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俺の親友が今日も悪役ムーブで世界を震え上がらせている件  作者: 矢満田太郎
第4章:魔王決戦
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【第17話】 物語の外側からの干渉と、悪役の影が運命を書き換える

 黒城レイが“世界核を跪かせた”翌日――。


 世界は、もはや“世界”という概念を超えていた。


 王国軍、魔王軍、宗教国家、冒険者ギルド、英雄連盟、異界軍勢、宇宙意志、世界核――

 すべてがレイの前に跪き、世界は完全な静寂に包まれていた。


 だが、その静寂は――

 **物語の外側** にまで届いていた。


「黒城レイ……」

「世界核を屈服させた……?」

「いや、屈服させたどころか“世界の理を書き換えた”らしい……」

「そんな存在……物語の外側に干渉している……」


 世界の“運命”を司る層が揺れ始めていた。



 王都は今日も静かだった。


 昨日までの混乱が嘘のように、

 街は平和そのものだった。


 だが――

 その平和は、レイが“世界の理を止めた”結果にすぎない。


「黒城レイ様……」

「今日もお美しい……」

「いや、怖いだろ……」


 王都の住民たちは、レイを見るだけで震えていた。


 レイはそれを見ながら、なぜか満足げに頷いていた。


「フッ……我が闇の名は、ついに世界の理を静寂へと導いたか」


「いや、悪い意味でだよ!!」


 俺――白峰ユウは、朝からツッコミで喉が枯れそうだった。


 そしてレイの後ろには、監視官セリス、聖女アリシア、神官長ルシア、異界王代理、宇宙観測庁長官エルミナ、根源研究所所長オルフェウスがついてくる。


「黒城レイ。今日、あなたは“運命管理局”に呼ばれているわ」


「運命管理局……?」


 レイは首をかしげた。


「俺は悪役だぞ? 運命など関係ないだろう」


「関係あるのよ!! あなたのせいで運命が揺れてるの!!」


「揺れているのか?」


「揺れてるのよ!!」



 運命管理局――

 世界の運命、未来、物語の流れを監視する最高機関。


 だが――

 その前には数千人の占術師と魔導士が集まっていた。


「黒城レイが来るぞ!!」

「世界核を跪かせた男……」

「いや、運命そのものを揺らした男だ……」

「どっちにしろ存在が反則だろ……!」


 いや、反則ってなんだよ!!


 レイは満足げに頷いた。


「フッ……歓迎されているようだな」


「歓迎じゃないよ!! 完全に“運命のバグ”扱いだよ!!」



 管理局の大広間に入ると、

 そこには世界中の占術師たちが並んでいた。


 未来視の賢者、運命魔導士、時空占術師、物語観測者――

 世界の“未来を読む者たち”が勢揃いしていた。


 そして中央には、運命管理局長・ミレイユが立っていた。


 白銀の髪、星のような瞳、未来そのものをまとった女性。

 その存在は、まさに“運命を知る者”だった。


「黒城レイ……あなたが噂の“運命を揺らす男”ですね」


「フッ……悪役だが?」


「悪役って言うな!!」


 アリシアが叫ぶ。


 ミレイユはレイを見つめ、震える声で言った。


「黒城レイ……

 あなたの力は、もはや運命の枠を超えています」


「超えているのか?」


「超えてるのよ!!」


 セリスが叫ぶ。


「あなたの“跪け”の一言が、

 **未来予測の全データを破壊したの!!**」


「破壊したのか?」


「破壊したのよ!!」



 ミレイユは巨大な魔導スクリーンを展開した。


 そこには――

 未来予測の“白紙”が映っていた。


「これは……?」


 俺が思わず声を上げた。


 ミレイユは震えながら言った。


「“未来空白ホワイト・フューチャー”です」


「未来空白……?」


「未来が読めない……

 運命が存在しない……

 物語が書かれていない……」


 ルシアが青ざめた。


「そんな状態が……レイの影響で……?」


「影響を受けてるのよ!!」



 その時――

 管理局全体が揺れた。


 ――ゴォォォォォォン!!


「緊急事態!!」

「運命層に異常!!」

「物語の外側から何かが接近しています!!」


「物語の外側……?」


 レイは首をかしげた。


「俺は悪役だぞ? 物語など関係ないだろう」


「関係あるのよ!! あなたのせいで物語が乱れてるの!!」



 空間が裂け、巨大な光が降り注いだ。


 その中心に――

 “物語そのものを象徴する存在”が現れた。


「黒城レイ……」


 その声は、物語の外側から響いていた。


「貴様を迎えに来た」


「また迎えに来たのか!!」


 俺が叫ぶ。


 物語の化身はレイを見つめ、震える声で言った。


「黒城レイ……

 貴様こそ、我が後継者……!」


「違う!!」


 アリシアが叫ぶ。


「黒城レイは物語の後継者じゃない!!

 ただの……ただの……」


 アリシアは言葉に詰まった。


「……ただの何?」


 俺が代わりに言った。


「ただの悪役ロールプレイヤーだよ!!」


 物語の化身は震えながら言った。


「……悪役ロールでこの力……

 やはりあなたこそ、創造主の器……!」


「いや、なんでそうなるんだよ!!」



 物語の化身が手を伸ばす。


 レイは微動だにせず、ただ指を鳴らした。


「――跪け」


 その瞬間、物語の化身が空間に叩きつけられた。


 運命が震え、未来が揺れ、物語が乱れた。


「な……っ……!?

 物語の化身が……押さえつけられて……?」


 ミレイユは震えながら言った。


「黒城レイ……

 あなた……物語そのものを屈服させたのよ……!」


「屈服させたのか?」


「させたのよ!!」



 こうして――

**黒城レイは“物語すら跪かせた存在”として、

 世界・異界・宇宙・世界核・そして物語の外側からも“頂点”として扱われることになった。**


 もちろん本人は、まったく理解していない。


 そして俺は――

またしてもツッコミ役として地獄を見るのだった。



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