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俺の親友が今日も悪役ムーブで世界を震え上がらせている件  作者: 矢満田太郎
第3章:世界規模の誤解
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【第16話】 創造主の目覚めと、悪役の影が世界の理を揺らす

 黒城レイが“宇宙意志を跪かせた”翌日――。


 世界は、もはや“世界”という言葉では足りなかった。


 王国軍、魔王軍、宗教国家、冒険者ギルド、英雄連盟、異界軍勢、宇宙意志――

 すべてがレイの前に跪き、世界は完全な静寂に包まれていた。


 だが、その静寂は――

 **世界のことわりそのもの** にまで届いていた。


「黒城レイ……」

「宇宙意志を屈服させた……?」

「いや、屈服させたどころか“宇宙の法則を書き換えた”らしい……」

「そんな存在……創造主の領域に踏み込んでいる……」


 世界の根幹を司る“理の層”が揺れ始めていた。



 王都は今日も静かだった。


 昨日までの混乱が嘘のように、

 街は平和そのものだった。


 だが――

 その平和は、レイが“宇宙を止めた”結果にすぎない。


「黒城レイ様……」

「今日もお美しい……」

「いや、怖いだろ……」


 王都の住民たちは、レイを見るだけで震えていた。


 レイはそれを見ながら、なぜか満足げに頷いていた。


「フッ……我が闇の名は、ついに宇宙を静寂へと導いたか」


「いや、悪い意味でだよ!!」


 俺――白峰ユウは、朝からツッコミで喉が枯れそうだった。


 そしてレイの後ろには、監視官セリス、聖女アリシア、神官長ルシア、異界王代理、宇宙観測庁長官エルミナがついてくる。


「黒城レイ。今日、あなたは“世界根源研究所”に呼ばれているわ」


「根源研究所……?」


 レイは首をかしげた。


「俺は悪役だぞ? 根源など関係ないだろう」


「関係あるのよ!! あなたのせいで世界の理が揺れてるの!!」


「揺れているのか?」


「揺れてるのよ!!」



 世界根源研究所――

 世界の法則、魔力の源、宇宙の構造を研究する最高機関。


 だが――

 その前には数千人の研究者と兵士が集まっていた。


「黒城レイが来るぞ!!」

「宇宙意志を跪かせた男……」

「いや、世界の理を揺らした男だ……」

「どっちにしろ存在が反則だろ……!」


 いや、反則ってなんだよ!!


 レイは満足げに頷いた。


「フッ……歓迎されているようだな」


「歓迎じゃないよ!! 完全に“世界のバグ”扱いだよ!!」



 研究所の大広間に入ると、

 そこには世界中の賢者たちが並んでいた。


 大賢者、空間魔導士、時空研究者、根源学者――

 世界の“知の頂点”が勢揃いしていた。


 そして中央には、根源研究所所長・オルフェウスが立っていた。


 白髪に金の瞳、時空そのものをまとったような男。

 その存在は、まさに“世界の理を知る者”だった。


「黒城レイ……あなたが噂の“宇宙を屈服させた男”ですね」


「フッ……悪役だが?」


「悪役って言うな!!」


 アリシアが叫ぶ。


 オルフェウスはレイを見つめ、震える声で言った。


「黒城レイ……

 あなたの力は、もはや世界の理を超えています」


「超えているのか?」


「超えてるのよ!!」


 セリスが叫ぶ。


「あなたの“跪け”の一言が、

 **世界の法則そのものに影響を与えているの!!**」


「法則に……?」


「そうよ!!」



 オルフェウスは巨大な魔導スクリーンを展開した。


 そこには――

 世界の根源を象徴する“光の球体”が映っていた。


「これは……?」


 俺が思わず声を上げた。


 オルフェウスは震えながら言った。


「“世界核ワールド・コア”です」


「世界核……?」


「世界を生み、魔力を流し、生命を育む……

 世界そのものの心臓部……」


 ルシアが青ざめた。


「そんなものが……レイの影響を……?」


「影響を受けてるのよ!!」



 その時――

 研究所全体が揺れた。


 ――ゴォォォォォォン!!


「緊急事態!!」

「世界核が活性化!!」

「未知の存在が接近しています!!」


「未知の存在……?」


 レイは首をかしげた。


「俺は悪役だぞ? 世界核など関係ないだろう」


「関係あるのよ!! あなたのせいで世界核が目覚めたの!!」



 空間が裂け、巨大な光が降り注いだ。


 その中心に――

 “世界そのものを象徴する存在”が現れた。


「黒城レイ……」


 その声は、世界の根源そのものの響きだった。


「貴様を迎えに来た」


「また迎えに来たのか!!」


 俺が叫ぶ。


 世界核の化身はレイを見つめ、震える声で言った。


「黒城レイ……

 貴様こそ、我が後継者……!」


「違う!!」


 アリシアが叫ぶ。


「黒城レイは世界核の後継者じゃない!!

 ただの……ただの……」


 アリシアは言葉に詰まった。


「……ただの何?」


 俺が代わりに言った。


「ただの悪役ロールプレイヤーだよ!!」


 世界核の化身は震えながら言った。


「……悪役ロールでこの力……

 やはりあなたこそ、創造主の器……!」


「いや、なんでそうなるんだよ!!」



 世界核の化身が手を伸ばす。


 レイは微動だにせず、ただ指を鳴らした。


「――跪け」


 その瞬間、世界核の化身が空間に叩きつけられた。


 世界が震え、理が揺れた。


「な……っ……!?

 世界核が……押さえつけられて……?」


 オルフェウスは震えながら言った。


「黒城レイ……

 あなた……世界そのものを屈服させたのよ……!」


「屈服させたのか?」


「させたのよ!!」



 こうして――

**黒城レイは“世界の理すら跪かせた存在”として、

 世界・異界・宇宙・そして世界核からも“頂点”として扱われることになった。**


 もちろん本人は、まったく理解していない。


 そして俺は――

またしてもツッコミ役として地獄を見るのだった。



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