたみたい。
私では信じてもらえなかったのに。
ご夫婦と若夫婦にお礼を述べ、挨拶をした。
馬車乗り場に行くと、ちょうど馬車が来たところだった。乗るべき馬車だったので乗って、海辺の村から離れた。
テイリックさんには、帰りに拗ねたのが分かっていたらしく、また肩を抱き寄せて慰められた。馬車の中は私たちだけで、
「好きですよ。かえでさん。1人の男として。案内人としてではなく。」
「えっ。あのっ。」
「かえでさんが海辺の町に行く時にはすでに好きだなって自覚してたんだよね。だから嫌なら振り解いて。でないともう離してあげられないよ。」
私はその腕を振り解くことはできなかった。
「うん。私も好きだよ。こうしてくれるの、安心するし。」
馬車にだれかが乗ってくるまでずっと抱きしめられたままだった。
そのあと乗り継いで麦の村へ向かった。




