表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の親友が今日も悪役ムーブで世界を震え上がらせている件  作者: 矢満田太郎
第4章:魔王決戦
PR
19/20

【第19話】 存在再構築の兆しと、悪役の影が全てを塗り替える

 黒城レイが“創造主の化身を跪かせた”翌日――。


 世界は、もはや“世界”という枠組みを保てていなかった。


 王国軍、魔王軍、宗教国家、冒険者ギルド、英雄連盟、異界軍勢、宇宙意志、世界核、物語の化身、創造主の化身――

 すべてがレイの前に跪き、世界は完全な静寂に包まれていた。


 だが、その静寂は――

 **存在そのものの層** にまで届いていた。


「黒城レイ……」

「創造主の化身を屈服させた……?」

「いや、屈服させたどころか“創造の根源を書き換えた”らしい……」

「そんな存在……存在そのものを揺るがしている……」


 世界の“存在”を司る層が揺れ始めていた。



 王都は今日も静かだった。


 昨日までの混乱が嘘のように、

 街は平和そのものだった。


 だが――

 その平和は、レイが“創造を止めた”結果にすぎない。


「黒城レイ様……」

「今日もお美しい……」

「いや、怖いだろ……」


 王都の住民たちは、レイを見るだけで震えていた。


 レイはそれを見ながら、なぜか満足げに頷いていた。


「フッ……我が闇の名は、ついに創造を静寂へと導いたか」


「いや、悪い意味でだよ!!」


 俺――白峰ユウは、朝からツッコミで喉が枯れそうだった。


 そしてレイの後ろには、監視官セリス、聖女アリシア、神官長ルシア、異界王代理、宇宙観測庁長官エルミナ、根源研究所所長オルフェウス、運命管理局長ミレイユ、創造管理庁長官アークライトがついてくる。


「黒城レイ。今日、あなたは“存在基盤局”に呼ばれているわ」


「存在基盤局……?」


 レイは首をかしげた。


「俺は悪役だぞ? 存在など関係ないだろう」


「関係あるのよ!! あなたのせいで存在が揺れてるの!!」


「揺れているのか?」


「揺れてるのよ!!」



 存在基盤局――

 世界の存在構造、存在の定義、存在の根源を監視する最高機関。


 だが――

 その前には数千人の存在学者と魔導士が集まっていた。


「黒城レイが来るぞ!!」

「創造主の化身を跪かせた男……」

「いや、存在そのものを揺らした男だ……」

「どっちにしろ存在が反則だろ……!」


 いや、反則ってなんだよ!!


 レイは満足げに頷いた。


「フッ……歓迎されているようだな」


「歓迎じゃないよ!! 完全に“存在のバグ”扱いだよ!!」



 基盤局の大広間に入ると、

 そこには世界中の存在学者たちが並んでいた。


 存在魔導士、根源論者、虚無研究者、実在構築者――

 世界の“存在を知る者たち”が勢揃いしていた。


 そして中央には、存在基盤局長・ネメシスが立っていた。


 黒い髪、白い瞳、存在が揺らぎ続ける女性。

 その存在は、まさに“存在の境界に立つ者”だった。


「黒城レイ……あなたが噂の“存在を揺らす男”ですね」


「フッ……悪役だが?」


「悪役って言うな!!」


 アリシアが叫ぶ。


 ネメシスはレイを見つめ、震える声で言った。


「黒城レイ……

 あなたの力は、もはや存在の枠を超えています」


「超えているのか?」


「超えてるのよ!!」


 セリスが叫ぶ。


「あなたの“跪け”の一言が、

 **存在定義そのものを書き換えたの!!**」


「書き換えたのか?」


「書き換えたのよ!!」



 ネメシスは巨大な魔導スクリーンを展開した。


 そこには――

 世界の存在構造“存在基盤図”が映っていた。


 だが、その中心が黒く塗りつぶされていた。


「これは……?」


 俺が思わず声を上げた。


 ネメシスは震えながら言った。


「“存在欠損エグジスト・ブレイク”です」


「存在欠損……?」


「存在の定義が消えている……

 世界の根源が欠けている……

 虚無が侵食している……」


 ルシアが青ざめた。


「そんな状態が……レイの影響で……?」


「影響を受けてるのよ!!」



 その時――

 基盤局全体が揺れた。


 ――ゴォォォォォォン!!


「緊急事態!!」

「存在層に異常!!」

「虚無層から何かが接近しています!!」


「虚無層……?」


 レイは首をかしげた。


「俺は悪役だぞ? 虚無など関係ないだろう」


「関係あるのよ!! あなたのせいで虚無が目覚めたの!!」



 空間が裂け、巨大な闇が降り注いだ。


 その中心に――

 “存在の反対”を象徴する存在が現れた。


「黒城レイ……」


 その声は、虚無そのものの響きだった。


「貴様を迎えに来た」


「また迎えに来たのか!!」


 俺が叫ぶ。


 虚無の化身はレイを見つめ、震える声で言った。


「黒城レイ……

 貴様こそ、我が後継者……!」


「違う!!」


 アリシアが叫ぶ。


「黒城レイは虚無の後継者じゃない!!

 ただの……ただの……」


 アリシアは言葉に詰まった。


「……ただの何?」


 俺が代わりに言った。


「ただの悪役ロールプレイヤーだよ!!」


 虚無の化身は震えながら言った。


「……悪役ロールでこの力……

 やはりあなたこそ、虚無の器……!」


「いや、なんでそうなるんだよ!!」



 虚無の化身が手を伸ばす。


 レイは微動だにせず、ただ指を鳴らした。


「――跪け」


 その瞬間、虚無の化身が空間に叩きつけられた。


 存在が震え、虚無が揺れ、世界が乱れた。


「な……っ……!?

 虚無の化身が……押さえつけられて……?」


 ネメシスは震えながら言った。


「黒城レイ……

 あなた……存在と虚無すら屈服させたのよ……!」


「屈服させたのか?」


「させたのよ!!」



 こうして――

**黒城レイは“存在と虚無すら跪かせた存在”として、

 世界・異界・宇宙・世界核・物語・創造主・虚無からも“絶対的頂点”として扱われることになった。**


 もちろん本人は、まったく理解していない。


 そして俺は――

またしてもツッコミ役として地獄を見るのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ