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俺の親友が今日も悪役ムーブで世界を震え上がらせている件  作者: 矢満田太郎
第3章:世界規模の誤解
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【第15話】 宇宙意志の覚醒と、悪役の影が星々を震わせる

 黒城レイが“異界の王を跪かせた”翌日――。


 世界は、もはや“世界”という枠組みを超えていた。


 王国軍、魔王軍、宗教国家、冒険者ギルド、英雄連盟、異界軍勢――

 すべてがレイの前に跪き、世界は静寂に包まれていた。


 だが、その静寂は――

 **宇宙の外側** にまで届いていた。


「黒城レイ……」

「異界の王を跪かせた……?」

「いや、跪かせたどころか“空間そのものを屈服させた”らしい……」

「そんな存在……宇宙の均衡を乱す……」


 星々の間を漂う“宇宙意志”が、レイの存在を観測し始めていた。



 王都は今日も静かだった。


 昨日までの戦争が嘘のように、

 街は平和そのものだった。


 だが――

 その平和は、レイが“世界を止めた”結果にすぎない。


「黒城レイ様……」

「今日もお美しい……」

「いや、怖いだろ……」


 王都の住民たちは、レイを見るだけで震えていた。


 レイはそれを見ながら、なぜか満足げに頷いていた。


「フッ……我が闇の名は、ついに世界を静寂へと導いたか」


「いや、悪い意味でだよ!!」


 俺――白峰ユウは、朝からツッコミで喉が枯れそうだった。


 そしてレイの後ろには、監視官セリス、聖女アリシア、神官長ルシア、異界の王代理がついてくる。


「黒城レイ。今日、あなたは“宇宙観測庁”に呼ばれているわ」


「宇宙観測庁……?」


 レイは首をかしげた。


「俺は悪役だぞ? 宇宙など関係ないだろう」


「関係あるのよ!! あなたのせいで宇宙が揺れてるの!!」


「揺れているのか?」


「揺れてるのよ!!」



 宇宙観測庁――

 世界中の魔導士、科学者、賢者が集まる巨大な研究施設。


 だが――

 その前には数千人の研究者と兵士が集まっていた。


「黒城レイが来るぞ!!」

「異界の王を跪かせた男……」

「いや、空間そのものを屈服させた男だ……」

「どっちにしろ宇宙規模の脅威だろ……!」


 いや、違うよ!!


 レイは満足げに頷いた。


「フッ……歓迎されているようだな」


「歓迎じゃないよ!! 完全に“宇宙災害”扱いだよ!!」



 観測庁の大広間に入ると、

 そこには世界中の研究者たちが並んでいた。


 魔導科学者、空間魔導士、天文賢者、異界研究者――

 世界の“知”が勢揃いしていた。


 そして中央には、宇宙観測庁長官・エルミナが立っていた。


 銀髪に紫の瞳、星のような魔力をまとった女性。

 その存在は、まさに“宇宙を知る者”だった。


「黒城レイ……あなたが噂の“宇宙を揺らす男”ですね」


「フッ……悪役だが?」


「悪役って言うな!!」


 アリシアが叫ぶ。


 エルミナはレイを見つめ、震える声で言った。


「黒城レイ……

 あなたの力は、もはや世界や異界の枠を超えています」


「超えているのか?」


「超えてるのよ!!」


 セリスが叫ぶ。


「あなたの“跪け”の一言が、

 **宇宙の観測データに影響を与えているの!!**」


「影響を与えているのか?」


「与えてるのよ!!」



 エルミナは巨大な魔導スクリーンを展開した。


 そこには――

 宇宙空間に浮かぶ巨大な“目”のようなものが映っていた。


「これは……?」


 俺が思わず声を上げた。


 エルミナは震えながら言った。


「“宇宙意志”です」


「宇宙意志……?」


「宇宙そのものの意思……

 星々を生み、世界を管理し、異界を監視する存在……」


 アリシアが青ざめた。


「そんな存在が……レイを見てるの……?」


「見てるのよ!!」



 その時――

 観測庁全体が揺れた。


 ――ゴォォォォォォン!!


「緊急事態!!」

「宇宙意志が接近!!」

「空間が歪んでいます!!」


「宇宙意志が……接近……?」


 レイは首をかしげた。


「俺は悪役だぞ? 宇宙など関係ないだろう」


「関係あるのよ!! あなたのせいで宇宙が動いてるの!!」



 空間が裂け、巨大な光が降り注いだ。


 その中心に――

 “星々をまとった巨大な存在”が現れた。


「黒城レイ……」


 その声は、宇宙そのものの響きだった。


「貴様を迎えに来た」


「また迎えに来たのか!!」


 俺が叫ぶ。


 宇宙意志はレイを見つめ、震える声で言った。


「黒城レイ……

 貴様こそ、我が後継者……!」


「違う!!」


 アリシアが叫ぶ。


「黒城レイは宇宙の後継者じゃない!!

 ただの……ただの……」


 アリシアは言葉に詰まった。


「……ただの何?」


 俺が代わりに言った。


「ただの悪役ロールプレイヤーだよ!!」


 宇宙意志は震えながら言った。


「……悪役ロールでこの力……

 やはりあなたこそ、宇宙の器……!」


「いや、なんでそうなるんだよ!!」



 宇宙意志が手を伸ばす。


 レイは微動だにせず、ただ指を鳴らした。


「――跪け」


 その瞬間、宇宙意志の巨大な身体が空間に叩きつけられた。


 宇宙が震え、星々が揺れた。


「な……っ……!?

 宇宙意志が……押さえつけられて……?」


 エルミナは震えながら言った。


「黒城レイ……

 あなた……宇宙すら屈服させたのよ……!」


「屈服させたのか?」


「させたのよ!!」



 こうして――

**黒城レイは“宇宙すら跪かせた存在”として、

 世界・異界・宇宙のすべてから“頂点”として扱われることになった。**


 もちろん本人は、まったく理解していない。


 そして俺は――

またしてもツッコミ役として地獄を見るのだった。



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