【第22話】ドラゴンとの激闘始まる
翌日、討伐隊は、ドラゴンのいる山の中腹に登って行った。案内は、調査隊にも入っていたベテラン冒険者のアリル。
「そろそろ近づいてきましたよ」
「あの、じゃあその前に、皆さんに毒耐性強化魔法と、炎耐性強化魔法をかけますね。1時間程度しかもたないですけど」
「お前、そんな魔法まで」
「ええ、この前本に術式書いてて、覚えました」
「おいおい、少年、オールラウンドプレーヤーじゃねえか!その歳で・・・参ったな。まあ頼りにしてるさ」
ワタルが魔法をかけ終え、暫く歩く。
アリルが
「ここからは、できるだけ音を立てないで」
「いた、あそこだ」
ワタルが想像した通り、でかい。こげ茶色のドラゴンは、もの凄い迫力だ。目を閉じている。
先頭に、強力な盾を構えたギルド長のギャバニーとB級冒険者ブラントが立ち、少しずつ近寄る。
30m当たりに接近したところで、リーダーのレイルが
「ここらでいいだろう」
2本の剣を抜き、それをぶつけて‘カン、カン’音を鳴らす。
「おい、ドラゴン、俺たちと勝負だ!」
ドラゴンはぴくっと動いた後、目を開けた。
かなり異様な目つきだ。
ギャバニーが
「なんかヤバイぞ、こいつの目つきは」
と、言った瞬間、ドラゴンの口から、紫色っぽい煙が噴き出した。
至近距離からの猛毒が、しかも突風のように討伐隊を襲った。
「ゲホ、ゲホ」とむせながら全員倒れた。
「エリアヒール!」
すかさず、ワタルの治癒魔法で、治療を施す。これも一瞬の出来事だ。
「皆さん、すぐに後方に下がって」
どうにか皆岩陰まで下がった。
「ワタル、助かった。毒耐性強化魔法をかけてなかったら、何人か即死したかもしれない。しかもエリアヒールで全員同時に回復させるとは!」
ギャバニーが
「リーダー、もうワタルに驚いてる場合じゃないぞ。毒のブレスが間髪入れずにきた。相当に危険な相手だ」
「炎のブレスが来るぞ」
「私に任せて」
魔法使いのドルチが広くて強力なシールドを張る。
炎のブレスは5秒ほどの間を置いて、岩陰の討伐隊に向けて放たれた。なんとかシールドが防いだ。
「炎の勢いが強い、後1発しかもたないわ」
「よし!」
ワタルがエレーヌを抱えて、上空に飛び出す。
「エレーヌ、こいつの力を確認しよう。上から2人の氷魔法だ」
上空から無数のアイスランスが、ドラゴンに降りかかる。
ドラゴンは痛がるものの、突き刺さってはいない。
「エレーヌ瞬間移動からの光の剣だ。その直後に俺が抱えてみんなのところに戻る」
「よし!放してくれ」
作戦通りに、エレーヌが瞬間移動でドラゴンの頭上に現れて、光の剣を一閃。しかし、若干傷ついただけで、深くは入っていない。
その後ワタルは、上空のエレーヌを回収して、皆のところに戻って来た。ワタルはここまでの移動中に、飛行速度は自分が最も速いと分かっていた。
「ワタル、いきなり何を・・・」
「ちょっと強さを知りたくて、皆さんどう思いました」
レイルが答える。
「ああ、そうだな。このドラゴンは、かなり強い部類だ。鱗や肌の防御力は相当なものだ。ワタルに感謝だ」
ワタルとエレーヌの攻撃により、ドラゴンの防御が優れていることを把握できたのだ。
「みんな、ここから作戦通り、2人ずつで四方を囲んで、魔法攻撃だ。爪や尻尾が届く位置に近づかないように」
レベル300クラスの狂暴なドラゴンへの総力戦に移る。
それぞれのチームが高さを変えて、魔法で攻撃をする。
ギャバニーの火炎魔法とマンシーの風魔法は、特に威力が凄まじい。
「効いてるぞ」
しかし、その時ドラゴンは上空に飛び立つ。その上、再生能力で、傷が治っていく。
「クソ、再生能力もなかなかのものだな」
ワタルが「レイルさん、鉄の矢を放てますか?」
「おー、見ていろ?」
3本の鉄の矢が上空に現れ、勢いよくドラゴンへ向かう。今度は浅くではあるが、背中に刺さった。
ここでワタル、いやシュナイダーの雷魔法炸裂!鉄を通じてドラゴンの体内まで雷が届いた。
ドラゴンはたまらず、地上に落ちて苦しむ。
「今だ、総攻撃だ」
勢いに乗った討伐隊は、魔法の一斉射撃の後、ギャバニー、レイル、エレーヌの3人が、剣で仕留めに行く。
しかし、ドラゴンは、毒を吐きながら爪を振りかざす。避けたところを、ドラゴンは、器用にクルっと回って、尻尾の攻撃。そう、テイル・アタック。
ギャバニー、レイル、エレーヌは吹き飛ぶ。さらにドラゴンは、折り返しのテイル・アタックで、他の者を襲う。
ワタルは、寸前にかわしたが、ちょっと離れた位置にいたドルチを除き、8人が餌食になってしまった。
「エレーヌ!!」
エレーヌ含めてテイル・アタックで吹き飛ばされた!




