海辺の町⑥
それからはテイリックさんとのんびり市場を巡ったり、釣りをしてみたり、子どもたちと綺麗な貝殻集めをしたり、ゆったりと過ごした。
イカの天日干しもうまく出来たようで、美味しいスルメが出来上がっていた。
同じやり方で魚も干物にできるよ、と伝えたら、いろいろな魚で作ってみると言っていた。
「そういえば、毒の有無はどうやって見極めるの?」
「見極めることができるものがいるんだ。ここなら、あ、あそこの人。」
よく見ると尾鰭がついてる人がいた。
基本的に獣人には特殊能力があるらしい。
例えば、ミウさんは行動力がありたいがいうまくいく、らしい。そして、ここのシャチの獣人さんは、海洋生物の毒の有無を見ることができる。
それ以外にも人より感覚が敏感だったりするらしい。
美味しいものを食べるためには毒の有無、食用かどうかは大事だ。羨ましい能力だなぁと思う。そう言うとテイリックさんに笑われたけど。
あ、私がタコとかイカとか呼んでいたので、その言い方が定着していた。ま、いっか、とテイリックさんと笑った。
で、すでにやらかしているので、ついでにもう少しやらかしてみた。
昔の迷い人がカツオ節を作っていたようなので、使い方を伝えて、美味しい出汁の取り方を教えた。おつゆを作るのにも使えるし、何にでも使える。そのままでも使えるよ、と話した。
そろそろ次の町に行こうかと話していると、いろいろな干物やカツオ節、スルメをもらった。
そして、子どもたちから貝のブレスレットをもらい、朝が海がキラキラしてるの、と教えてもらった。
カスクの町の町長さんとミウさんに、もらったものと同じ物を手紙を添えていくつか送った。
ミウさんのお店が取り扱うかどうかは別問題で、私たちが口を出すことではない。
でも、取引してくれると、カスクの町に帰った時、また食べられるなぁと、思ったことは内緒。
夜はいつも夜空を見ながら話したりお酒を飲んだりしてる私たちだけど、今日は最後だからと海辺でのんびり過ごした。静かでゆったりした時間を過ごして、宿に戻った。
そして朝陽が上がる時に合わせて、海へ向かった。
子どもたちから聞いた通り水平線から上がってくる太陽は綺麗で海がキラキラしていた。
しばらく2人で並んでゆっくりしていると、向こうの方から船が帰ってきて、賑わいだした。
こんな時間の使い方も素敵だなぁと、こんな風に過ごせたら幸せだなぁと、この世界に来られてよかった、と思った。




