【第21話】ドラゴン討伐隊、結成
1日10分だけど、実体化が可能になった、ワタルの中に存在するAIシュナイダー。ここから今までより、迫力が増すストーリーが展開します。
シュナイダー実体化の超サプライズがあって、特にワタルは今までになく、高揚感があった。
「異世界に飛ばされて良かったーー」って。
翌朝のこと。
「青年シュナイダー、あらためてよろしくね。この先俺から離れてどっかに行かないでね」
「こちらこそよろしくね。俺はどこにも行かない、というか行けないよ(笑)」
ゆっくりとカフェで朝食を取り、ギルドへ。6日間の魔石を出して見ると、またしてもギルド内は騒ぎに。
受付のエルシーが驚きながらも「もう驚きません」
金貨40枚と交換したところで、受付のエルシーが
「ギルド長が待っていますので、部屋まで行ってください。お二人が来るのを毎日待っていたんですよ」
「ギャバニーさんが?なんだろう」
ギャバニーの部屋に入った。
「おお、待ってたぞ。頼みがあったんだ」
「はい、どういったご用件でしょうか?」
「実はな、ここから50キロほど離れた山の山頂付近に、ドラゴンが棲みついていることが分かったんだ。ドラゴンは見境なく街や村を襲うことは無いが、稀に襲うことがある。この街も100年以上前に被害にあってる」
「ええ、本で読みました」
「この前調査隊を派遣したのだが、村の家畜が食われたり、魔物を襲ったりしてることが分かった。つまりけっこう狂暴で、このまま放置すると、街に襲来して甚大な被害が出る可能性がありそうなんだ」
「それはかなり心配ですね」
「そこでだ。討伐隊を編成しようと領主が言い出してな。ワタルとエレーヌも入って欲しいというわけだ」
「なるほど、そういうことなら」
「とはいえドラゴンのレベルは200以上と推定される。300近いかもしれん。レベル50以上を中心に10人程度のチームを作らないといけないんだ」
「他にはどういったメンバーがいるのですか?」
「うん、Sランク冒険者のマンシーがもうすぐ王都から戻ってくる。それとリーダーは騎士団のこの街トップのレイルが務める。それと魔法使いのドルチ。ドルチはベテランの女性だ」
「Aランク冒険者は他にはいます?」
「お前たち以外に、今4人。他にBランクを集めてなんとか勝てるだけの組織になると考えてる」
「それ、ちょっと戦力的にギリギリかもですね」
「そこでだ。元Sランク冒険者の俺も参加しようかなと」
「今はCランクレベルに落ちてるってことないだろうな」
「エレーヌ、失礼な!Aダッシュの力があるはずだ」
「ダッシュって(笑)」
「ガハハ、まあ俺入れて10人だ」
「ドラゴンの強さは実際どんなもんなんだろう?」
「ワタル、なんで楽しそうな顔した?」
「こいつ、いつもそうなんです。自分より強い敵と戦うとなると、ワクワクするみたいで」
「まあ、ちびるよりはマシだ。ただ10人いても、個の力で圧倒的な差があるから、うまくやらないと全員殺される可能性もあるからな」
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2日後、Sランク冒険者のマンシーが街へ帰ってきたタイミングで、ドラゴン討伐隊が領主のエリドール侯爵の邸宅に集合した。
エリドール侯爵の訓示の後、騎士団レイル、マンシー、ギャバニーが中心となり、10人の得意技と弱点、戦い方等の会議が行われた。
レイルから
「防具を充実させよう。ドラゴンの攻撃力が分からないが、炎や毒を一気に吐き出すブレスが想像を超えて強力かもしれない。それと、翼による突風にも備えたい」
今回エレーヌとワタルは経験が最も浅い2人であり、マンシーと一緒に防具を探しに行くことになった。
「ワタル君、まだ18歳なのに相当強いみたいだな」
「いやまあ、それほどでも、マンシーさんのレベルはいくつなんですか?」
「78だ。一番得意なのは風魔法なんだが、今回の相手に効くかどうかは分からないな。ドラゴンのブレスを押し返せるといいんだがな」
「それは心強いです。逃げ場が無い場所でのブレスは最も脅威ですので。俺の魔法は特別なものはなく、まんべんなくなので、接近戦はやばいかもです」
エレーヌが会話に入る。
「私は長さ3mの光の剣が使えるけど、ドラゴン相手に効果あるかな?」
「光の剣か、確かギャバニーさんも使えるな。素早く打てるなら、接近戦で役立つな。ドラゴンはブレスを撃つ前に、間があるはずなので、その前に叩き込めればな」
「そうか速さか。練習必要だな」
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翌日、10人は徒歩で出発した。途中広い場所があれば、皆で攻撃を見せ合った。
そこでトラブルが発生する。
マンシーが風魔法を見せ、その流れ弾が別の冒険者へ向かい危険な瞬間・・・ワタルが即座に土壁で止めた。
「ワタル、助かったぞ。一瞬の判断で土魔法でメンバーを守れるとは!お前実戦経験も相当なものだな」
「いやー、たまたまです」
本当は、ワタルはシュナイダーと2人分の力があるのだが、それは内緒にしておく。
森にさしかかると、飛行魔法を使える者が使えない者を抱えて飛び、3日目にドラゴンのいる山のふもとに到着して野営をする。
リーダーのレイルが発言する。
「みんな聞いて欲しい。明日は力を合わせて頑張ろう。仲間を守りつつ、全員無事に帰れるよう、常にリスクを考えながら戦うんだ」
「それと、今回寝込みを皆で襲うような卑怯なマネはしたくない。殺し合いだから汚い作戦は取るが、今回のドラゴンは今のところ、それほどの悪事は働いていないし、何よりドラゴンという生き物に対し、少しは敬意を示したい」
マジで!という不服そうな冒険者もいた。
ギルド長のギャバニーが応える。
「それでいいんじゃないか?最初だけでも正々堂々とする。その後は、何でも有りと。寝込みを10人で襲うのは、さすがに俺らが悪人と言えるしさ」
S級冒険者のマンシー
「ドラゴンに多少なりとも敬意を・・・その通りです。いいと思います」
とそこへ、山の上から低い咆哮がとどろいた。
地面も震え、木にとまって休んでいた鳥たちが慌てて飛び立つ。
ギャバニーが真顔で
「今のがドラゴンだな。かなり強そうな声だったな」
ワタルとエレーヌも緊張感を感じた。と同時に、2人は互いに顔を見ながらニヤリと笑った。




