表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の親友が今日も悪役ムーブで世界を震え上がらせている件  作者: 矢満田太郎
第3章:世界規模の誤解
PR
14/20

【第14話】 世界の外側からの侵略と、悪役の影が宇宙を震わせる

 黒城レイが“世界を一言で止めた”翌日――。


 世界は、もはや“平和”という概念を忘れていた。


 王国軍、魔王軍、宗教国家、冒険者ギルド、英雄連盟――

 すべての勢力がレイの前に跪き、戦争は一瞬で終わった。


 だが、その余波は世界の外側にまで届いていた。


「黒城レイという存在……」

「魔王を跪かせ、神獣を押さえつけ、英雄総帥を沈め……」

「世界を一言で止めた……?」


 世界の外側――

 “異界”と呼ばれる次元の住人たちが動き始めていた。



 王都は静まり返っていた。


 昨日までの戦争が嘘のように、

 街は平和そのものだった。


 だが――

 その平和は、レイが“世界を止めた”結果にすぎない。


「黒城レイ様……」

「今日もお美しい……」

「いや、怖いだろ……」


 王都の住民たちは、レイを見るだけで震えていた。


 レイはそれを見ながら、なぜか満足げに頷いていた。


「フッ……我が闇の名は、ついに世界を静寂へと導いたか」


「いや、悪い意味でだよ!!」


 俺――白峰ユウは、朝からツッコミで喉が枯れそうだった。


 そしてレイの後ろには、監視官セリス、聖女アリシア、神官長ルシアがついてくる。


「黒城レイ。今日、あなたは“世界連合本部”に呼ばれているわ」


「連合本部……?」


 レイは首をかしげた。


「俺は悪役だぞ? 連合など関係ないだろう」


「関係あるのよ!! あなたのせいで世界が混乱してるの!!」


「そうなのか?」


「そうよ!!」



 世界連合本部――

 世界中の勢力が集まる巨大な塔。


 だが――

 その前には数万人の兵士と冒険者が集まっていた。


「黒城レイが来るぞ!!」

「世界を止めた男……」

「いや、宇宙規模の脅威だ……」

「どっちにしろ関わりたくない……!」


 いや、関わってるだろ!!


 レイは満足げに頷いた。


「フッ……歓迎されているようだな」


「歓迎じゃないよ!! 完全に“災害の中心”扱いだよ!!」



 連合本部の大広間に入ると、

 そこには世界中の代表者たちが並んでいた。


 王国の王、魔王軍の幹部、宗教国家の大神官、冒険者ギルドのマスター、英雄連盟総帥――

 世界の“頂点”が勢揃いしていた。


 そして中央には、世界連合議長が立っていた。


「黒城レイ……貴様が噂の“世界を止めた男”か」


「フッ……悪役だが?」


「悪役って言うな!!」


 アリシアが叫ぶ。


 議長はレイを睨みつけた。


「黒城レイ。貴様のせいで世界は戦争を回避した」


「良いことではないのか?」


「良いことだけど!! やり方が問題なのよ!!」


 セリスが叫ぶ。


「あなたの“跪け”一言で、世界中の勢力が地面に叩きつけられたの!!」


「叩きつけたのか?」


「叩きつけたのよ!!」



 議長は深いため息をついた。


「黒城レイ……

 貴様の存在は、世界の均衡を崩しすぎている」


「崩しているのか?」


「崩してるのよ!!」


 アリシアが叫ぶ。


「あなたのせいで、世界は“黒城レイ中心”に回り始めてるの!!」


「中心……か。悪役としては悪くないな」


「悪くないじゃないのよ!!」



 その時――

 世界連合本部全体が揺れた。


 ――ゴォォォォォォン!!


「緊急事態!!」

「空間の裂け目が発生!!」

「異界から何かが侵入してくる!!」


「異界……?」


 俺とレイとアリシアは同時に声を上げた。


 空間が裂け、巨大な黒い穴が現れた。


 その中心から、異様な気配が溢れ出す。


「これは……魔王軍の魔力じゃない……」

「神域の気配でもない……」

「未知の……異界の力……!」


 ルシアが震えながら言った。


「黒城レイ……

 あなたの力が“異界”にまで届いたのです……!」


「届いたのか?」


「届いたのよ!!」



 裂け目から、巨大な影が現れた。


 黒い鎧、無数の目、異様な魔力。


「黒城レイ……

 貴様を迎えに来た」


「また迎えに来たのか!!」


 俺が叫ぶ。


 異界の存在はレイを見つめ、震える声で言った。


「黒城レイ……

 貴様こそ、我ら異界の王……!」


「違う!!」


 アリシアが叫ぶ。


「黒城レイは異界の王じゃない!!

 ただの……ただの……」


 アリシアは言葉に詰まった。


「……ただの何?」


 俺が代わりに言った。


「ただの悪役ロールプレイヤーだよ!!」


 異界の存在は震えながら言った。


「……悪役ロールでこの力……

 やはりあなたこそ、異界の器……!」


「いや、なんでそうなるんだよ!!」



 異界の存在が突進する。


 レイは微動だにせず、ただ指を鳴らした。


「――跪け」


 その瞬間、異界の存在が地面に叩きつけられた。


 世界連合本部全体が震え、空間が歪んだ。


「な……っ……!?

 異界の王が……押さえつけられて……?」


 セリスは震えながら言った。


「黒城レイ……

 あなた……異界すら支配できるの……?」


「支配しているのか?」


「支配してるのよ!!」



 こうして――

**黒城レイは“異界すら跪かせた存在”として、

 世界だけでなく異界からも“頂点”として扱われることになった。**


 もちろん本人は、まったく理解していない。


 そして俺は――

またしてもツッコミ役として地獄を見るのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ