海辺の村②
にこにこしているテイリックさんとあわあわしている私を見てご夫婦は笑った。
2人でしっかり自分の想いをぶつけてみたら?と軽く言われた。答えなんて出てるんじゃない?とも。
それを聞いてさらにあわあわしている私を見て、テイリックさんはなるほど、と言っていた。
何がなるほどなのか、全く分からない。
ご夫婦はさっさと仕事に出て行かれた。私も、と出ようとするとテイリックさんに止められた。
「少しは僕を意識してると、信じていいですか?」
「えっ。あっ。」
「ふふっ。行きましょうか。海苔がどうなっているのか見に。」
挙動不審な状態の私を連れて、テイリックさんは若夫婦のところへ行った。背後でご夫婦がにこにこ微笑んでいたことに、気付かなかったが。
「ごめんね。昨日大丈夫だった?寝るところあった?」
「はい。あちらのご夫婦のところにお世話になりました。」
「ああ、おかあさんとこね。なら安心ね。よかったわ。」
どうやら、あの娘さんのことはみんな知っていることのようで、心配されていたみたいだった。ただ、テイリックさんの私への関わり方をみていて、問題はおきないだろうと、若夫婦は思っていたらしい。
そして、しっかり乾いてはいないが少し乾いた海苔は美味しくて、もう少しこのまま乾燥させることになった。
ただ、これの使い方を教えて欲しいとのことで、普段食べているものを聞いた上で、食べ方を考えた。
例えば肉に巻く、野菜に混ぜる、パンに乗せたり、混ぜ込んだり。米が普及すれば米と海苔の相性は抜群であることを伝えた。
そして、いつもの如く、権利関係は全てテイリックさんに任せ、改良は若夫婦に任せた。
ふと、権利関係は全て任せているけど、大丈夫なのかと聞いたところ、問題ないとのことだった。
「どうせ、お前らが行ったところで何かしら権利関係が出てくる。次行くところが決まったら都度連絡入れろ。なるべくお前らの後を行くから。」
とテイリックさんの知り合いの方が言ってくれているらしい。そして、その人は行商人との価格交渉も行なってくれているらしい。つまりは、私の知らないうちにテイリックさんの仕事も増えていたみたい。
気軽に旅をしてるのは私だけかと思ったが、テイリックさんは、一緒に楽しんでいるから大丈夫だと、笑って教えてくれた。




