【第25話】いざ、王都へ!しかしまたしてもあいつが!
※仕事と色んな諸用が重なり、更新が遅くなりました!
王都へ旅立つことが決まったワタルとエレーヌ。
短期間だったが、お世話になった人達に見送られる。特にギルド長のギャバニーは、なんだか寂しそう。
「お前ら、もっといてもいいんだぞ」
「はい、でも王都へ行って国全体のことを知って、また戻ってきますので」
エリドール侯爵からは
「魔族の脅威をしっかり学んで、さらに強くなって、国を守って欲しい」
「はい、一番大事なことですね」
「エレーヌ、しっかり支えてやってくれ」
「分かった。私がしっかり支えてもらうから」
「ハハハ、いいコンビだ」
「では行ってまいります」
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街を出ると、少しだけシュナイダーが実体化して、3人で歩いた。
「いやー、少しだけど、3人で並んで歩くのいいなあ」
ワタルは感動していた。もちろんシュナイダーも、当然エレーヌも。
「シュナイダーが1日3時間ほど実体化できるようになれば、色んなことを一緒にできるね」
「そうだね、俺もそうしたいよ」
「私は子供とおっさんの2人の面倒を見るのか?」
「おっさんじゃないってば!」
「もう子供じゃねえぞ!」
その後、ワタルとエレーヌは飛行魔法で飛びながら移動した。時々ワタルがエレーヌをおぶって・・・。
「ワタル、ちょっといいか。10キロほど西に事件が発生している」
「何?、シュナイダー」
「今偶然発見したんだが、子供が誘拐されようとしてるみたいなんだ。あと、馬車が3台あるから、既に誘拐された子供が乗せられているかも」
「よし、向かおう。横道それるけど仕方ない。子供が大事だからね」
「私が全員ぶっ潰す!」
ワタルはエレーヌをおぶって、全速力で現地へ飛んだ。
現地では、旅行者一行の護衛冒険者とならず者達で戦っていた。冒険者3人に対し、ならず者は5人。8人ともに、けっこうな実力者のようだ。
しかし、ならず者5人の後ろに控える、男がもう1人いた。
ワタルが叫ぶ。
「お前は!ジャリル!こんなとこで何やってんだーー」
そうあの、ワタルの始まりの街フューロで3度出会った、ならず者冒険者のジャリルだ。最後はエレーヌに棒で腕を折られ、半泣きで立ち去った、あのジャリル。
しかし、ジャリルは一瞬驚いただけで、妙に落ち着いている。
「おお、小僧。久しぶりだな」
「誘拐なんてすぐにやめろ!」
「うるせえ。俺はもうあの時とは違うんだ!」
ジャリルの目が赤く光った。と同時にジャリルの仲間の目も赤く光った。
「おっさん、貴様ひょっとして、魔族に魂売ったのか!」
「おーよく分かったな。俺はな、いまやLv.50を遥かに超える実力者になっちまったのよ。お前を今から殺してやるよ」
「魔族の指示で子供を誘拐してるのか!?」
「魔族の国に渡せば、たっぷりと報酬があるしな、げへへ」
「あの時、一生牢屋にぶち込むべきだった」
「今の俺の強さにびびるなよ」
ワタルは、まず無数のアイスランスで先制攻撃。しかし、ジャリルには全く効かない。
「おっと、ホントに強くなってる」
「エレーヌ、1人で冒険者の援護してくれ!やばいと思ったら呼んでくれ」
「おっしゃ、お前こそ、気を付けろ!アイツ、以前の何倍も強いぞ」
ワタルとジャリルは、2人とも上空に上がった。まずジャリルが鋭いトゲが沢山付いているムチを繰り出した。しかも3本同時で尚且つ伸縮もできる。なかなかやっかいだ。
シールドを張っても2,3発で壊れてしまう。
「ジャリルの野郎、馬車の上空をキープしてる。誘拐した子供達を人質にしてるみたいだ」
距離を取ろうとすると
「いいのか?俺から離れると、子供を狙うぞ。後、もう一つの馬車には、王家の親戚のお嬢さんが乗ってるぞ、ひゃっひゃ」
「下品な笑い方しやがって」
「これはどうだ」
次は、小さな刃物が無数に飛んで来る。風魔法とも違う、実体がある小さな物だ。シールドを突き破るものがある。
「あっ」
いくつかワタルの身体にヒットした。鮮血が飛び散る。
「ひゃ~っひゃっひゃ。どうだ俺の方が強いだろう」
「人質がいて、やっかいだし、相性も悪いな」
「ワタル、そろそろ本気だそう!」
「シュナイダー、実体化何分できる?」
「15分はOK。俺が下から攻撃する。2人でぶち食らわそうぜ」
シュナイダーが実体化し、素早くジャリルの下側に回り込む。
「お前どこから出て来た!?」
まず、小さくて速いファイアーボールをシュナイダーが連発する。前からはワタルが斬撃を繰り出す。
「お前ら2人がかりで汚ねえぞ!」
「汚い?どの口が言ってるんだ?」
たまらず、ジャリルは、移動する。
「今だ」
ジャリルの頭上に雷を落とす。
衝撃で、地上に落ちたジャリル。その頭にワタルとシュナイダーの膝が炸裂した。
「げえ」
その後ワタルの怒りの拳の嵐、嵐、嵐・・・・顔は大きく腫れ、身体は立てないレベル。
「ワタル、もういいだろう。今度こそ当分歩くことすらできそうにない。魔族の特殊な魔法を解くよ」
魔族の魔法の効力が消えると、ジャリルは弱々しい、しかもケガだらけのおじさんになった。ワタルは容赦なくグルグル巻きに縛り上げる。
その頃、エレーヌが加わった冒険者達も悪党を完全に打ち負かしていた。そいつらもワタルがグルグル巻き。
「エレーヌ、無事か」
「ああ、ワタル、血まみれじゃないか!やられたのか?大丈夫か?」
「血は飛び散ったがたいしたことない。これからヒールで治すよ」
シュナイダーが冷静に話す。
「ワタルは、受けに回って、ケガしたのさ」
「受け?」
「魔族に操られると、ジャリルがどれだけ強くなったか、どんな攻撃ができるのかを確かめたのさ。その欲求が勝ってしまって、ケガをした」
ワタルが、ちょっとしょんぼりと答える。
「シュナイダー、そんな冷静に・・・まあそうだけど」
「馬鹿野郎、それで大怪我したら、治らなかったかもしれないんだぞ」
エレーヌが興奮してワタルを説教した。
「ごめん、次から気を付けるよ」
「エレーヌ、俺からもゴメン。俺もちょっとだけ同罪だ」
「シュナイダーいいかげんに・・まあ2人とも無事で何よりだ」
エレーヌの優しさが垣間見えた。
馬車の扉を開けると、怯えた子供たちが身を寄せ合っていた。幸い、全員無事だった。
しかし今回、シュナイダーが実体化してワタルと連携して戦ったら、強くなったジャリルをあっという間に制圧できた。
今後激しくなりそうな魔族との戦いに向けて、ワタルもシュナイダーも確かな手応えを感じていた。
因縁の相手ジャリルとの4度目の戦いで、ついに捕らえた。




