【第26話】ついに、王都到着
魔族に強化されたジャリル達冒険者を捕獲したワタルとエレーヌ、それとお嬢様護衛の冒険者達。
そのお嬢様と面会した。
「私、エバンス家次女のシェリルと言います。この度は命を救っていただき、また誘拐されていた子供達も救っていただき、本当にありがとうございました」
「エバンス家?」
「シェリル様は、国王陛下の第三王子、バーンズ殿下のご令嬢です」とお付きの女性が答える。
「第三王子って、あっエリドール侯爵が手紙を送るって言ってた」
エレーヌがシェリルに説明した。
「まあ、お父様に面会される予定だったと。なんという偶然!騎士団が到着したら一緒に参りましょう。飛信鳥を飛ばしていますので、明日にはこちらに到着するはずです」
「本当にすごい偶然だな。でも王都まで魔物狩りを何回かして、レベル上げしたいと思っていたところなんだ」
「そうですか。あの、申し訳ないのですが、騎士団が到着するまで護衛もかねてここにいてもらうことはできませんか?御礼は充分させていただきます。」
ここでワタルが話す。
「もちろんです。もっとやっかいな者が現われる可能性もありますしね」
翌日、騎士団が二組に分かれて到着した。まずは現場と王都の中間地点にある駐屯地から3人が馬車で到着。次に王都の騎士団から3人が疾風馬に乗って到着した。
駐屯地から来た騎士団3人は、誘拐されていた子供達の対応、王都の騎士団3人は、シェリルの護衛と捕らえたジャリル達の移送を冒険者達と行うことに。
王都からの騎士団は、王家直属で、いかにも優秀で強そうなメンバーだ。
「シェリル様を助けていただき、ありがとうございました」
「この野盗のリーダーはジャリルという奴で、フューロの街で因縁があります。偶然俺たちの広域探知で発見して、ここに駆け付けることができました」
ジャリルが魔族によって、強化されていたことなどを説明した。
「それにしては若いな。なのに、相当強いとは驚きだ」
「ワタル様この者はバーリーで騎士団No2、Lv.100を超えております」
シェリルがちょっと得意げだったので、エレーヌがイラっとした。
「このワタルはLv.75だが、実質100超えだぞ」
バーリーが疑問を呈する。
「実質ってどういうことなんだ?」
「エレーヌ、余計なことを・・・いえなんでもないです。失礼いたしました」
「しかし、この若さでは75でも相当なもんだ。前代未聞かもしれない。まあ王都で待ってるぞ」
ワタルとエレーヌは、一旦ここで皆と別れた。
「お嬢さんが、ちょっと自慢気だったのでな」
「シュナイダーの存在は、よほどでないと言えないからね。へんな魔法でシュナイダーを奪われたら、おれは相当弱くなっちまう」
シュナイダーが笑いながら答える。
「ハハ、ワタル、俺が魔法でどっかに行ってしまうことは無いと思うよ」
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そしてその8日後、2人は王都のすぐそばのところにたどり着いた。
「おー!でかい!」
「王都だからな。美味しいもの、沢山あるかなあ。あるだろうな」
「冒険者ギルドで手続きして、この前のお嬢さんところへ向かおう」
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検問所にて
「パランツで冒険者やってました。これがその登録書です」
「2人ともA!本当か?」
「これは偽装するの難しいぞ、信用できないのか?」
「悪いが見た目が子供っぽくてな」
「じゃあ、第三王子のご令嬢が誘拐されそうになった事件知ってる?」
「何故それを!」
「私達が助けた本人だからだよ。分かった?お嬢様と暴漢6人が数日前にここ通ったはずだ」
「情報が合ってる・・・本当のようだな。通ってくれ、失礼した」
「ミリガン冒険者ギルドはどこですか?」
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ということで冒険者ギルドに到着。ここはシェリルを護衛していた冒険者達が登録しているところだったので、ワタル達も選んだ。
ここでもお約束の光景が繰り返される。
エレーヌが手をかざす。
「えっLv.60!!」
次にワタル
「ひい!Lv.78!!!」
ギルド内がざわつく。やはり見た目と実力のギャップが激し過ぎるのだ。
しかもこの数日間で、エレーヌは10もレベルアップを成し遂げていた。これはワタルとシュナイダーが、エレーヌにいいところを持っていってもらうよう協力したからだ。
上空を飛びながら、シュナイダーの能力で、強そうな魔物を探し、退治することを続けた。
エレーヌは、光の剣が7mまでを自在に操れ、斬撃の威力が以前の倍になっていた。氷魔法では、5m四方の氷河を上空に出現させて落とす「グレイシア・ドロップ」という氷魔法も取得していた。
エレーヌのレベル上げは、ワタルとシュナイダーにも大きなメリットがあるのだ。もうエレーヌに大怪我をさせたくないし。
対してワタルは、エレーヌが今まで持っていた3mの光の剣をようやく取得していた。
「エレーヌさんが、Aランク、ワタルさんが暫定Sランクで登録させていただきます。今後の実績次第で暫定が取れますよ」
「ワタル暫定だってさ。ハハハ。でも仕方ないよな。こんな幼い少年をいきなりSランクにするのは、王都ギルドの権威がなあ」
「顔が良くなって損することあるんだな(笑)。仕方ないな」
「ワタル!顔に出さずに聞いて」
シュナイダーのいつになく緊迫した声が頭の中で響く。
「どうした?シュナイダー」
「さっき、一瞬微妙だけど魔族の魔力を感じた。ジャリルに感じたものだ」
「今は感じないのか?」
「そうそう。このギルド内の誰かだろう。ワタルが暫定Sランクと聞いて、一瞬魔力を解放してしまったのだろう。断定はできないけどね」
「分からないように人間に化けた魔族が紛れ込んでいる可能性があるんだな。そうだとするとやっかいだな。エレーヌには後で伝える」
エレーヌが不思議がって話しかけてきた。
「ワタル、どうしたんだ」
「ごめん、後で話すよ」
ワタルはシュナイダーに声に出さずに告げた。
「この侵入は、隅々まで及んでいる可能性がある、気合入れ直してやっていかないとな」
王都には、既に魔族が侵入し、溶け込んでいる様子だ。




