【第24話】魔族の影が・・・
ドラゴンの肉をメインとして焼肉パーティーが始まった。
アイテムボックスを持っているワタルとドルチが、料理器具、野菜、酒を出して、大いに盛り上がる。
シュナイダーのドラゴン解体分析とエレーヌの解体能力も活躍した。
冒険者の4人から声をかけられた。
「ワタル、俺らの命を救ってくれてありがとう」
「いや、たまたま俺がドラゴンの攻撃をかわすことが出来て良かったです。8人が倒れた時は焦りましたけどね」
「俺ら、最後のワタル達の攻撃見てないんだ。それが残念だよ。しっかし、18歳でその強さと判断力。一体どんな幼少期をすごしてきたんだ」
「実は俺16歳までの記憶が無いんです。きっと過酷なことの連続だったんでしょう」
「記憶が無くなるほどの辛い生活してたのか!そのおかげで、俺たちはまだ生きてるって不思議な運命だ」
その後は、楽しい会話が多かったが、途中ギャバニーが気になる発言。
「ドラゴンの目つきがな、なんかおかしかったんだよな。操られているというか」
レイルも
「そうなんですよ。私も感じました」
「街に戻ったら領主と相談だな。まあ今日は忘れて飲もうぜ」
皆一様に体力を消耗しているから、2時間もたたないうちにその場で眠りについた。
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翌日は、一通り後片付けをして、帰路についた。
ワタルは、飛行魔法を会得したエレーヌと2人で並んで飛んだり、エレーヌが疲れた時は、背負って飛んだり。
「自分で飛べるのは、いいなあ。暫くは助手を頼むぜ」
「助手じゃなくて、補助だろ!俺は助ける側!」
「まあいいじゃないか(笑)」
こんな感じで、5時間かけて街に着いた。
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翌日、今回の10人が領主のところへ集合した。
「財政も潤っているわけではないので、これで許してくれ」
と言いながら、皆に金貨10枚が配られた。
「今回もワタルが大活躍だったみたいだな。特に皆の命を救ってくれたこと、私からも御礼を言わせてもらう」
「ありがとうございます。確かに俺がドラゴンの攻撃食らって倒れていたら全滅の可能性もあったわけなので、ラッキーでした」
「疲れているところ悪いが、ギャバニー、ドルチ、マンシー、そしてワタルとエレーヌは残ってくれ。話し合いたいことがある」
エリドール侯爵と騎士団レイルと冒険者5人の合計7人が会議室に集まった。
ギャバニーが「例の話だな」
エリドール侯爵が真面目な顔で話し始めた。
「この国というかこの大陸の歴史についてだが、大陸は、南側のこの国『アルディナ王国』と北の魔族国『ヴァルガルド魔王国』が存在している」
エレーヌ「そうだったのか!ワタル知ってたか?」
「ああ、本にそう書いてあった。でも詳しくはどの本にも書いて無かったので、不思議に思っていた」
そして、エリドール侯爵は、おもむろに地図を広げた。
「この大陸の地図だ」
ワタルとエレーヌ以外は見たことがある様子だ。
「さて、我が国アルディナと魔族の国ヴァルガルドは、120年ほど前に大きな戦争をしている」
「ええ。そうなんですか?何故本にはそれ書いてないのですか?」
「うん、今から説明する。人間の魔族は、その前からいざこざがあったが、ついに120年ほど前に、正面衝突した。魔族が3箇所から攻め込んできた。25万と20万。それと沢山の魔物を操って引き連れてきた」
「こちらは、総勢50万人で対抗した。でも平均的な武力では魔族が上だし、魔物もやっかいだった。だから初日、2日と押し込まれて、甚大な被害が出た」
「その後、戦術で上回るこちらが盛り返したんだが、それは数十キロ引き込んで、補給路を断つ攻撃を加えたんだ。空を飛べる奴も多いから完全には止められないが、半分以上を止めたんだ。
それで、徐々に当初の勢いが無くなってきた。腹を空かした奴が増えていったんだろう」
ギャバニーが口を挟む
「敵陣で戦う場合、食料の確保が何より大事になるからな」
「その後一進一退の戦いが続き、停戦の協議が行われた」
「そもそも魔族が攻めてきた大きな理由は、食料の確保だったんだ。なんせ魔族の国は土地が痩せてるようだから。そこで、武力で劣るこちらは、毎年一定数の食料を渡すことで、合意した」
エレーヌが
「人間に不利な条件では?」
「いや、こちらに攻め入らない条件を飲ませたので、メリットが大きかったんだ。それに肥沃な土地を抱えるアルディナの国土を渡すことなく停戦できたので、良しとしたようだ」
ギャバニーが
「俺は一度魔族の国に入ったことがあるんだが、寒いし岩肌が多いしで、絶対住みたくないと思ったもんな」
侯爵が話を続けた。
「アルディナは、一般人入れて死者約8万人。負傷者は15万人以上も出た。魔族もそれなりの大きな被害が出た」
「それともう一つの停戦条件の中に、戦争の記録は極力残さないこと。つまり王宮の中にしか、戦争の関する書物が無い状態にすること。これは魔族が知らずにアルディナに入って殺されるのを防ぐためというか、恨みつらみを引き継いでいかないため」
「それでパランツには、はっきりと書かれた本が無かったのか」
「その通り」
「しかしだ。最近魔族の武力によらない侵略行為が行われているようなんだ。人間になりすまして悪さを働く者、人間を魔法で操って悪さをする者。今回のドラゴンも魔族が操っていたのだとすれば、つじつまが合う」
エレーヌが
「その場で食べちゃダメだったかも!」
「いや、死んでしまったらどうせ分からないし、街まで運ぶこともできないから別に構わないさ」
「そこでだ。ワタルとエレーヌ、お前たちは、レベルが75と50になり、既に国内でも選りすぐりの実力者になってきた。伸びしろもまだまだある。すぐにとは言わないが、王都へ行ってもっと学んで国のために役立って欲しいのだが」
「王都に!ついにか。はい、行ってみたいです」
「そうか。第三王子がパランツには何度も来てるから、手紙を送っておこう。いいようにしてくれるだろう」
「分かりました。ワタル1人でもいいんだが、カップルが離れ離れは寂しいだろ?」
「カップルではないです。戦友というか・・・」
「こんな年下小僧は、私のしもべということで(笑)」
魔族の侵入という、きな臭い話が出出来た。じょれまでには無い戦いの予感!




