海辺の村①
馬車を乗り継いで、海辺の村に着いた。
海藻があちこちに天日干しされていて圧巻だった。
捨てられている中に海苔っぽいのを見つけた。
責任者の方に許可をもらい、水で綺麗に洗って、絞って干してみた。乾いたものを食べようとするとテイリックさんが僕にも、と言うので分けて食べてみた。
「ちゃんと乾燥させたものを、おにぎりに巻いたら美味しそうじゃない?」
「そうだねぇ。どうする?作ってもらう?」
と、コソコソと話していると責任者の方がおずおずと大丈夫か、聞いてきた。
どうも色合いが悪そうなこと、一度やってみたもの乾けばバラバラになることから、手を出すのをやめていたようだ。
だから、海苔の作り方を伝えた。乾燥する前に細かく切ってまとめて伸ばして乾かせば問題ないことを。
話を聞いた責任者の方は、やってみたいという若夫婦に、今まで捨てていた海藻を渡し、「やってみろ」と言っていた。
それから若夫婦は綺麗に洗って刻んで形を整えて、乾かした。
泊まるところが無かったので2人で海辺でゆったり過ごそうとしたら、責任者の方にお世話になることになった。
ただ部屋は別で一人娘がいる、と言われのでテイリックさんが遠慮した。ならばと、私も遠慮して、結局2人で海辺でゆったり過ごすことにした。
そこへ自分たちと同じ部屋で良ければ布団もないけど、とご夫婦が声をかけてくれた。
家の中の方が安全だと、テイリックさんとお世話になることにした。
若夫婦のご両親だそうだ。
おそらくだが、と、ご夫婦が責任者の一人娘の話をしてくれた。狙われたのはテイリックさんだろう、今日は外には出ない方がいいと、言われた。
それを聞いて、胸がざわついた。
ご夫婦が私を見て微笑み、テイリックさんが照れた。
ご夫婦が寝た後、私たちは座って話をした。どうしてご夫婦が微笑んでいたのかテイリックさんが照れていたのか、気になったので聞いたのだが、やっぱり答えてくれなかった。
話している間に寝てしまったようで、起きたら私はテイリックさんに抱きしめられていた。そして、優しく私を見ているテイリックさんと目があった。
「おはよう、かえでさん。」
「えっ。えーっ。」




