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俺の親友が今日も悪役ムーブで世界を震え上がらせている件  作者: 矢満田太郎
第4章:魔王決戦
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【第20話】 時間逆流の兆候と、悪役の影が過去と未来を支配する

 黒城レイが“虚無の化身を跪かせた”翌日――。


 世界は、もはや“世界”という言葉では説明できなかった。


 王国軍、魔王軍、宗教国家、冒険者ギルド、英雄連盟、異界軍勢、宇宙意志、世界核、物語の化身、創造主の化身、虚無の化身――

 すべてがレイの前に跪き、世界は完全な静寂に包まれていた。


 だが、その静寂は――

 **時間そのものの層** にまで届いていた。


「黒城レイ……」

「虚無の化身を屈服させた……?」

「いや、屈服させたどころか“存在と虚無の境界を書き換えた”らしい……」

「そんな存在……時間の流れを乱し始めている……」


 世界の“時間”を司る層が揺れ始めていた。



 王都は今日も静かだった。


 昨日までの混乱が嘘のように、

 街は平和そのものだった。


 だが――

 その平和は、レイが“存在と虚無を止めた”結果にすぎない。


「黒城レイ様……」

「今日もお美しい……」

「いや、怖いだろ……」


 王都の住民たちは、レイを見るだけで震えていた。


 レイはそれを見ながら、なぜか満足げに頷いていた。


「フッ……我が闇の名は、ついに存在と虚無を静寂へと導いたか」


「いや、悪い意味でだよ!!」


 俺――白峰ユウは、朝からツッコミで喉が枯れそうだった。


 そしてレイの後ろには、監視官セリス、聖女アリシア、神官長ルシア、異界王代理、宇宙観測庁長官エルミナ、根源研究所所長オルフェウス、運命管理局長ミレイユ、創造管理庁長官アークライト、存在基盤局長ネメシスがついてくる。


「黒城レイ。今日、あなたは“時間庁”に呼ばれているわ」


「時間庁……?」


 レイは首をかしげた。


「俺は悪役だぞ? 時間など関係ないだろう」


「関係あるのよ!! あなたのせいで時間が揺れてるの!!」


「揺れているのか?」


「揺れてるのよ!!」



 時間庁――

 世界の時間、過去、未来、時空の流れを監視する最高機関。


 だが――

 その前には数千人の時空魔導士と研究者が集まっていた。


「黒城レイが来るぞ!!」

「虚無の化身を跪かせた男……」

「いや、時間の流れを乱した男だ……」

「どっちにしろ存在が反則だろ……!」


 いや、反則ってなんだよ!!


 レイは満足げに頷いた。


「フッ……歓迎されているようだな」


「歓迎じゃないよ!! 完全に“時間災害”扱いだよ!!」



 時間庁の大広間に入ると、

 そこには世界中の時空研究者たちが並んでいた。


 時空魔導士、未来視研究者、過去観測者、時間構築者――

 世界の“時間を知る者たち”が勢揃いしていた。


 そして中央には、時間庁長官・クロノスが立っていた。


 銀髪に金の瞳、時間そのものをまとったような男。

 その存在は、まさに“時間の境界に立つ者”だった。


「黒城レイ……あなたが噂の“時間を揺らす男”ですね」


「フッ……悪役だが?」


「悪役って言うな!!」


 アリシアが叫ぶ。


 クロノスはレイを見つめ、震える声で言った。


「黒城レイ……

 あなたの力は、もはや時間の枠を超えています」


「超えているのか?」


「超えてるのよ!!」


 セリスが叫ぶ。


「あなたの“跪け”の一言が、

 **時間の流れそのものを書き換えたの!!**」


「書き換えたのか?」


「書き換えたのよ!!」



 クロノスは巨大な魔導スクリーンを展開した。


 そこには――

 世界の時間構造“時空基盤図”が映っていた。


 だが、その中心が黒く塗りつぶされていた。


「これは……?」


 俺が思わず声を上げた。


 クロノスは震えながら言った。


「“時間欠損タイム・ブレイク”です」


「時間欠損……?」


「時間の流れが消えている……

 過去と未来が混ざっている……

 時空が崩壊し始めている……」


 ルシアが青ざめた。


「そんな状態が……レイの影響で……?」


「影響を受けてるのよ!!」



 その時――

 時間庁全体が揺れた。


 ――ゴォォォォォォン!!


「緊急事態!!」

「時間層に異常!!」

「過去と未来から何かが接近しています!!」


「過去と未来……?」


 レイは首をかしげた。


「俺は悪役だぞ? 過去も未来も関係ないだろう」


「関係あるのよ!! あなたのせいで時間が逆流してるの!!」



 空間が裂け、二つの存在が現れた。


 一つは――

 **過去の化身**。


 もう一つは――

 **未来の化身**。


「黒城レイ……」


 二つの声が重なった。


「貴様を迎えに来た」


「また迎えに来たのか!!」


 俺が叫ぶ。


 過去の化身は言った。


「黒城レイ……

 貴様こそ、我が後継者……!」


 未来の化身は言った。


「黒城レイ……

 貴様こそ、我が後継者……!」


「違う!!」


 アリシアが叫ぶ。


「黒城レイは過去でも未来でもない!!

 ただの……ただの……」


 アリシアは言葉に詰まった。


「……ただの何?」


 俺が代わりに言った。


「ただの悪役ロールプレイヤーだよ!!」


 過去と未来の化身は震えながら言った。


「……悪役ロールでこの力……

 やはりあなたこそ、時間の器……!」


「いや、なんでそうなるんだよ!!」



 二つの化身が同時に手を伸ばす。


 レイは微動だにせず、ただ指を鳴らした。


「――跪け」


 その瞬間、過去と未来の化身が同時に地面に叩きつけられた。


 時間が震え、時空が揺れ、世界が乱れた。


「な……っ……!?

 過去と未来の化身が……押さえつけられて……?」


 クロノスは震えながら言った。


「黒城レイ……

 あなた……時間すら屈服させたのよ……!」


「屈服させたのか?」


「させたのよ!!」



 こうして――

**黒城レイは“時間すら跪かせた存在”として、

 世界・異界・宇宙・世界核・物語・創造主・虚無・そして時間からも“絶対的頂点”として扱われることになった。**


 もちろん本人は、まったく理解していない。


 そして俺は――

またしてもツッコミ役として地獄を見るのだった。



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