表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の親友が今日も悪役ムーブで世界を震え上がらせている件  作者: 矢満田太郎
第3章:世界規模の誤解
PR
11/20

【第11話】 英雄連盟の崩壊危機と、悪役の影が大陸を統べる

 黒城レイが“人類最強と神獣と魔王を跪かせた”という衝撃は、

 冒険者ギルドを超えて――

 ついに **英雄連盟ワールド・ヒーローズ・ユニオン** にまで届いていた。


 いや、届いたどころではない。


 英雄連盟は、もはや“崩壊寸前”だった。


「黒城レイが神獣を押さえつけた……?」

「いや、押さえつけたどころか“神域を揺らした”らしい……」

「そんな存在……英雄の敵か、英雄の頂点か……」


 世界中の英雄たちが震え、

 各国の勇者たちは武器を構え、

 連盟本部はパニックに陥っていた。


 レイはそれを聞きながら、なぜか満足げに頷いていた。


「フッ……我が闇の名は、ついに英雄たちの耳にも届いたか」


「いや、悪い意味でだよ!!」


 俺――白峰ユウは、朝からツッコミで喉が枯れそうだった。


 そしてレイの後ろには、監視官セリス、聖女アリシア、神官長ルシアがついてくる。


「黒城レイ。今日、あなたは“英雄連盟本部”に呼ばれているわ」


「英雄連盟……?」


 レイは首をかしげた。


「俺は悪役だぞ? 英雄など関係ないだろう」


「関係あるのよ!! あなたのせいで英雄たちが震えてるの!!」


「そうなのか?」


「そうよ!!」



 英雄連盟本部――

 世界中の勇者・英雄・伝説級戦士が集まる巨大な塔。


 だが――

 その前には数千人の英雄が集まっていた。


「黒城レイが来るぞ!!」

「魔王を跪かせた男……」

「いや、神獣を押さえつけた男だ……」

「どっちにしろ世界最強だろ……!」


 いや、違うよ!!


 レイは満足げに頷いた。


「フッ……歓迎されているようだな」


「歓迎じゃないよ!! 完全に災害扱いだよ!!」



 英雄連盟の大広間に入ると、

 そこには世界最強の英雄たちが並んでいた。


 勇者、剣聖、賢者、竜騎士、魔導皇――

 各大陸の“最強”が勢揃いしていた。


 そして中央には、英雄連盟総帥・ゼノスが立っていた。


 白髪に金の瞳、巨大な魔力をまとった男。

 その存在感は、まさに“人類の希望”だった。


「黒城レイ……貴様が噂の“神獣を跪かせた男”か」


「フッ……悪役だが?」


「悪役って言うな!!」


 アリシアが叫ぶ。


 ゼノスはレイを睨みつけた。


「黒城レイ。貴様が神獣を押さえつけたというのは本当か?」


「押さえつけたというより……少し跪かせただけだが?」


「それが問題なんだよ!!」


 英雄たちがざわめく。


「神獣を跪かせるなんて……」

「人間の領域じゃない……」

「やはり魔王候補……いや、魔王そのもの……」


 レイは腕を組み、堂々と立っていた。


「……ユウ。俺はどうすればいい?」


「どうすればって……誤解を解くしかないだろ!!」


「誤解……?」


「そうだよ!! お前は魔王でも神でも英雄でもないって言え!!」


 レイは少し考えたあと、英雄連盟に向かって言った。


「俺は魔王でも神でも英雄でもない」


 連盟が静まり返る。


「……では、何者だ?」


 レイは胸を張って答えた。


「悪役だ」


「言うなって言ってるだろおおおおお!!」


 英雄連盟が大混乱に陥った。


「悪役……!?」

「魔王より危険では……?」

「いや、悪役の方がタチが悪い……!」


 セリスが絶望した顔で言った。


「黒城レイ……あなた、世界を滅ぼす気……?」


「そんなつもりはない。俺は悪役ロールを楽しんでいるだけだ」


「それが一番危険なんだよ!!」



 ゼノスは剣を構えた。


「黒城レイ……

 貴様の力、確かめさせてもらう!!」


「フッ……良いだろう」


「良くないよ!!」


 ゼノスが突進する。


 その速度は、魔王すら上回っていた。


「速い……!」

「これが英雄連盟総帥……!」

「黒城レイでも避けられないんじゃ……?」


 いや、避ける必要ないんだよな……


 レイは微動だにせず、ただ指を鳴らした。


「――跪け」


 その瞬間、ゼノスの身体が地面に叩きつけられた。


 連盟全体が震え、床が砕けた。


「な……っ……!?

 わ、私が……押さえつけられて……?」


 ゼノスは震えながらレイを見上げた。


「貴様……本当に……魔王……?」


「違う。悪役だ」


「悪役で英雄連盟総帥を押さえつけるな!!」


 アリシアが叫んだ。



 ゼノスは立ち上がり、深々と頭を下げた。


「黒城レイ……

 貴様こそ、我ら英雄連盟が忠誠を誓うべき存在……!」


「誓うなよ!!」


 俺とアリシアが同時に叫んだ。


 だが英雄たちは震えながら言った。


「……悪役ロールでこの力……

 やはりあなたこそ、人類の頂点……!」


「いや、なんでそうなるんだよ!!」



 その時――

 連盟全域に警報が鳴り響いた。


 ――ゴォォォォォォン!!


「緊急事態!!」

「魔王軍が連盟に接近!!」

「黒城レイを奪還しに来た可能性あり!!」


「いや、奪還ってなんだよ!!」


 俺が叫ぶ。


 アリシアは魔力探知器を見て震えた。


「……これは……魔王軍の“幹部級”が複数……!

 しかも……魔王本人の魔力反応まで……!」


「またかよ!!」



 連盟の外が黒い霧に包まれた。


 その中心に、魔王が現れた。


「黒城レイ……貴様を迎えに来た」


「迎えに来るなよ!!」


 俺が叫ぶ。


 魔王はレイを見つめ、震える声で言った。


「黒城レイ……

 貴様こそ、我が後継者……!」


「違う!!」


 アリシアが叫ぶ。


「黒城レイは魔王じゃない!!

 ただの……ただの……」


 アリシアは言葉に詰まった。


「……ただの何?」


 俺が代わりに言った。


「ただの悪役ロールプレイヤーだよ!!」


 魔王は震えながら言った。


「……悪役ロールでこの力……

 やはりあなたこそ、魔王の器……!」


「いや、なんでそうなるんだよ!!」



 こうして――

**黒城レイは“英雄連盟総帥と魔王を跪かせた存在”として、

 世界中の英雄からも“頂点”として扱われることになった。**


 もちろん本人は、まったく理解していない。


 そして俺は――

またしてもツッコミ役として地獄を見るのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ