【第5話】ちょっとした仕返しと、まさかの再開!!
農夫から冒険者へ。ワタルは刺激を求めて再び街に出る。前回よりレベルアップしてるし、相棒のシュナイダーがいるから、ワクワクしながら向かう。
AIのシュナイダーと会話しながら街に向かう。お腹にパンチをくらって以来の街。
「やっぱり街は楽しいなあ」
「人も多いし、色んな食べ物があるから?」
「俺の住んでいた横浜に比べると全然田舎だし小さいけど、このコンパクトさがいいな」
「ふーん。この街でいいことあるといいね。いい出会いも」
とか言いながらこの街で唯一のギルドに着いた。
扉を開けると、20人以上の冒険者達。この前お腹を殴られた乱暴者に、いきなり遭遇。
「おっこの前のガキじゃないのか?子供の来る場所じゃねえぞ」
「冒険者登録しにきただけなんで、いいじゃないですか?」
「生意気な。お前に冒険者が務まるわけねえだろ!すぐに帰れや」
「じゃますんなって言ってんの、おっさん」
「なんだと、このガキが。この前より痛い目に合わせるしかねーな」
「ワタル、右フックが来る」
ワタルはこのガラの悪い冒険者の右フックをかわして、そのまま左ヒジを相手の胸に突き刺すように当てる。カウンターが決まり、すぐさま少し距離を取る。
「うっクソ。このガキ。調子に乗るなよ」
「次左ボディアッパー来るよ」
ワタルはそのアッパーを上から手首をつかむことで止めた。相手はワタルがまだ非力な少年と思っていたが、もうLv.15の中級冒険者の実力と実戦経験がある。相手は腕力で振り払うことができない。
ワタルが思いの他腕力があったことと、その前の素早いヒジ打ちカウンターに驚いた様子だ。
「う、動かん。お前、この前と別人みたいになってないか、だがな、こっちには仲間が4人もいるんだぜ。」
「やべ、1:5は攻撃魔法の無い俺では、厳しい」
「小僧、なにやってるんだ。俺たちパーティーを敵に回すんだな」
別の者も迫って来た。ワタルはおっさん冒険者の手を離して再度距離を取る。
「表にでろや!ボコボコにしてやるからよ」
「くそー。やっぱり2連敗は男としてありえねえ。シュナイダーフォローできるか?」
「ワタル、もう5人の特徴や弱点が分かったからフォローは任せろ。できるだけ1:1のシチュエーションに持ち込もう」
「分かった、外で勝負だ!」と強めの声を上げた。
とその時、
「やめなさい。またジャリルさんですか!いい加減にしてください」
女性のこの一言で争いは終わり、そのジャリルとか言うおっさんは、仲間達とギルドを出て行った。しかし、去り際に・・・
「小僧、恥をかかされたこと覚えておくぞ、クソ!」
ジャリルのパーティーの面々は、怒りながらギルドを出ていった。
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「大丈夫ですか?私このギルドの従業員のリリーと言います」
「どこにでも輩系っているもんなんですね?あー輩系は分からないか」
「やから?ところで今日初めてですか?」
「冒険者登録に来ましたので、手続きお願いします」
「えっ、まだ若いですよね、レベルと能力を調べますね」
水晶玉のようなものに、手をかざす。
「えーー。Lv.15?その幼い顔で!能力は剣士で、魔法は身体強化と治癒と。なかなか凄いですね。」
AI×魔法の能力は分からないらしい。これはラッキーだ。シュナイダーが頭の中でつぶやく
「俺のことはよほどの人物でないと分かんないのさ。バレると色々とやっかいだしね」
「リリーさん、それとね。この魔石を買い取ってもらうことできますか?僕が1年で集めたものなんですが」
と机の上にバラバラと並べる。とこれも異世界あるあるの反応だ。
「えーーー。こんなに。本当に1人で?1年かかったとしても凄すぎる」
暫く待って、リリーがお金を用意した。
「金貨30枚になります」と小声で。
「これで部屋借りて防具も買えますよね?」
「ええ、贅沢しなければ余裕ですよ」
良かった良かった。
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「ちょっとーリリー!まだかかるの?」
後ろから女性の声がする。振り返ってみると、シュッとした美人の剣士が立っていた。
「すみません、もう少しだけ待って」
「子供が来るところじゃないぞ。早くどっかへ行けよ?」
「ガラ悪!へんなおっさん達に絡まれたかと思ったら、こんどはスケバン姉ちゃんか」
「何!意味は分からないが、とんでも無い悪口を言われたのは分かったぞ、お前表に出るか?」
美人のお姉さんは、眼光鋭く言い放った。
「またか、勘弁してくれよ」
「はい、おしまい。後3分お待ち!」
またリリーが助けてくれた。その後そのスケバン女子とカウンターを入れ変わった。
「リリー、私また1人になったんだ」
「またあ、もう。どうせスタンドプレーし過ぎたんでしょ?」
「へへ。もう1人の方がいいかなあ」
「じゃあさ、そこのお兄さんとのコンビでどう。彼こう見えてLv.15なんだよ」
「なにー。私ですら3年かかってLv.18なのに!」
「でも、ワタル君、この子わがままで、興奮すると見境つかなくなるので、やめといた方がいいかも?」
「あんた、ワタルって言うのか?珍しい名前だけど、どこの国から来たんだ?そう言えば5年前まで知り合いにワタルってヤツがいた」
「お姉さんの名前は?」
「エレーヌだ」
「俺も2年前までエレーヌという知り合いがいたけど・・・」
「ちょっと待て・・・リリー会議室借りるぞ!」
女剣士に腕を掴まれ、個室に連れ込まれた。
「ワタル、お前地球というところから転生してないか?」
「なんで分かった?もしかして、君はあのエレーヌ?フランス人の?ガタイのいい女兵士?アフリカで一緒のチームだった?」
「質問多いな。そうだ・・・そうだ・・・お前は、元ITエンジニアで、あの大事件の後、むしゃくしゃして戦闘員になった、普通の日本人ワタルか?」
「そうだ、普通の割には、戦闘力が高かった日本人のワタルだ。ビックリと感激で、頭が追いつかないよ」
2人は思わずギュウッとハグをした。なんせ、前世で同時に死んだ仲だ。
「まさか本当にワタルに会えるなんて。しかも同じ街で、同じ時間にギルドに居るなんて。ものすごい確率だな」
「ああ、本当に凄いことが起こった。まさか戦友に会えるとは」
2人は暫く、前の世界の思い出話を続けた。
「ところで、エレーヌはいつ頃こっちへ?」
「5年ほど前だ。この街に飛ばされ、当てもないから、暫くはレストラのウェイトレスで食いつないだよ」
「ウェイトレス?以前のエレーヌなら想像つかん。そこから冒険者になったの?」
「確かに昔のゴツイ私では、ウェイトレスとしては雇ってもらえない・・・おい!若い頃ウェイトレスやってたぞ!」
「まあ、お金をためてようやく防具が買えて、冒険者になり3年。実力はまだまだ中級程度だが、やっとここまできた。能力は剣士と料理人。魔法は、身体強化と氷魔法だ」
不思議なことに、ワタルはエレーヌの3年以上後に、転生していた。ワタルもこれまでのことを説明したが、一旦シュナイダーのことは隠した。
「しっかし、お互い美男美女で良かったな」って、笑いあった。
その後、エレーヌから「2人でパーティー組まないか?。剣士同士だと厳しいかもだけど、ワタルの治癒魔法リカバリーがあるとお互いに役立つ。後2人で特訓ができる」
「そうだね。俺ならエレーヌのワガママも独断専行も分かってるから、ある程度は我慢できる」
「うるさい!これでも苦労してちょっとは丸くなったんだ」
「それにしてはパーティー追い出されたんだよね。しかも何回も?」
「うるさい、うるさい、パーティー組むのか組まないのか!!」
「分かった分かった。組まさせていただきますよ。じゃあコンビになるんだから、秘密を教えておかないとな」
AI×魔法の特殊能力があることをエレーヌに伝えた。
「AIってあのAIか?それはこっちで聞いたことない」
「俺の中にいて、名前がシュナイダーって言うんだ。シュナイダー時々休むけど、1日の大半相談できるんだ。あまりにレアなので、念のため2人の秘密にしておいてくれ」
「分かった。しかし、凄いな。しかもこの先も進化するなんて。待てよ、私達AIに殺されたんだよな。私もシュナイダーとやらと会話できないのか?」
「無理無理。この先は分からないけどね」
シュナイダーがワタルに返事した。
ワタルが首を振ると
「なんだよ。前世の恨みで一発ぶん殴ろうかと思ったけど、しかたない」
「それは、相当な逆恨みだよ。ハハ」
「でもワタルは2人分の能力があるということか。それはけっこう有利なのかもな」
「まさか、前世の仲間に会えて、コンビで冒険者をできるなんて!シュナイダーと言い、エレーヌと言い、異世界も捨てたもんじゃない」
ワタルは、モチベーションが一気に高まるのが分かった。
シュナイダーも喜んだ。
「ワタル、おめでとう!こんな偶然があるんだね。これで3人で力を合わせて最強が目指せるね。俺もワクワクするよ」
まさか、前世で仲の良かった戦友エレーヌと出会い、パーティーを組むことになった。これから、冒険者として、2人の冒険が始まる。どんな未来が待っているのかねーーー(^_-)-☆




