【第8話】やっぱり、休養してからの特訓だ
すぐにでも、魔法とテスト含めて特訓したかったが、エレーヌの回復をしばし待つことにした。
ワタルはすぐにでも大幅に機能強化されたシュナイダーとともに特訓を開始したいところだったが、3日間待った。それは1番にはエレーヌの体力回復を待つため。次に自分自身も疲れが溜まっていたことに気づいたから。
ワタル+AIシュナイダーで、既にLv.50並みの強者になったとはいえ、生身は、まだひ弱な17歳であることを実感した。
体力もパワーもまだまだ足りない。
そこで、気分転換も兼ねて、エレーヌと街の中のカフェ巡りをした。カフェみたいな場所というか・・・
「紅茶の種類は色々あるんだけどコーヒーが無いのがね」
「そうだな。ワタルはコーヒーそんなに好きだったのか?」
「学生時代、AIプログラミングや株の調査で深夜になることが多くて、眠気覚ましにコーヒー飲んでたから、好きというより一種の中毒症状(笑)」
「確かに私もワタルも何かあるごとに、コーヒー飲んでたな」
あたらめて街を歩いてみると、どこか中世ヨーロッパ風でありながら、街は清潔だ。清潔さでは日本並みかもしれない。人もだいたいは優しい。
街全体は、昔のローマ帝国がちょっとは近いのかもしれないと、ワタルは空想にふけりながら歩いた。元フランス人のエレーヌからするとモン・サン・ミシェルを思い出すらしいが、それはやや無理やりなこと。
3日間で、今まで行って無いところにかなり行くことができた。
「シュナイダー、3日間どうだった?」
「俺も楽しかったよ。魔法で集めた情報だけでは、面白く無いからさ」
「それは良かった。分析のためではなく、見たまんまを楽しむのも時にはいいよね?」
エレーヌが急にキリっとした顔で話してきた。良かった、すっかりリフレッシュできたみたいだ。
「ワタル、明日から戦闘訓練だな。ワタルの魔法の威力が高くなったから、ちょっと離れた広い場所でやらないとな」
「そんなところあるの?」
「あるある。7人パーティーを組んでた時に模擬戦やってた、岩と土だらけの場所があるんだ」
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翌日、激しい特訓だ。ワタルは、1つ1つの魔法の最大値を試すとともに、どの魔法とどの魔法を組み合わせるのが効果的かも使いながら感覚をつかむ。
中級火魔法のエクスプロージョンの爆発力とその音の大きさには、2人ともかなりビビった。
「エクスプロージョン、すげえな。私も初めてみたぞ。しかもうるさい」
「ただ1発でけっこう疲れるから、ここぞという場面でしか使えないな。俺の肉体強化も必要だ」
「そんな身体ではそうなるさ。まだまだ鍛え方が足らん!」
「17歳だから仕方ないさ。ところでエレーヌ何歳だっけ?」
「19歳さ。2個上のお姉さん。そういや前の世界と同じ年齢差だな」
ワタルは、今でも以前のごついエレーヌ姉さんと今の美人でスタイリッシュなエレーヌが同じ人物なんてと、混乱してしまう。
さて、暫く休んで、今度は剣の特訓で、2人が対決する。剣術では、やはりエレーヌが上だけど、以前と比較すれば2人とも各段に進歩している。
「ワタルももし魔法が使えないとかシュナイダーが寝てるとかの時、剣で防御するしかないから、これからも剣術頑張れよな」
「シュナイダー寝てる時あるのか?」
「あー1日の半分近くは寝るというより、’無’の状態だね。複数の魔法を使い続けると、俺だって疲れるのさ」
「疲れることがあったんだ。AIなのに?まあ前の世界も電力不足とか熱暴走でAIが止まることもあったのだから、仕方無いのかな。気をつけるよ」
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その日の夕方街に戻ると、なんか物々しい。普段より兵士が多いし、早々と店を閉めたところも半分ほど。ワタルが近くにいた人に尋ねる。
「すいません、なんかあったんですか?」
「遠くの方で爆発音がしたんだよ。もしかしてドラゴンでも近くにいるんじゃないかと皆気が気じゃないんだよ」
「そうなんですね。でもドラゴンってことはないんじゃないですかねーー」
もちろん犯人はワタルで、さっきのエクスプロージョンの爆発だ。
「ワタル、これって秘密にしといた方がいいか?」
「エレーヌ、そりゃそうだろ。バレると領主様に呼び出されて、牢獄行きかもしれないじゃん」
「そうか。また一つ貸しな!。なんか美味しいもの食べたいな」
「エレーヌ、だんだん昔の性格が出てるぞ(笑)。俺も爆発させて腹ペコだから、肉を食おう!」
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翌日からは、特訓半日、近くで魔物狩りで実践訓練を半日・・を続けた。もちろん、エクスプロージョンは封印してww。
この時点でワタルがLv.35でエレーヌはLv.29。やはり弱い魔物をちょこちょこと退治しても、レベルはあまり上がらなくなってる。
「よしワタル、明日から3日間の工程で、山に入ろう。3日目にキマイラと対決するとして、その前に私はLv.30に到達するんだ」
「よーし、行こう。今度こそあいつら、叩きのめす!」
さあ、また気合入れ直して、遠征だ!




