【第7話】命の危険から覚醒!
ワタルとエレーヌは、危機の中にいた。巨体のLv.50のキマイラ2体ととりまきの魔物達に四方八方から攻撃を受け、逃げながら、魔法と剣で抵抗する。魔物を削っても削ってもなかなか減ってくれない。
エレーヌがハイオーク3体を撃破した時、
「エレーヌ危ない!」
「うっ!」キマイラのラリアット攻撃にエレーヌが吹っ飛ぶ。
「エレーヌーーー!無事かあ!」
「致命傷ではないはずだよ」シュナイダーが分析する
しかし、エレーヌを仕留めにキマイラが向かっている。
ワタルは、剣で目の前の魔物と対峙しながら、エレーヌに向かうキマイラに、連続してファイヤーボールを撃つ。直後に土魔法のアース・ウォールで足止めする。
「ワタル、こっちにもキマイラが」
「くそーもういっちょアース・ウォール!」
キマイラを足止めして、他の魔物を剣と氷魔法の合わせ技で5体を連続で倒した。
「きつい、体力がもたない!でもエレーヌを助けないと」
’ピコン’ ’ピコン’ ’ピコン’
「レベルが30に上昇しました。斬撃を獲得しました」
「シュナイダーはどうだ!?」
「やったよ。魔法が5個まで同時に打てる。しかも個々の魔法の威力が3倍!」
「おっしゃー!やったあ!」
ついにワタルの中にいるAIシュナイダーが本格的に覚醒した!
AIと魔法が高いレベルで融合し始めた。
でも2人に危険が迫る。
「シュナイダー、キマイラに氷魔法の乱れ撃ち頼むぞ!」
アイス・ランスが4方向からキマイラに襲い掛かる。その直後、ワタルはエレーヌの救出に向かう。今度は、ファイアーボールとウォーターカッターの合わせ技をエレーヌに向かうキマイラと魔物達にめがけて撃った。
炎の煙に隠れて、ウォーターカッターが突然目の前に現れた魔物は、次々と削られて倒れていく。
これで2体のキマイラの足止めができた。
「ワタル、エレーヌを背負って飛べるよ!飛行魔法が使える」
「マジ?!よし今日はここまでで、逃げよう」
ワタルは急いでエレーヌを背負うと、上空だと狙われるから、森の中の低空を飛んでいく。キマイラも飛べるけど、巨体が邪魔をして、ワタル達に追いつけるわけがない。
5キロほど飛んで森を抜け、岩陰に降りた。
「ワタル、次はハイヒールでエレーヌを回復させよう」
「ハイヒールも使えるようになったか、ハイヒール!」
10秒足らずで、エレーヌはかなり回復した。
「エレーヌ、気分はどうだ?」
「ああ、大丈夫だ。しかし・・・空飛んだ上にハイヒール。お前一気にA級クラスの魔法使いになったな。ズルい、ズルすぎるぞー!」
「助かっててなんだそりゃ(笑)。いや俺も今鳥肌出てるよ。シュナイダーの進化が反則急だよ」
「魔法にAIを掛け合わせたら、あんなに凄いのか?」
「そうなんだ。魔法が5個までなら同時に繰り出せるから、俺よりレベルが上の魔物にも充分対抗できる」
あらためて確認するとワタルがLv.33でエレーヌはLv.28。
「抜かれちまったか。しかもワタルは実質Lv.50以上か」
「周囲の探査・分析も3キロまで広がったみたいだ」
「異世界でAIなんて、本当にズルい!(笑)。私にも何か特別なものがでてこいよ」
「そのうちなんかあるかもよ」
「それしにても、お腹空いた。ワタル悪いけど、街までおぶってくれ。飛んでるところ見られたくないだろ」
「うーーん、まあ今のエレーヌならあんまり重くないからな」
街までのけっこう長い道のりをエレーヌをおぶって歩いた。前の世界のエレーヌなら無理だったww。
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さて、その夜ワタルは、AIシュナイダーと今使える魔法を整理し、効果的な戦い方を議論した。その結果
「今日は急だったから、キマイラから逃げたけど、今度戦ったら互角以上にはできそうだ。よーし、訓練して討伐に向かうぞ」
「うん、今の俺たちなら、戦術をちゃんとしたら勝利確率80%まで上げられる」
「ところでさ、シュナイダー、君はなんでこの世界で生まれて、しかも俺の中に存在することになったんだろう?何か大きな意味があると思うんだよね」
「それ、あんまり考えないようにしてるんだ。でも確かに大きな意味がありそうだね」
「シュナイダーも分からないんだね。うーーん」
「ワタル、Lv.50に到達したら、エレーヌと旅に出ないか?色んな世界を見れば、俺が生まれた理由も分かるかもしれない」
「旅か!いいねえ。じゃあ差し当たってどこに行けばいい?」
「この国第三の都市が、ここから200キロほど離れたところにあるから、まずはそこかな?」
「都会かあ。前の世界に比べると、ずっと田舎だろうけど、それでも冒険してみたいな」
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翌日の朝
「エレーヌ、調子はどうだ?」
「まだダルいけど、だいぶマシだ。ワタルのおかげだ。本当にありがとう」
「あらら、ガラにもないことを」
「馬鹿野郎!こっちに来てからは、ちょっとは上品な女になってんだよ」
「見かけはね」
「このやろう、っで、これからどうする」
ワタルは昨日シュナイダーと話し合ったことをエレーヌに伝えた。
「大きな街に向けて旅にでるのか。明日からまた特訓と魔物狩りで、私も、もっともっとレベルを上げないとな」
「エレーヌ、大きな街に行けば、ひょっとして俺たちが好きなコーヒーがあるかも?」
「コーヒー!いやそうだ。急に恋しくなった。無かったら許さん」
果たしてコーヒーはあるのか?その前にレベル上げとキマイラへのリベンジだ。




